ふつうが一番7
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急きょ家に泊まることになったアルフォンス
インキュバスはお守り返してもらって逃がしても良かったのだが問題があるらしく
「今、コレ(魔法無効化のお守り)外したらカレに魔物だってバレて殺されちゃうよー」
涙目で訴えてきた
騎士団長アルフォンスは魔力で魔物だとわかるらしい
ちなみに私は全くわからない・・・・・
アルフォンス襲わない約束で泊める事になった
母に兄の友人という事で説明して、夕食をみんなで食べる
あまり家が大きくないから、泊まる部屋がないので
仕方なくふたりはリビングで休んでもらうことになった
『誰が来ても渡さないで』
姉が言った言葉が気になる
お風呂に入り濡れた髪を自分の部屋で乾かしていると
トントンと部屋の戸を叩く音響く
「はい?」
「わたしです。アルフォンスです」
凛とした声
アルフォンスが部屋を訪ねてきたのだ
ガチャ
少し緊張しながら扉を少しあけての覗いた
「その、記憶喪失の時、助けて頂き感謝します。きちんとお礼を言ってなかったので・・・・・ありがとう・・・・・」
少し顔を赤くして俯きぎみでお礼を言っている
「あ、いえ。あまり対した事してないし・・・・・」
瞳を覗きこむと、恥ずかしのか目線を逸らす
「少し・・・話が出来ないか?」
私は少し考えアルフォンスを部屋の中に通した
こんな夜に異性を部屋に入れるのは不謹慎かもっと思ったけど何故か、ここにいる騎士団長アルフォンスにそれはないなって思った
アルフォンスを椅子に座らせ私はベットに座った
「ファナ・・・・・さんはあの魔術師シュリナの妹ですよね?」
「はい、でも私は魔力全く無いんですよ」
「そうですか・・・・・わたしは少しのならありますが、実戦で役に立つ程ではないです」
「あの・・・・・答えれないなら応えなくても良いですが、どうして狙われるのですか?」
アルフォンスは少しの考えて
「わからないです。そもそも狙われるのが本当かどうか・・・・・今朝、貴女の姉上に呼び出され強引に転移魔法をかけられたのです」
俯き凹んでいるようです
「『ちょっと城外の空気を吸ってきて』って・・・・・殿下の護衛任務があると言ったら『私ひとりで十分よ!おーほほほほ』
」
はは。その時の姉の顔が浮かぶ
「あの性悪魔術師の能力は確かに凄いですが、身勝手でいつも強引で・・・・・何を考えているやら」
ウンウン。わかるその気持ち!
「私も散々な目に合って来ましたよ・・・・・雪山にTシャツ短パン姿で転移された事もありますよ」
お互い顔を見合わせ、ふっと笑いが溢れた
「良かった。ちゃんと笑えるんですね?」
「え?」
アルフォンスは赤面した
ガチャ
不意に扉が開き驚いてアルフォンスと私は立ち上がった
そこには、何故かここにいるハズがな移姉シュリナの姿
「あれ?お姉ちゃん!?」
「やっと解決したの、アルフォンス迎えに来たわ」
姉は私の部屋に入ってきた
「転移魔法かけるから、手を貸して」
アルフォンスに近づき手を取ろうとした
私は勢い良くアルフォンスを庇うようにして二人の間に入った
「・・・何するの?ファナ」
姉は一気に不機嫌な顔になった
「あなた、誰ですか?姉ではないですよね?」
「・・・・・」
「姉だったら、この部屋で魔法が使えない事を知っています。もちろん転移魔法も使えません!」
私はニセ姉を睨みつけた
ニセ姉は不敵な笑を零した
「そんなトラップもあったのかい?知らなかったよ」
この優しい声
聞き覚えがある
「本当はもっと上手くやるつもりだったんだけど、君がこんな時間にファナの部屋に入って行ったから心配になってね」
ニセの姉はギロリとアルフォンスを睨み、自分の身体を煙で包むと姿を変えた
タレ目の黒い瞳、真っ赤な髪、
整った顔立ちで黒に金の刺繍がしてあるローブ、見た目20代前半の青年
実年齢不詳
天才魔術師ゼロだ
ファナの部屋に魔法封じされた理由
「いつもいつも!魔法使ってイカさましてるでしょ!!」
オセロ勝負をしていた私は姉に一勝も出来なかった
「そんな訳ないじゃない、あんたが馬鹿すぎるのよ」
呆れ顔で私を見下す姉に顔を真っ赤にして抗議をした
「いーや!!絶対イカさましてる!!卑怯者!」
「な!じゃ、いいわよ!そこまで言うならこの部屋魔法封じしてやろうじゃない!」
こうして姉は3日かけて私の部屋に魔法封じをかけた
その後もオセロに私が全敗したのは言うまでもない
そもそも、冷静に考えるとオセロでイカさまは無理だったね・・・