姫(続き)
今回は後編です。
僕とルーンはいつもの魔法などを練習している草原に行った。
「ダガーは、射程が短いから相手の懐に入ったらすぐ切りつけるんだ。」
「はい!わかりましたわ。」
僕がルーンにダガーの使い方を教えるとすぐにルーンは覚えた。
「こんな感じですか?」
「うまい!ルーンは身軽だからダガーが使いやすいんだね。」
「そうですわね。けっこう使いやすいですわ。」
「じゃあ次は魔法を教えるよ。」
「わかりましたわ。」
「ルーン、冒険者カードを見せてくれる?」
「わかりましたわ。」
ルーンは風属性と光属性が得意か。
僕はルーンに冒険者カードを返した。
「ルーンは風属性と光属性が使いやすいから、まずその二つの初級魔法を教えるよ。」
「わかりましたわ。」
「じゃあまず、風属性の初級魔法からだね。見といてね。《ウィンドウ》」
僕はそう唱えると、ルーンに向かって風を吹かせた。
「今のが風属性の初級魔法。頭の中で自分の手から風が出るのを意識しながら《ウィンドウ》と唱えてみな。」
「わかりましたわ。《ウィンドウ》!」
風が吹いたな。なかなか筋がいいな。
「うまいな。じゃあ次に中級魔法を教えるよ。《ウィンドウブラスト》」
僕はそう唱えると、とても強い風を吹かせた。
「今のが《ウィンドウブラスト》。さっきより強い風が吹くから自分が飛ばされないようにしたほうがいいよ。」
「《ウィンドウブラスト》!」
ルーンはそう唱えると風が吹いた。それと同時にルーンが後ろに飛んでいった。
僕はすかさずルーンをキャッチした。
「だから言ったのに。ケガがなくてよかったよ。」
「ありがとうございます楓さん。」
「まあ、初めてにしたら上出来だよ。」
「ありがとうございます。それよりも楓さん、この体制は···。」
ルーンは顔を赤くしながらそう言った。
僕はルーンを抱きしめたままだった。
「あ、ごめん。」
「大丈夫ですわ。私は助けてもらったのですから。」
「ありがとう。」
僕はルーンを立たせると次に風魔法の使い道を教えることにした。
「《ウィンドウブラスト》は、ダガー使いにとってはとても相性のいい魔法なんだ。相手の懐に潜りこんだ時に上手く入れなかった時に自分を飛ばすこともできるし、逆に相手を飛ばすこともできる。」
「なるほど。」
「一回僕にやってみな。多分僕を飛ばすことは出来ないと思うから、自分が後ろに飛ぶようにしてみな。」
「わかりましたわ。では。」
そう言うとルーンは僕の懐に飛び込もうとしたが、僕はそれを避けて反撃しようとすると、
「《ウィンドウブラスト》」
ルーンは魔法を使って後ろにさがった。
「うまいね。もう使いこなしてるね。」
「そうですか?」
「うん。とてもうまいよ。」
「ありがとうございます。」
「どうする?初めて魔法使ったから魔力切れしそうでしょ?」
「そうですわね。少ししんどいですわ。」
「じゃあもう少し休んでからやろうか。」
僕はルーンを休ませて、さっき思いついたスキルを試してみることにした。
「ルーン、僕は今から自分のスキルを使って少し実験をするから突然消えたりしても驚かないでね。」
「消えるってどういうことですか?」
「あとで教えるよ。」
「わかりましたわ。気をつけてくださいね。」
「うん。わかった。」
僕はスキルの創造を使ってあることができるか試してみることにした。
それは、《テレポート》だ。できるかどうかは分からないけど、やってみよう。
頭の中で移動したい場所を思い浮かべて、
よし。ここにしよう。
「《テレポート》」
僕がそう唱えると目の前の景色が一気に変わった。
「ここは魔獣の森か。どうやら成功したみたいだね。じゃあ戻るか。」
僕はルーンが待っている所を思い浮かべた。
「《テレポート》」
また目の前の景色が一気に変わった。
これに慣れるには時間がかかるな。
「ただいま。」
「お帰りなさいですわ···。何をしたんですか?」
「《テレポート》だよ。」
「《テレポート》?」
「あー、転移魔法っていうのかな?まあ行きたい所に一瞬で行ける魔法だよ。」
「なるほど。楓さんは何でもできますわね。」
「まあ、僕のスキルの創造の力だけどね。」
「何でもできますわね。」
「まあ、そうなるね。」
ルーンがもう呆れている。
「じゃあ光魔法の練習をしようか。」
「はい!」
「光魔法の初級魔法は《ライト》だったね。」
光魔法は少し複雑なんだよな。
「《ライト》」
僕がそう唱えると、目の前のに小さい光が現れた。
「これが《ライト》。光魔法は少し複雑でね、光を作る魔法と雷の魔法と回復魔法があるんだよ。」
「なるほど、で今は光を作る魔法ということですか。」
「そうだね。他には《ライトニングスピア》や《ヒール》などがあるよ。」
「なるほど、まずは《ライト》からやったほうがいいですか?」
「うん、そうだね。一番簡単だし。」
お、ルーンが魔力を高めはじめたな。(実は僕は魔力を感じてそれがどのような魔法のための魔力か分かるようになった。)
「《ライト》!」
そうルーンがは唱えると光が出てきた。
けっこう大きいな。魔力を込めすぎじゃないか?
あ、倒れる。
僕はルーンが地面に倒れる前に僕はルーンを拾い上げた。
「大丈夫?ルーン?」
「···」
どうやら魔力切れで意識を失っているようだ。
今日は帰るか。
「《テレポート》」
僕は宿の前にテレポートした。
んじゃルーンを寝かせに行きますか。
ルーンの部屋の鍵は持ってないし僕の部屋でいいか。
僕の部屋につくと、僕はルーンをベットに寝かした。
あ、ルーンが気がついた。
「ん、ここは···。」
僕はルーンの顔を覗きこんで、
「気がついた?ここは僕の部屋だよ。ルーンが魔力切れで倒れたから連れて帰ってきたんだ。」
「あ、ありがとうございます。ここは楓さんの部屋ですか···。」
ルーンはそう言うとぱっと振り向き顔を真っ赤にして部屋から飛び出ていった。
「もう大丈夫なのかーー?」
「大丈夫ですわー!」
遠くからルーンの声がした。
どうやらもう大丈夫なようだ。
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