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31話 4日目:夜 【母】作戦会議(下)

【続・マリアンヌ視点】



「公爵令嬢、私にもですか?」


 どうやら司祭様も私と同じだった様です。

 その証拠に意外そうな声です。


「はい、お母様と司祭様、お二方に聞いて頂きたいのです」


 私は頭を縦に振ります。

 司祭様も微笑を浮かべたまま。


「私でよければ、どんな話でも聞きましょう」


 アナスタシアは胸を下ろしたように深呼吸します。

 安心したのでしょうか。


「よかったです。

 それで話なのですが・・・

 実は・・・アダムを助ける方法があるのです」


 その言葉を聴いた瞬間、私は息を呑みました。

 

 アダムを・・・息子を救う・・・


 もう、無理だと思っていた言葉を・・・まさかこの耳で聞きますとは。

 しかも息子が裏ぎったアナスタシアの口から。


 私は口では息子の無実を信じていると周りの人に言っていましたが。

 心の中では息子は死刑になってしまうのだと理解していたのです。

 諦めていたのです。

 

 ですがアナスタシアはそれを覆せるというのです。

 

 認識を揺らす言葉に私の意識が揺らぎます。 


 願い、祈りの様な言葉だと思いますが、アナスタシアには自信がありそうです。

 ですが私はその言葉が信じられませんでした。

 

 ですので、つい。


「ほ、本当なの?アダムを助けられるの?」


 と、疑問を口にしてしまいます。


「お母様。可能性だけです。しかし重大な事です。

 アダムは誰も殺していないんです。それを証明するのです」


 私もそう思っています。

 息子は誰も殺していないと。


 でも、その方法が分からないのです。


「一体どうするの?アナスタシア。

 私も無実を証明したいけど・・・その方法がないのよ」


 彼女は私の言葉を受けても自信を揺らがせません。

 それ程自分の考えに自信があるのかもしれません。


「お母様、一つだけ方法があるのです」


 そんな・・・


 私はいくら考えても何も思いつかなかったのに。

 一体どんな方法があるのでしょうか?

 今すぐ聞きたいです。


「アナスタシア、それは何?

 あるなら私にも教えて頂戴。是非、力になるわ」


「はい。お母様。勿論ですとも。

 簡単な事です。真犯人をみつければいいのです」


 私はその言葉にいささか落胆します。

 私だってそうしたっかったのです。

 しかし、その証拠や噂すら掴む事が出来ませんでした。


 いいえ。

 ですがアナスタシアは私と違いその言葉に自信があるようです。

 それなら何かを掴んでいるかもしれません。


 私が黙っていると司祭が。


「公爵令嬢は心当たりがあるのですか?

 その・・・真犯人という者に」

「はい、司祭様。

 その人物を特定するのに、是非協力して頂たいのです」


 そのチャンスを私は待っていました。

 息子の罪をそそげるのでしたら何でもします。


「私は絶対にするわ」

「我が教団もです。それで協力とは?

 具体的にどういう行為になりますでしょうか?」


 しばし間をため、アナスタシアはメイドのカミラと視線を合わせた後。


「はい。その事なのですが・・・」


 彼女は私と司祭様にとある計画を話しました。





 【トーク中】





 アナスタシアの話を聞き終えると。



 まさか、そんな事が・・・



 私は興奮が収まりませんでした。

 頭の中を言葉がグルグルと回っています。

 彼女の話はとっぴ過ぎてとうてい信じる事が出来なかったのです。

 

 しかし私は彼女を信じています。

 彼女はその話を証明するために私達に協力して欲しいと言っているのです。

 それなら信じるしかありません。

 

 なぜなら・・・その話が本当でしたら・・・息子を無実の罪から救えるのですから。 


「公爵令嬢。さすがにその話は大きすぎまして・・・

 直ぐに信じるのは難しいかもしれません」


 司祭様はそう口に出しながらも、頭の中では考えているようです。

 彼がそう言いたくなるのも分かります。

 

 もしこの話をしているのがアナスタシアでなく。

 息子が死刑になっていなければ。

 私も司祭様同様信じていなかったと思うからです。

 

 でも、今の私は彼女を信じています。


「アナスタシア。私は信じるわ。

 アダムは何もやっていないのだから。

 それに司祭様も信じてくださりませんでしょうか。

 私からもお願いします」


 私が司祭様に頭を下げると。


「頭を上げてください。マリアンヌ夫人。

 公爵令嬢の話を全部信じたわけではありませんが、部分的には信用しています。

 ですので協力は惜しみません」


 良かったです。

 どうやら司祭様も協力してくれるようです。


「お母様、司祭様、ありがとうございます」


 アナスタシアは心の重石がとれたようにほっとした表情をする。


「いいえ、感謝したいのは私の方ですよ。アナスタシア」

「そうです。我が教団としても、無実の者を救うのは教義にのっとった行動です」


 私はそう言いながらも、頭の中ではアナスタシアの話を反芻していました。


「でも、まさか、あの方が犯人だなんて・・・」


 気付くと口から言葉が出ていました。


「それを今から証明するのですよ、お母様。

 お母さんには大事な役割をになって頂きます」


 そうです。

 アナスタシアの計画では、私は絶対に失敗できない役割。

 今日は絶対にお酒は飲めません。


「大丈夫よ、任せて」

「では、さっそくですが。お母様、司祭様」


 アナスタシアの声を合図に、私達は行動を開始しました。

 なぜなら私達には時間が無いのです。

 

 私は胸が震えました。

 身震いです。


 今夜の行動がとても大事なのです。

 『息子を救えるかどうか』がかかっているのですから。




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連載始めました↓
彼女が二股していたので、腰が砕ける程衝撃を受けた。

 

連載始めました。よろしくお願いします。↓
転生したら吸血鬼さんだった件~チートで世界最強です~

 

さくっと同時連載中。↓
もう、結構ですわっ!

 

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