ふつうが一番5
インキュバスくん、見た目美少年なんだよー(´▽`*)
兄の様子を見に行ったが通信機はまだ治っていなかった
夢中で修理している兄の邪魔になるので部屋を出て青年とインキュバスを連れてリビングで待つ事にした
私は粗茶を入れてダイニングテーブルに置くと二人に座ってもらった
一刻がすぎ、青年がお手洗いに席を外した時
「ねぇ、ファナお姉さん」
インキュバスが話かけてきた
「カレ、記憶喪失なの?」
「うっ・・・・・」
バレた
まぁ、さっきの会話でわかりますよね
「おかしいと思ってたんだよねーいつものカレなら隙ないし誘惑の魔法もかからないもん」
「そうなの?」
「うん。しかも笑わない・・・・・今のカレとは別人だよ」
インキュバスは肩をすくめた
「記憶取り戻したら、私の事忘れちゃうのかな?」
笑わないのか・・・あの笑顔が見れないと思うと、なんだか寂しくなった
「どうだろう?僕だったらお姉さんの事忘れないけどね」
インキュバスは頬ずえをつきにっこり微笑んがその危うい可愛さに私はゾクリと寒気がした
青年が帰って来たと同時に
ばんっ!と勢い良く兄の部屋の扉が開いた
「ファナ!治ったぞ!」
兄は青年とインキュバスを見て
「誰だ、お前達は?」
さっき兄の部屋に一緒に行ってたのに修理に集中し過ぎて、このふたりは見えてなかったのか・・・・・
「私の友達よ・・・・・それより、治ったの?」
「あぁ、使えるぞー誰か登録してある奴に繋がるはずた」
兄がピピッっと操作して通信機を使い出した
通信機は持っているだけで、相手と会話出来る優れものだ
兄が勝手に操作をして誰かと通信し出すのを黙ってみていた
「あーもしもし?聞こえるか?」
『・・・・・』
「・・・・・お前・・・・・ちょっとまて、本人に代わる」
あれ?お兄ちゃん知り合い?
兄がため息をつきながら青年に通信機を渡し
「君と話したいそうだ」
「あ、はい。ありがとうございます」
青年が通信機を持つ
「あの・・・・・はぁ・・・・・?」
青年は通信機の相手と会話をし始めるとへらへら笑顔から段々と険しい顔に変わっていった
だ、大丈夫かな?
かなり不安になってきた私はその様子を見てオロオロする
兄が私の肩にポンっ手を乗せて
「厄介な事だな・・・・・あ、そうだ!あの通信機後でもらうからな!」
はいはい、どうせ何言われても返す気なかったでしょう?
「ふっざけるな!!!!」
青年が凄い形相で怒りだし通信機を振り上げた
兄は焦って青年に近づき壊される前に通信機を取り上げると青年は右手で額を抑え、怒りで震えていた
「あーあ、戻っちゃったね~」
インキュバスが小声でつぶやく
そこには、さっきまでのへらへら青年ではなく、鋭い眼差しで怒りを抑えながら考え事をしている若いのに貫禄がある青年
「ファナとも話したいって」
兄が通信機を私に渡した
え?私に?
お礼か何か言われるのかな?
通信機を持つと会話出来るようになる
『久しぶりーファナ。少しは痩せた?』
この声は
『うちの可愛い猫助けたの、あなただったのねーほっといて良かったのにー』
この嫌味ったらしい声は
『ほんっと、いっつも、余計な事ばっかりして』
「お姉ちゃん・・・・・」
間違いない
私の2つ上の姉シュリナである
読んで頂きありがとうございます(*´ ˘ `*)