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終わりの始まり
「ただいま」
「お邪魔します」
それぞれ言って家に入る。
散らかった要素が一つも無い家が、賑やかになる。
「お客様が来たのは久しぶりね」
海里は感慨深くなる。
「リアナ、ありがとう」
「叔母様、大好き!」
リアナは海里に抱きついた。
「私ね、叔母様が理事長になって更に思ったの。絶対叔母様の学校の先生になる!」
「リアナ…」
その言葉には複雑になる。
「わかった、卒業したら来て頂戴。それまでには設備を整えておくから」
「ちょっと、私達忘れてませんか?」
「本当に、仲の良い事ね」
「リアナ、良かったね」
「うん!」
リアナは顔を三人に向けると頷いた。
年下のリアナと仲良くなった様に、年上の海里とも三人は仲良くなる。
つまみを食べながら談笑し、やがてリビングに客用布団を敷き詰めて眠った。
「叔母様…」
リアナは母に抱きつく様に海里の側で眠る。
やがて四年になり過程も終了、卒業する。
二人はマンションを引き払うと海里は実家に、リアナは学園内へ引っ越す。
そして、これからリアナの宿波学園での生活が始まるのだった。




