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26話 2日目   【母】可愛いアナスタシア(下)

【続・マリアンヌ視点】



「はい、お母様。

 体に害はないようでした。食事も出ているようです。

 ですが、馬小屋の様な部屋にいれられていまして、彼はとってもつらそうでしたわ。

 あれが貴族に対する扱いですか?信じられませんでした。

 アダムが何故あのような報いを受けているのか・・・分からないことだらけですわ」


「まぁ、そうなんですか。でも息子が犯人であるわけないのに。

 一体どんな証拠があってそんな事を」


 私はアナスタシアが事件について何か知っているのではないかと思いました。


「残念なことに、詳しい事については私も分かりませんの。

 どうも騎士団も捜査中のようですし。

 でも安心してください。

 私はアダムの味方です。一緒にアダムを救いましょう」


 アナスタシアは真摯な表情で私の手を取ります。

 その手の暖かさと彼女の自愛に満ちた表情にホロっときてしまう。


(なんてことでしょう! 

 私はこんな良い子の事を嫌っていたなんて。

 それに些細なことでフキンを投げつけて罵倒までしてしまったのです。 

 あーなんてことでしょう!

 自分が恥ずかしくて仕方がありません。

 まずはその事は謝らないと)


「アナスタシア。とっても嬉しいわ。

 でもその前に言わせて欲しいの。

 その、二日前、私はあなたにとてもひどい事をしてしまったわ。

 思い出すだけで恥ずかしいことを。 

 先にその事について誤らせて欲しいの。お願い」


「お母様、そんな事、私気にしていませんよ。いいですよ、そんな事」


 謙遜するアナスタシア。

 でも私は彼女の手を強く握ります。


「いいえ、謝らせて。

 私が悪かったの。本当にごめんなさい。もう二度とあんな事はしないから」


 私は彼女の手を握ったまま頭を下げます。


「お母様、頭を上げてください。

 本当に何も思ってませんから。お願いですから」


 でも、私は頭を下げたままです。


「いいえ、ちゃんと謝っておきたいの。けじめとして。

 私は本当に愚かな事をしてしまったのだから」


「分かりましたわ。分かりました。

 それでは許します。それでいいですね。

 ですからお顔を上げてください。お母様」


 私はその言葉を受け、これまで心の中につっかえていたものが奇麗に取れた気がしました。

 顔を上げて、アナスタシアの顔を良く見ます。

 

(なんて奇麗で愛らしい顔なのでしょう!

 こんな子に私は・・・)


「アナスタシア、ありがとう」

「いいですよ。お母様。

 それで、アダムの事についてですが」


「そうね。その話でしたね。アダムを救わないと」

「その、お母様は何かお知りですか?

 事件について。アダムの助けになりそうなことを」


 彼女の質問に頭をめぐらすと、ふと一つのことが頭に浮かびます。

 昨日、事件があった日に血まみれで起床したことです。 

 第三王女が殺された夜の次の日、私は血まみれで起きたのです。

 

 考えてみると絶対に事件に絡んでいると思います。

 でも、この事はまだいえません。

 そもそも私が何が起こったのか覚えていないのですし。

 今のままの情報では役に立たないからです。

 血まみれの服とシーツは隠してありますが、それを見せたらさらに息子が疑われるだけでしょう。

 ましてや私が殺人犯と思われるかもしれません。

 息子に罪を背負わさせるなら私が捕まった方がいいですが。

 息子を犯人として疑われている証拠が分からない今の時点で余計な事はできません。


 ですから。


「いいえ、ないわ。息子は無実だと信じているけど」


 そう答えました。


「そうですわよね。そうですわ。

 私もアダムを救う情報を探しているのですが見つからないのです。

 実は、昨日から懸賞金をかけて情報を募っているのですが、まだ精査ができていません。

 情報は少しづつ集まっていますが、大半が意味のないものだと思います」


 私はその言葉に驚きました。

 そんな事をもうしているなんて、さすが公爵令嬢なのかもしれません。

 子供だと思っていたアナスタシアの方が私より迅速に動いているのです。

 私も負けていられません。息子のために何かしないと。


「ありがとう、アナスタシア。

 色々大変でしょうけど。私も手伝えることがあったら是非言ってね」


「はい。勿論です。何か分かりましたら直ぐにお母様にお伝えします。

 お母様も何か分かりましたら、直ぐにお伝えいただければ。

 もし私が外出していましても、家の者に伝えていただければ必ず耳にしますので」


「ええ、是非そうさせてもらうわ」


 それから暫く話をした後。

 私は息子の家を後にしました。


 息子の妻との会話は、とても実りのあるものでした。

 息子を救うために初めて明確な味方ができたのです。

 その事に対して私は心が安らぎました。


 息子の妻を誇らしく思えたのです。

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連載始めました↓
彼女が二股していたので、腰が砕ける程衝撃を受けた。

 

連載始めました。よろしくお願いします。↓
転生したら吸血鬼さんだった件~チートで世界最強です~

 

さくっと同時連載中。↓
もう、結構ですわっ!

 

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