スキル
「スキル?」
「そうよ、スキルよ。あの時からずっと考えてきたんだけど、楓の無詠唱ってスキルだと思うのよ。」
僕はセリアに呼ばれて宿の食堂に来たんだが、セリアを助けた時の話らしい。
「スキルってなに?」
「あんたスキルも知らないの?スキルっていうのはその人独自の力のことよ。」
「それが僕の無詠唱ってこと?」
「そう!私はそう考えたんだけどどう思う?」
「どう思うと言われても···。」
なんとなく頭に浮かんだだけだからなー。
「そうかも知れませんよ。」
そう僕たちに話かけてきたのはアエルだった。
アエルの言い様からするに無詠唱はスキルってことなのかな?
「私も調べていたんですが、ある書物に似たようなスキルが載っていたんです。」
「と言いますと?」
「魔の力を順序を踏まずに発動する力と書かれていました。」
なるほど、でもあの時はたまたまだったのかもしれないしな。
「楓さん、冒険者カードを見せてもらってもいいですか?」
「カードね、いいよ。」
「やっぱり、楓さんのスキルは無詠唱ですね。」
カードにスキルが書いてあるの?
「ここに詠唱を省略するって書いてあります。」
アエルは僕にカードの下の方を指差しながら言った。
こんな所に書いてあったんだ。
「じゃあ今日は暇だし魔法の練習に行くよ。二人はどうする?」
「私はパス。今日はこのあと用事があるんだよ。」
「私は楓さんの魔法を見たいのでついて行きます。」
「お昼を食べたら行こうか。アエル後で集合ね。」
「分かりました。」
「二人だけいいな···。」
よし、じゃあ部屋に戻ろう。ガントレットでも拭いておこうかな。
そうだ、これも腕に慣らすために持っていこう。そういえばアエルって武器持ってたっけ?
持ってなかったような気がする。また今度買いにいくか。
「アエルお待たせ。待った?」
「そんなに待っていませんよ。楓さんはお昼もう食べたんですか。」
「うん喫茶店に行って食べてきたよ。」
「そうですか。じゃあ行きましょう。」
僕たちは初めて僕がアエルに魔法を教えてもらった場所に行った。
ここなら迷惑にならないかな。
「じゃあ、アエルは離れてて。」
「分かりました。」
よし、アエルは離れたな。
「《アイスウォール》」
そう僕が唱えると僕の前に高さ十メートルはありそうな氷でできた壁が現れた。
「成功したね。」
「ですね。無詠唱ってやっぱりすごいです。」
また異人らしくなってしまったな。まあいいことだからこれはこれでよしとしよう。
「楓さん、前もそうでしたけど、氷の魔法は合成魔法ですよ。」
「合成魔法?なにそれ?」
「合成魔法は複数の属性の魔法を合わせた魔法のことです。アイス系は温度を司る火の魔法と水の魔法の合成魔法ですよ。」
「へー、なるほどでも僕はそんなこと知らなくても出来たよ。」
「それはまたなにかのスキルが関係しているのかも知れません。」
またスキルか···。
「でもカードには何も書いてなかったよ。」
「カードにはスキルを使用者が確信するまで表示されないんですよ。」
そんな設定なんだ。じゃあ今はもう表示されているのかな。
僕はカードを取り出して見てみると、無詠唱のスキルの下に創造と書いてあった。今回は単語なんだな。
「書いてあったよ。創造って。」
「創造ですか。かっこいいですね。」
「そうだね。」
「まだ練習します?」
「うん、もう少しやってみるよ。創造の力も知っておきたいしね。」
「分かりました。」
結局僕は日が暮れるまで創造の力で半分遊んでいた。
僕たちは僕の創造の力をセリアに言うことにした。
「創造?また凄そうなスキルだね。楓ばかりずるいよ。」
「そうですね。私もスキルは一つも持って無いのに。」
「まあ僕は異人だしね。」
「異人でもスキルを二個以上持っているやつはなかなかいないよ。」
「やっぱり楓さんずるいです。」
「そんなことを言われてもな···。」
欲しくて持っている訳では無いのに。もちろん捨てる気はないが。
「それはそうとアエル、アエルって武器持ってる?」
「今は持って無いです。」
「今はってことは昔は持っていたの?」
「はい、双剣だったんですけど、鉄製ですぐに壊れてしまったんですよ。」
「なるほど、セリア、セリアのお父さんの店にいい双剣ってある?」
「あるにはあるよ。だけどやめといた方がいいよ。」
「なんで?」
「それは見たらわかるよ。明日店に来てみな。」
「分かった。アエル?いいよね?」
「はい、逆に行きたいくらいです。」
さっきのセリアの言い方が少し気になるな。どういうことだろう。
まあ明日行って見た方がいいか。
なんか明日が楽しみだな。
やっと主人公独自の能力がでてきました。
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