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打ち上げ
「乾杯!」
棗の音頭と共に立食パーティーが始まる。
会場は飲食店の貸切、手配は礼子が担当した。
「悪いわね、私まで」
「いえいえ、リアナの保護者さんは大歓迎です」
棗はニッと笑う。
「高島先輩、記念写真お願いします!」
「私も!」
「私も!」
一人が走り寄ると、周りが便乗する。
「じゃあ、皆で撮ろう!」
「なら、保護者の私が撮ってあげるわ」
「お願いします」
海里が撮影者を買って出ると、棗は後輩に渡されたデジカメを海里に渡した。
その場にいる全員が集合し、棗達を中心に一枚撮る。
「賑やかね」
海里は数人づつで話す学生を見て言った。
やがて、少しづつ人も抜けていく。
「じゃあ、解散しよう!」
長かった打ち上げも、三分の一減って終わった。
「棗、礼子、鴇音、家に来てよ!」
リアナに言われ、三人は顔を見合わせる。
「海里さん、構いませんか?」
「勿の論よ!」
礼子の問いに海里が古臭い言葉を使い、今度は4人で顔を見合わせた。
「それ、古いですよ」
棗は笑いながら言ったのだった。




