14話 1日目:昼 【母】殺害現場と騒動(上)
【マリアンヌ夫人視点】
アダム伯爵の母であるマリアンヌが王城に行くと。
「お答えできません」の一言で門番にピシャリと跳ね除けられました。
私が「息子に合わせて欲しい」と何度言っても、「それは無理です」の一点張り。
その時、王城に入る知人を見かけて頼んでみましたが、それでも無理でした。
息子が城の中に囚われている事は確かなのに。
私はトボトボと落胆し、城を後にしました。
何も情報が得られなかったためか、不安な気持ちが押し寄せてきて、無性に酒が飲みたくなったのです。
次々に浮かぶ良くない考えを消すために、酔って意識をぼんやりとしたかったのです。
私は酒場に入り一本買って帰りました。
その酒の名は「ジャック・ダニエル」。
今では私の一番の親友です。
帰宅途中、ふと息子の家に行こうかとも思ったのですが、昨日の今日です。
いくら息子の危機とはいえ、昨日フキンを投げつけて罵倒した私に、息子の妻が会ってくれるかは怪しいものです。
昨日、最後見た時、彼女はとても怒っていたように思えました。
あの感情が今消えているかどうか分かりません。
でも、そうだとしても息子のために何かしたいのです。
なので行ってみる価値はあるでしょう。
変に気後れして、私の気持ちを守るために気後れしてはいけません。
今は是が非でも息子を救うために奮闘しないと。
それに息子の妻の他にも、貴族の知り合いはいます。
数年前に貴族になったばかりの私ですが、少なからず信用きでる友人を得てきました。
まずは彼らに当たってみるのがいいかもしれません。
そう考えると、酒を飲んで酔っ払っている暇ではありませんでした。
私は買った酒をを飲むことはせず公園のベンチに置くことにしました。
酒を買ったことで「酒を飲みたいという欲求」はある程度みたされましたし。
ここに置いとけば誰かが必要な人が飲むでしょう。
最初はゴミ箱にすてたり、中身を路上に捨てようかと思いましたが・・・
それはできませんでした。
お酒を粗末に扱えないのです。
私は酒瓶と離れて決意を新たにします。
これから息子を救うために行動です。
しかし、心機一転した私はふと思ったのです。
そもそも息子が殺人を起こしているわけがありません。
ましてや第三王女様なぞ、絶対にありえない。
せっかく平民から伯爵にまでなった息子が。
そんな愚かな事、全てを失うようなことをするでしょうか?
いいえ、絶対にしません。
そんな事ありえません。
心に誓ってそう思います。
それなら殺害現場にいけば何か分かるかもしれません。
そこは息子ではない何者かが、殺害を犯した現場なのですから。
きっと何か証拠が残っているはずです。
多分王城が捜査した後、又は最中でしょうが。
何か見落としているのかもしれません。
えっと、確か殺害現場は・・・
確か噴水広場で見つかったはずです。
まずはそこに行ってみましょう。
私はそう考え、噴水広場に急ぎました。




