王位
僕たちは朝からアルブスに行くことにした。
王城に行くのは昼からだ。
「じゃあ行こうか。皆、僕の手を握って。」
「「え!」」
そういえばアエルとセリアはテレポートしたことないんだっけ。ルーンはもう知っているから何も言わなかったけど。
「僕のスキルの《テレポート》を使うから、僕に触れていた方が成功率は高いからだよ。」
「「な、なるほど。」」
二人は顔を赤くしながあそう言った。
「では、行きましょう。」
さっきから何も言っていなかったルーンがそう言った。
ちょっと、ルーンさん顔が怖いです。目が笑っていませんよ。
『ルビー』
『何でしょう主?』
『ルーンを守ってくれる?一国の王女が町に出歩いたら危険だし。』
『わかりました。』
僕はルビーにルーンの護衛を念話で伝えた。
これを知られたらルーン怒りそうだし念話で伝えたほうがいいだろう。
「じゃあ皆手を握って。」
僕は皆が僕の手を握ったのを確認してから唱えた。
「《テレポート》」
テレポートしたのは町の外だった。
町にいきなり現れたら驚かれそうだしここでよかっただろう。
「さあ、行こうか。ん、どうしたの?」
僕が振り返ると、アエルとセリアが固まっていた。
そういえばルーンも最初はこうだったけ。
「二人とも!行くよ!」
「「···」」
「はあ。」
「楓さんここはわたくしにお任せください。」
ルーンがそう言うので任せる事にした。
「《ウィンドウブラスト》」
ちょっと待てルーン。それは···
二人は少し飛ばされて、気がついたのか、受け身をとった。
「あービックリした。」
「ビックリしました。」
「これからテレポートする時も増えるから慣れてね。」
「うん。わかった。」
「わかりました。」
もう次やっても大丈夫かな。
「では、行きましょう。」
「そうだね。行こうか。」
僕たちは町の中の喫茶店に入った。
「こんな所に来るのは初めてですわ。」
「そうか、ルーンは王宮育ちだもんね。こんなとこに来ることは無いだろうし。」
ルーンは初めての喫茶店で目を輝かせながら辺りを見ていた。
「何を食べたい?」
「なんでもいいですよ。」
じゃあいつものにするか。
「サンドイッチとパスタください。」
「私はうどんで」
「私はグラタンで。」
僕たちはそれぞれ食べたいものを頼んだ。
けっこうこっちの世界にも向こうの世界と同じ食べ物があるんだな。
「お待たせいたしました。サンドイッチとパスタ、うどん、グラタンでございます。」
お、来たね。
「じゃあ食べようか。」
僕たちはそれぞれの食べたい食べ物をたべた。
ルーンも美味しそうに食べているな。
「ルーン、美味しいか?」
「はい!とても美味しいですわ。」
それはよかった。
僕たちはご飯を食べ終わると、本屋に行くことにした。
もしかしたら本屋に今まであったスキルが載っている本があるかもしれないからだ。
「けっこういろんなスキルがあるんだね。」
「そうですね。でも、楓さんだったら今まであったスキルやなかったスキルも作れますから、こんなのは要らないのでは?」
「そうかな?でもさ、思いつかなかったら意味ないし、持っといたほうがいいかなって思ってさ。」
「なるほど。」
僕はスキルが載っている辞書くらいはありそうな分厚さの本を買うことにした。
「相手の魔力などを吸ったり与えたりできるスキル《エナジードレイン》とかあるんだ。」
「私の祖父は、手が届かない所にあるものも動かせれるスキル《ノータッチ》など持ってましたよ。まあこれは使い手の魔力の量によってスキルの強さは違うんですけどね。」
「へーけっこういいのもあるんだね。意味ないのがほとんどだけど。」
そう、スキルは戦闘に特化しているものばっかりではないらしい。
「目的の物も買えたし、ちょうどお昼だし王城に行こうか。」
「そうですね。」
僕は皆が集まってから王城に向かった。
「今日どんなことがあるかルーンは知らないの?」
「わたくしは何も知らないです。」
「そうか···。」
何が起こるのだろう。
そんな不安な事を考えているうちに王城についた。
「ルーン、王様が待っている所まで案内してくれない?」
「わかりましたわ。」
僕たちはルーンの案内で一つの部屋の前きた。
「大きい扉だね。」
「ここはお父様が普段身内などを呼んで過ごしている部屋です。」
僕たちは僕を先頭にして部屋の中に入った。
「楓君たちよく来てくれた。まあ、そこに座ってくれ。」
僕たちはルーンのお父さんが座っている反対の席に座った。
「今日は来てくれてありがとう!それで、相談があるんだが、聞いてくれないだろうか?」
「いいですよ。」
一国の国王の相談っていったkどんなものだろう。
「楓君、私はそろそろ誰かに王の座を譲ろうとおもう。」
「なるほど。では次の国王はルーンのお兄さんで?」
「そうしたいんだが、あいつは嫁とこっそり過ごしたいらしいんだ。それでだな、」
おっと顔が真剣になりましたよ。なんか嫌な予感が。
「君に国王になってほしい。」
「「「はい~!?」」」
僕たちはルーンを除いて皆声を揃えてそう言った。
やっぱり嫌な予感がしたんだよ。
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