愉快な仲間達
主人公がモンスターをバッタバッタ倒していくのを見たい方にはお勧めしません。
なにも考えずにぼーっと見れるよう頑張ります。
どーも皆様こんにちは。柊奏斗です。
突然ですが、俺は勇者ではありません。もう一人別にいます。まぁ話せば長くなる話ですが。それはまた別の機会にするとして。
今回は俺のパーティーメンバーの紹介とさせていただきます。
「じゃあカナト、俺先依頼受けとくぞ?帰ってくるまでには起きとけよ?」
今俺に声をかけたのはランド。歳は16。
職業としては多分戦士的な何か。前衛でヘイトを集めたりする。後はまぁ生活に便利程度の魔法が使えるくらいで、特に特徴はない。モテたいらしい。
「カ、カナトが起きないとご飯が…。」
と、腹を空かせて机に突っ伏しているのがサリア。歳は15。
別に大食いキャラではない。ただ俺がご飯を作っていなくて腹を空かしているだけだ。普通に俺が悪い。
職業は俗に言う魔法使い。強いっちゃ強いが規則とか面倒なのが結構あるし、魔力尽きたらただの足手まとい。こちらもこれといって特徴はない。
「ねぇカナト。いい加減に起きないと本当に間に合わないよ?」
と、優しく問いかけるふりをして、実は俺の布団を凄い力で引っ張っているのがカリンだ。歳は16。
職業は僧侶とか聖職者みたいな感じ。イメージ通り回復魔法が扱える。しかし、キズを一瞬で癒せる訳がないので副業として魔法を頑張っている。特徴はないが、言うなれば力がやけに強い。
「……個室が欲しい」
と、悲しげに呟くのは俺、柊奏斗だ。
職業は特にない。まぁ言うなれば定職につかず、バイトしてるフリーターみたいな感じ。魔法もちょいちょい出来るし、近接もまぁまぁ出来る。
この紹介だと俺が魔法剣士みたいな感じになったが、実際はただのどっちも中途半端なただの雑魚である。
こんなだから特徴はまずないが、あげるとすれば結構自堕落なところ。
と、俺達のパーティーは男女二人ずつ、役割もありがち、能力も平均の至って特徴なしの平凡なパーティーである。
まぁ、一つ平凡出ないところをあげるとすれば、俺の主人公補正ポイントが面倒イベントの発生率に全振りされていること。
「そんなに個室が欲しいなら、依頼をもっと積極的にこなしていけば良いんじゃない…のッ!」
「あ」
遂に本気を出してきたカリンに布団を取り上げられる。この世界の住人は機械なんて無く自分でやるしかないため、料理以外なら結構色んな事が出来、皆ハイスペックだ。
わりと便利な日本で暮らしている俺としては、この世界は結構しんどい。というか未成年なのに毎日朝から夜まで働いてる。この世界に労働基準法というものを広めたい所だ。
でもそこまで知識もないしな。やめとこう。
「っこらしょ」
俺は重たい体を起こし、グーっと3秒ほど体を伸ばす。
別に起きるのは苦手ではない、一度起きたら起きたら起きれるが、そこまでが辛い。ってことは朝が苦手だな。うん。やっぱ苦手だったわ。
間接をポキポキ鳴らしていると、サリナがこちらを睨んでくる。怖い。
「はーやーくーごーはーんーを」
「わかったからちょっと待って」
そんなこんなで一日が始まる。魔王とか四天王とかそんな大層な事に関わりのないと多分思う俺の日常が。