ふつうが一番10
本編最終話です!ありがとうございました!
しばらくアルと話合った
このままでは、魔王が賭けに勝ってエドリクス王子と魔王は晴れて恋人に戻る
アルとしては、あまりいい事ではないらしい
そりゃそうだ・・・・・
国の王子が魔王とだなんて、とんだスキャンダルだ
ここから逃げ出したいが、結界が壊れない事にはとても無理だし
「ファナだけでも、何とかしないと・・・・・」
真剣に考え悩むアルが可哀想になった
「んー何とか、なるかなー?」
少しでも、アルの気が軽くなればと思って、私はわざとあっけらかんとした
そんな私を見てアルは少し微笑んだ
「相変わらずの楽観主義ね・・・・・」
どこからか聞きなれた女性の声が聞こえた
辺りを見回すと部屋の入り口で姉シュリナが両手を腰にあてて仁王立ちしている
私はポカーンと口をあけた
また偽物?
だって、あんな強力な結界があるのに本物がいる訳ないと思ったのだ
姉の後ろからスッと美しい男性が姿を見せる
私より少し年上だろうか
一般庶民にはないオーラがあり、ブラウンの髪がキラキラ輝く、瞳は吸い込まれそうなブルーにもしやと息を飲んだ
「で、殿下!!」
こいつか・・・・・この迷惑な事の元凶は
「やぁ、アル」
軽く挨拶をする王子にアルは片膝を立てて座り頭を下げ敬礼をする
私も何かしないと失礼だろうなと思ったので、お辞儀をした
姉が顔を上げてと促し、説明してくれた
ふたりは魔力封じのお守りを持って、魔王に気がつかれないように抜け道を使って来たらしい
王都の城とここを繋ぐ抜け道って
ヤバくないですか?
「アルフォンス、すまない。つい、カロスにヤキモチをやかせたくって君が好きだと嘘をついたら、ゼロとカロスが信じてしまって」
頬を紅く染めてエヘっと
「あ、カロスは魔王ね」
姉が補足する
「殿下・・・・・勘弁して下さい」
さすがのアルも不快感を現した
そして、エドリクス王子と魔王の恋仲は確定である
姉は王子に頼まれて、アルを守るつもりで強制転移したらしい
あのままだと、城が滅茶苦茶になっていたとボヤいた
「魔術師シュリナの妹よ、巻き込んでしまってすまない」
王子は申し訳なかったと私に頭を下げた
こんなお偉いさんに謝られては、許すしかないじゃないか・・・・・
「さて、のんびりしてられないわよ」
姉が見た事がないキューブ型の魔道具?を2つポケットから取り出し地面に置くと私とアルの姿が映しだされる
それに姉がブツブツと呪文を唱えると映しだされた映像が本物の人間の様な姿に変わる
見事な私達の偽物が出来上がった
「相変わらずメガルクの発明品は完成度が高いな」
感心した様に呟く王子
メガルク!?
「あら?ファナ知らなかったの?お兄ちゃん国家魔道具発明家よ」
し、知らなかった・・・ただの機械オタクと思っていました
謎の収入源はココだったのね…
「私がここで時間稼ぎしてるから二人ともちゃんと逃げ切って、0時までどちらにも捕まらないでよ!殿下、お願いします」
王子は頷くと私とアルの背中を押して抜け道に向かった
抜け道は自動転移されるらしく城の地下に繋がっており、出口に王子は魔道具をひとつ置いて転移を遮断した
地上に出たら、ゼロに見つかると言って地下深くにある秘密の部屋に私達を連れて行き部屋に入るよう促す
部屋に入った瞬間私は固まった
灯りはロウソク数本だけ、部屋の真ん中に天袋付きのキングサイズのベット
上着が少し掛けれるオープンクローゼットにシャワールーム
これは正しく・・・・・逢引する部屋ですよね?
恐る恐るアルの顔を見ると、赤面し固まっている
「さて、わたしが消えると怪しまれるから戻るよ。ここの物は自由に使ってくれ。ごゆっくり」
何かほくそ笑んで王子は去って行った
こんな王子に将来国を任せて大丈夫だろうか・・・・・
この超居心地の悪い部屋で座る所もベットしかない
私達は仕方なくベットに離れて座り時間が過ぎるのを待った
なかなか時間がたたないので、部屋を観察する
恐らくベット横の小物入れにはピーな物が入っているだろう・・・
ちらりとアルを見ると若干前のめりになってる気がするが気のせいだろうか
このままでは気まずい雰囲気が漂いまくりなので、私は何が楽しい話題をアルに振ることにした
「えーと、アルは兄弟いるの?」
「え?ああ、弟がいる。まだ見習い騎士だが」
「そうなんだー私一番下だから弟欲しかったなーあんな兄とあんな姉だよー可愛い普通の弟が欲しー!」
ははっとアルは笑い少し考えて
「でも、毎日飽きなくていいじゃないか?」
「人事と思って…聞いてよ、うちのお兄ちゃんったらーー」
なんだかんだと私の兄姉苦労話が長々と始まり、アルは楽しげに聞いて相槌をうっていた
そして、いつの間に時間は過ぎ
ボーン
遠くで0時の鐘がなる
「・・・・・」
「どちらにも捕まってないって事は引き分けって事?」
「そうなるだろうな」
今まで、どこかしら緊張していたアルがハアっと肩の力を抜いてベットに倒れた
「とんだ災難でしたね・・・・・」
「そうだな・・・でも、わたしはファナに出会えたから、悪い事ばかりではなかったかな・・・・・」
アルは私を見て優しく微笑む
青雷の獅子の言葉に私は頬を紅く染めた
何とも言えない雰囲気がふたりを包む
アルが起き上がり私の腕を優しく掴んだ
「あのっ
ガチャ!
扉が急に開いて、王子と姉が入ってきた
「あら?いい所だったの?」
くーーーーーアルは咄嗟に掴んだ手を離し
私は顔を赤くして、姉を睨んだ
姉はクスっと笑って
「ご苦労さま、馬鹿げた賭けは終わったわよぉ、貴方達にご褒美あげないとねー」
そう言うと姉の手に持っていた袋から通信機を出して、私とアルにひとつずつ渡した
「ちゃんと貴方達の登録してあるわよーふふ」
姉と王子はニヤニヤしている
く、悔しいけど・・・・・
ありがたくもらっておきます
私とアルは顔を見合わせ微笑んだ
おしまい
一話一話が短く、とても読みにくかったと思います。
読んで頂きありがとうございました!




