↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/94

31話 3日目   【妻】王城へ

三日目開始です。

【アナスタシア視点】



 夫であるアダム伯爵が捕らえられて三日目の朝。

 アナスタシア伯爵夫人は清々しい気分で目覚めた。

 


 ふぅー、やっと、やっと今日が来たみたい。

 いよいよアダムもお終いね。

 何か仕事をやり遂げた気分だけど、まだ実は何も終わってないの。

 ほんとビックリだけど。

 でも心が妙な高揚感でドキドキしてる。ドッキドキ。


 だから意味も無く部屋の中をグルグルと歩きまわちゃった。 

 足の裏がジーンとしてくる。裸足で歩いたのかまずかったのかも。

 げっ、血液が集まってるのかポカポカするし。


 私は自分で自分の足裏をマッサージしながら、今日の事を考える。


 アダムの審問は今日の午後一で行われていることになってる。

 昨日の時点で知っていたし、朝一で王城からの使いが来でその事を伝えられた。

 

 その朝一ってのは本当の意味で朝一で。

 少しでも太陽が出た瞬間家の門が叩かれたみたい。

 勿論私はその時熟睡していたけど、カミラが後からその時の事を伝えてくれたから。 

 多分、連絡時間うんぬんで私に文句を言われないために。

 王城はなるべく早く伝えたかったんだと思う。


 でも、私は事前に知っていたので特に驚きは無かったんけど。

 いきなりだとかなりビックリしたと思う。

 まぁ、相手もこちらが知っている事は折込済みのようだったみたい。

 当たり前だけど、伯爵夫人なら知っていて当然だと思っていたんだと思う。

 実際、昨日会った貴族の方達も多くの人が審問の事を知っていたから。

 私が知っていても全然不思議じゃないんだけどね。




 それから私はバッチリメイクして、夫が捕らえられた伯爵夫人の装いをして馬車に乗り込む。

 はっきりって、どんな格好でいこうか迷った。

 罪人の妻の格好をあまり見た事がなかったし。サンプルがないの。

 それ程派手な格好で行くわけにはいかないし、しおらしい格好で行くのも間違ってるし。

 

 でも、私は主役みたいなものだから。

 それだと分かる服装でいかないと。

 「あれ、伯爵令嬢どこにいるの?え、あれが・・・うわぁー残念」みたいな目で見られたら、私の評判に関わるしね。


 あとあと、涙も流しても奇麗な顔でいられ続けるメイクもしないとね、入念に。

 もし泣いてメイクが崩れて化けモノみたいになったら、生き恥もいいものだから。

 前に舞踏会で泣き出した貴族令嬢がいたんだけど、あれはひどい顔だったから。

 思わず、「うわー、きもちわる」って皆どん引きだったし。ああだけはなりたくないわ。


 で、色々考えたんだけど・・・

 考えすぎて迷ったので私専属傍付メイドのカミラにお任せにしちゃった。

 困ったときは、カミラに任せれ大丈夫。頼りになるカミラ。


 そしていざ王城へ。



◇



 馬車の中には私とカミラ。

 ガタガタと揺れる馬車。お尻の下にクッションを引いているけど、ちょっと痛い。

 「全く、もっとゆっくり動きなさいよ」と馬車人に注意してやろうと思ったけど。

 これ以上揺らさないのは無理だと思ったので思いとどまる。

 私の馬車は馬車の中でもかなり揺れが少ないものだから。


 それで意識をお尻から離す為にカミラを見る。


「カミラ、やっとこの日が来たわね。

 長かったのか、短かったのか、私にはよく分からないわ」

「はい、アナスタシア様。私も同じような感想です」


 カミラは行儀よく座っている。

 お尻は全く痛くなさそうだ。座り方が上手いのかも。

 今度教えてもらおうかな。


「審問には多くの人が来るようですからね。

 どうですか、私の身なりは?おかしい所はありませんか?」


「アナスタシア様。とてもお美しいです。

 さぞ、皆様は悲劇的な伯爵夫人のお味方になってくれるかと。

 淡い色のドレスが妖精の様によくお似合いです。

 因みに、今のでその質問は本日4回目になります」


 知ってるー。

 でも、何回も聞いちゃうの。

 だってその度にカミラが褒めてくれるから。

 それに自分の姿が気になるのは確かだし。


「あら、そうでした?でも、何回聞いても良いものね。

 それでカミラ、何か不安要素はある?ちゃんと把握しておきたいの」

「いいえ、アナスタシア様。問題ございません」


 ほんとかなー。

 まぁ、カミラが言うなら間違いないんだろうけど。

 一応、私はふと浮かんだ事を聞いてみる。


「でも、ほら、彼のお母様の事とか・・・

 彼女、よからぬ宗教に出入りしてるのでしょ。

 昨日尾行につけた人がそう証言したって」


「はい、マリアンヌ様はユヌス教団と懇意にしているようです。

 今まで知りませんでしたが、この2日教団を訪れていると」


 そうそうユヌス教団。

 あのみみっちくて、すっごく小汚い黒っ子集団。

 なんであんなものが存在するのか意味が分からないわ。

 しかも、お母様と・・・聞いたときは久しぶりにビックリしたわ。マジで。


「まさかねー。お母様があのような宗教に関わっているなんて。

 今だに信じられないわ。一体何故なのかしら?」

「さぁ、そこはよく分かりませんが、何かしら要因があったのでしょう」


 要因ねー。

 何かしら?黒い服が好きって事かしら?

 まぁ、どうでもいいわね。


「それで問題はないのよね?今回の事に関しては」

「はい。ユヌス教団は何故か今回の事件に関して情報収集しているようですが。

 現状のところ脅威ではないかと」


「そう、それは良かったわ。でも、全く目障りな羽虫ね。

 機会があったら王都の掃除をした方がよいかもしれませわね。

 私の視界にそんな穢れた団体などいれたくありません。目の潤いが失われます」


「アナスタシア様。それは、本気ですか?」


 カミラは何か策略を廻らしているのか、難しい顔をしている。

 ユヌス教団を排除する方法を考えているのかもしれない。

 真面目なカミラだ。


「いいえ。今はいいわ。

 でも、この事件が片付いたらそうするかもしれません。

 私は奇麗好きなのですから。ゴミはゴミ箱にきちんと入れたいのです」


「分かりました。では、心に留めておきます」


 まぁ、教団の話しはこれぐらいでいいわね。

 今のところ関係ないし。


「それより審問ね。ちゃんと良い席に座れるのでしょうね。

 勿論私は特別席が用意されているのでしょう?

 醜悪な好奇心で集まってくる貴族令嬢と同列に扱われたくはありませんから」


「最初は特に区別無く傍聴席に座ることになるところでしたが。

 こちらから苦情を入れるとアナスタシア様の席が用意されました」


 分かってるわね。カミラは。

 そうそう、そうでなくちゃ。


「さすがカミラ。

 でも、王城の方は何を考えていらしているのかしらね。

 全く配慮にかけるわね。私を誰だと思っているの」


「彼らは今回の事に関してはスピード重視なのでしょう。

 なので色々なところが雑なのかと」


 そうよ、雑。

 私に対する配慮が足りないとつくづく思うわ。

 初日の騎士団の捜索、王城での対応にしろ。

 一体、何様だと思っているのかしら。

 もうちょっと大切に扱ってくれませんと困りますわ。


「まぁいいわ。もうすぐ王城ですからね。 

 これからは多くの人に常に見られることになります。

 しっかりと愛想笑いを振舞って、悲劇のヒロインを演じなければなりませんからね。

 肩がこりそうです。こまめに休憩が取れればいいのですが」


「アナスタシア様なら、きっと大丈夫でしょう」

 

 私はカミラの手を握った。

 彼女の手に触れ心を落ち着ける。 

 これからに備えて、勇気と元気を貰わないと。

 

「カミラもよろしくね」

「はい。十分にサポートさせて頂きます」



 私達の馬車は王城に入った。


ここまでお読みくださりありがとうございます。



新連載始めました

↓

「もう、結構ですわっ!」

(婚約破棄のざまぁ系になります)

※ページ下部にリンクがございます。


※こちら(ビューティフルざまぁ)の連載は、今までどおりのペースで更新して行く予定です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拍手ボタン設置中。なろうユーザーでなくても、一言感想を送ることができます。

 

連載始めました↓
彼女が二股していたので、腰が砕ける程衝撃を受けた。

 

連載始めました。よろしくお願いします。↓
転生したら吸血鬼さんだった件~チートで世界最強です~

 

さくっと同時連載中。↓
もう、結構ですわっ!

 

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。