衛兵
僕らは町を意味もなく散歩していた。
「アエルって料理出来るの?」
「人並みには出来ますよ。」
「ついでに言うと私は出来ないよ。」
予想どうりの答えが返ってきたな。
「料理がどうかしたんですか?」
「いや、時間がかかるクエストとかだったらさ、途中でお腹がすくじゃんだから料理はできる方がいいかなって思っただけだよ。」
「出来なくて悪かったね。」
「そういうことでは無いんだけどね、料理って火を使うから、料理している時魔獣襲われないか心配だから護衛も必要だしね。」
「なんか上手く言われたような気がするがまあいいか。」
よかった。ちょっと焦った。口聞いてくれなくなるかと思った。
「ねえ、楓さんあそこに人だかりが出来てますけどなんでしょう?」
「本当だね。ちょっと行ってみようか。」
そこには、見覚えのある顔とチンピラのような男達がいた。
「あ、ルナさんじゃん。なにかあったのかな?」
「分かりません。まあ危ない状況という事だけは分かります。」
「あ、楓君ちょっと来て。」
僕はルナさんのところに行くとルナさんが小さい声で話かけてきた。
「今日ね宿でこの人達が暴れていたのよ。で、他のお客さんに迷惑だから宿を出てもらう様に言ったんだけどね、逆ギレされて、向こうが勝手に武力で解決しようって言い出したの。それで今にいあたるわ。助けてくれない?」
なるほどそういうことか。
「いいですよ。後ろに下がっててくださいね」
僕はルナさんが下がったのを確認してからチンピラ達に話かけた。
「武力で解決したいなら僕が相手になります。」
「なめてんのか?お前一人で俺たちに勝てるとでも?」
「はい、僕は負けたことが無いんですよ。」
「かっこつけてんじゃねえぞ!」
そう言って一人僕に飛びかかった。
僕はそいつを避けてからそいつの腹にアッパーを食らわせた。まあ見事にそいつは倒れた。
「なめてんじゃねえぞおおお!」
そう一人が言うと全員僕に飛びかかって来たので僕が避けると、また見事に仲間同士でぶつかり合いチンピラ達は倒れた。
「楓君ありがとう。おかげで助かったよ。私一人じゃあの人数を相手には出来ないからね。」
「いや、困っている人がいたから助けただけですよ。」
「人間ができているんだね。」
そんなこと無いと思うけどな。
「全員動くな!」
そう言って僕たちの前に現れたのは黒い服で統一されている人たちだった。
「こいつらを始末したのはお前だな。」
「はい、僕ですが。」
「ついてきてもらおう。」
僕はこの衛兵と呼ばれる人たちについて行った。
すると石造りの真四角の日本で言うと警察署のような所に連れてこられた。
「まあ中に入ってくれ。」
僕は警察署(これからそう呼ばせてもらいます。)の中に入った。
僕は警察署の一室に連れてこられた。
「まず、今回の事に対して礼を言う、ありがとう。」
「いえいえ礼には及びませんよ。」
「あいつらはな最近この町で暴れているって通報はきたんだよ。そして捕まえようとする前にお前が片付けてくれたようで手間がはぶけた。」
そうだったんだ。けっこう出掛けていたからなあ。
「でもこっちも仕事をしなくてはいけないのでなどのような事があったのかだけ話してもらえるか?」
「簡単に言うと散歩していたら知り合いが困っていたから助けただけですよ。」
「なるほどどんな状況だったんだ?」
「僕の知り合いの父が経営している宿で暴れていたから宿を出てもらう様に言うと逆ギレされて向こうが勝手に武力で解決しようって言ったんですよそして、外に出て言い争いをしているところを僕が助けたってかたちになります。」
「なるほど、時間をとらせてしまって申し訳無かったな。また何かあったらすぐに言ってくれ。」
「分かりました。」
僕は衛兵さんに見送られて警察署を出た。
宿に帰るとアエルがいきなり飛び付いてきた
「楓さん大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ。ただどの様な事があったかだけ聞かれただけだったよ。」
「よかった。」
「それよりもアエルこの体勢は少し誤解を招くよ。」
僕がそう言うとアエルは顔を真っ赤にして自分の部屋の方に走り去っていった。
ルナさんがニヤニヤしている。
「楓君大丈夫だった?」
「ニヤニヤしながら言わないでくださいよ。」
「これは失礼。」
「大丈夫でしたよ。逆に感謝されました。」
「そうかい、それはよかったね。」
まだニヤニヤしてるこの人。
さっきの事で僕とアエルは一週間ほどいじられるのは言うまでも無いだろう。
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