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自然発火  作者: ゆるふわ
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第一唱 『全くもって君のいってることがわからない』

 ある偉人は言った。

 

”人には、どんなことがあっても、乗り切らねばならないといけないときがある。どんなにそれが、つらいときであったとしても。人には、誰にでも穏やかで、他者を大切にする義務がある。どんなにそれが、憎き相手でも。それが、人間の定めだから。”、と。


 憎い相手には、復讐心や憎悪を抱く者は絶対にいるだろう。でも、それが何になる? 誰かを恨んでも、自分のためにはならない。相手の思い通りになるだけだ。


 静岡の、とある喫茶。ここに一人の少年がいた。見た目からして、中学二年生やそこらである。

 私はなぜか、彼から目が離せない。だってその子は、いじめられてるかのような体つきをしていたし、彼の顔には大胆にも青いアザができていたのだったから。

 しばらくすると、彼は席を立った。何かを急いでるようにも見えて、どうしても気になった。そして彼が会計を済ませて喫茶から出ようとした時、私も自然に会計を済ましていた。


__そう、そのときは気付いていなかった。自分の過ちに。


 喫茶を出ると、彼は駆け足で路地裏に入る。私もそれに追いつこう、と駆け足で路地裏に入る。

 だが彼は途中で私に気付いたのか、足を止めた。そして携帯電話を取り出し、彼は誰かと話をし始めた。

 「もしもし。鷹羽田くん?」

 「あぁ、そうだ」

 「例の金の事なんだけど、少しいい?」

 「なんだよ。金を安くすることはできないぞ」

 「僕ってあいつにいじめられてるじゃん。だから、五千円を明日までに渡さなきゃならないんだよ。それで、お願いがあるんだ。解決するまで待ってくれないかな…」

 ここまで来たところで私は思った。彼が今会話している少年は、彼をいじめているわけではない。彼は他の誰かから、金銭を要求されているようだ。

 「じゃ、それまで立て替えておいてやる。それまでに解決しろよな」

 「うん、ありがとう! 」

 「ま、いいってことよ。じゃ、切るぜ」

 「うん」

 こうして通話は終了し、彼は振り返った。私は突然のことに驚き、彼に見つかってしまった。

 「あ…。す、すまない。聞くつもりはなかったんだ。ただ、気になってしまってね」

 「何が、気になりましたか…」

 「喫茶に入った時から、君は顔にアザがあって、それが心配だったんだ。同級生にいじめられてるのかい?」

 「…関わらないでください」

 「え? 」

 「あなたは『まだ』僕につけ込む気ですか? そうやって偽善者ぶるのやめてください! 僕の友人に罪をなすりつけないでくださいよ! 」

 意味が分からなかった。彼とは初対面だし、本当に私は心配していた。罪をなすりつける?偽善者ぶる?まるで、私がバカみたいじゃないか。そのとき、どこからやってきたのかは不明だが、彼は一人の男に首を掴まれる。私は突然のことに驚いた。が、緊迫のなかで、必死に言葉を見つけて言った。

 「彼が苦しそうじゃないか。その手を放しなさい! 」

 でも、男から反応はない。私は携帯を取り通報しようとしたが、なぜか手が動かない。そして、次の瞬間、彼は言うのだった。

 「あ…あなたはな、何を言ってるの…ですか? 苦しいです、やめ…てっ…」

 彼の言ってる意味が分からない。彼は何を言いたいのだろう。そう考えていると、男はもう私の目の前にはいなかった。そして、私の目の前で、彼は苦しそうにしながら言うのだった。

 「はぁ、はぁ。あなたは何がやりたいのですか? 僕をここまで追いつめて、何が目的なのですか?」

 「君こそ何を言っているんだい? 私は君には何もしてないぞ? もう男はいなくなった。安心したまえ」

 そう言うと、一分ほどの間があり、彼は言ったのだった。

 「警察、呼びますよ」

まだ、一話さえ完結していませんが、ゆっくり更新していく予定です。よろしくお願いいます。


何かありましたらここへ。

arise_102560@yahoo.co.jp


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