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Student War ──羅刹女──  作者: 天井舞夜
臆病者・神代善人さらに思考・善
42/86

第39話

注 : 残酷描写タグが仕事します


なんだこの展開(笑)


神代 善人 : かみしろ ぜんと

 かつて俺が通ってた小学校には羅刹女と呼ばれる同級生の女子がいた。

 俺は小4の頃イジメられっ子だった。

 なんでイジメられてたかはわからない。ただ、俺の他にもイジメられてる人はたくさんいた気がする。噂では、裏でイジメの手引きをしている人がいるといわれ、あらゆるイジメっ子達はその人に怯えていた。

 しかし、ある日の事だった。二人組みの女子があるイジメを止めた。かくしてイジメによる恐怖時代から二人組み──特に羅刹女による圧倒的な暴力による恐怖時代に移り変わった。

 羅刹女の圧倒的な強さは他を寄せ付けなかった。男子が束でかかっても息一つ乱さず一騎当千し、男性教師ですら病院送りにした。女子相手でも容赦がなく、髪が白い女子をイジメてた女子をたこ殴りにしていた。

 ただ羅刹女の支配の時は平和だった。イジメがなくなったからだ。さらに羅刹女は自分から喧嘩をふっかけることもない。それが他校には曲解して伝わっているようだけど。

 かくいう俺──神代善人も羅刹女から助けられた一人だ。


****


 夏休みも中盤にさしかかった炎天下のある日の午前。

 俺は学校に呼び出された。呼び出した相手は数人のクラスメイトだ。

 呼び出された理由が告白だったら良かったのに……。

 財布には5万円が入っている。親の財布から盗み出したお金だ。

 5万円だ。明らかに親にバレるだろう。だけど持っていかないと殴られる。要求された金額の足りない分だけ殴られる。

 俺は体育館の裏へ重い足で無理矢理歩く。

 中学生になってから羅刹女が校内で喧嘩しているとは聞かない。俺が知っている限り、4月の先輩達を暴行した事件くらいだ。

 体育館裏に入って行くと5人の男子がいた。男子達が俺に気付くとニヤニヤと汚い笑みを浮かべた。


「よお。お金は持って来たかい? 神代君」

「持って来たよ。これでいいんだろ?」


 俺は財布から5万円を取り出して渡した。

 そいつはそれを受け取ると俺の腹を殴ってきた。


「がっ!」


 俺は油断していたためそれなりのダメージを受けてしまい、腹を抱えて膝を着いてうずくまった。そしてすぐに頭を殴られ、地面に思いっきり叩きつけられた。


「な、なんで? 5万渡しただろ……」

「お前何勘違いしてんの? 一人5万円という意味だから。まあ、後19万9998発分体で払えよ」

「おらー!」


 俺は脇腹を思いっきり蹴られた。


「あっ! 殴り以外はカウントされねぇから」


 そしてふくらはぎに誰かが落ちて来た。俺はふくらはぎに激しい痛みを覚えて呻いた。


「ちょっと神代を仰向けにしてくれませんか?」


 俺はふくらはぎの痛みを我慢しながら仰向けにされた。目に飛び込んで来たのは2階の窓に足をかけている男子達の一人。その男子は言う。


「俺今から飛び降りるからしっかりクッションしとけよ」

「やめろ!」


 必死に絞り出した俺の声も虚しく、男子は2階から飛び降りて俺の腹に落ちて来た。

 俺は一瞬息が止まり、痛みが襲う。


「もうやめてくれよぉ……」


 俺は泣きながら小さい声で言った。男子達は聞こえてないの聞いてないのか俺を寄ってたかって蹴り始めた。


「男のくせに女みたいな顔で泣くなよ気持ちわりぃな」

「根性焼きしようぜ!」

「はぁ? 根性焼きぃ?」

「誰かタバコ持ってるんですか?」

「いやないな」

「俺も」

「おいおいお前らしっかりしろよ。別にタバコなんてなくても、今は夏だぞ。天然の熱いコンクリートとかあるだろ」

「なるほど! 頭いいなお前!」


 5人は俺を蹴り続けてそんな会話をした。


「ヒッ!」


 俺──いや、俺と5人の男子達の耳に恐怖でビックリする女子の声が聞こえた。俺達はその女子を見る。


「んなっ?!」


 女子は恐怖に顔をひきつらせながらも、その場からすぐに逃げ出した。


「どうすんだよ? 見られたぞ」

「あー……ちょっと追いかけて脅してくるわ」

「頼みましたよ」


 男子が一人だけ女子を追いかけて行ったが他4人の暴行は止まらない。俺が数えた限り後19万9998回残っている。


「あっ! 俺いいもの持って来たんだ」

「なんですか?」

「これだ」

「金鎚ですか」

「これ以上は神代君がかわいそうだし、そろそろ殴ってカウント減らそうぜ」

「お前優しいな」

「だろ(笑)」


 男子は金鎚を振り上げて俺の腹目掛け振り下ろした。もはや体を動かせない俺はただそれを受け入れて痛みに耐えて呻くしかなかった。


「あんた達何してるんだ?」


 再び女子の声が俺達の耳に響いた。先程の女子と違って落ち着いた声だった。男子達が声の方へ振り向く。俺も痛みを我慢しながらその女子を見た。

 勝ち気で生意気な感じの目、銀縁の眼鏡を掛けて、綺麗で艶のある長い髪はポニーテール、そして制服のスカートから見える筋肉質で普通よりちょっと太いが引き締まった美脚。羅刹女こと高田鏡華がそこにいた。

 高田さんの背中に隠れるようにさっきの女子がいた。そして女子を追いかけて行った男子は気絶しているのか高田さんに襟首を掴まれて、おそらく引きずられて来たのだろう。


「まったく……面倒だな。女子、ここはもう私に任せて行け。面倒事に巻き込まれるぞ」

「はい」


 妙に惚けた声で返し、駆け足でこの場から離れた。

 高田さんはそれを見届けると鋭い眼光で男子達を睨み付けた。


「一体全体何があったんだ?」


 その声は俺に向けられた気がした。

「この女誰だ?」

「羅刹女ですよ」

「羅刹女? あの羅刹女か?」

「そうだな」

「もっと化け物みたいな奴かと思ってたぜ」


 高田さんは男子達が話している最中、男子を引きずりながらこちらへ歩いてきた。

 男子の一人が高田さんから見えないように金鎚を持っている。しかし、高田さんは男子が持っているお金を見ている。

 そして、高田さんは男子達のすぐ傍まで来ておもむろに言う。


「そうだ。私お金ほしいんだが、あんた達その5万円くれないか? そうすれば見逃してやろう」


 男子達が下品に笑い飛ばした。


「金がほしいのか? くれてやるよ」


 金鎚を持った男子が高田さんの頭目掛けてそれを振り下ろした。高田さんは気付いてないのか涼しい顔をしている。

 俺は声を出そうとするが声が出せなかった。

 しかし高田さんは死角の金鎚を見ることなく、男子の金鎚を持つ手を掴んでそれを止めた。


「金鎚って千円くらいだっけ? まあいいか。払えないなら足りない分殴らせてもらおう? 4万9000発だな」


 高田さんは男子達と同じ理論を言って、金鎚を持っている男子の腹を殴った。金鎚を持っている男子はそのまま崩れ落ちた。


「てめぇ!!」


 他の3人の男子も攻撃するが高田さんはそれらを華麗によけていた。

 俺はその圧倒的強さと美しさに見惚れた。

 気付けば、この場で立っているのは言葉通り高田さんだけだった。


「後4万8884発か……どうでもいいが。……人格が歪んだというところか」


 高田さんは独り言を呟き、俺の傍まで歩み寄りしゃがみ込んだ。


「大丈夫か? え~と……神代だっけ?」


 見える!

 高田さんは携帯電話を取り出した。


「とりあえず救急車呼ぶから」

「それは困る。親にイジメられてるのがバレちゃうよ」

「はあ? 何を言ってるんだあんたは。そんなボロボロじゃどっちにしてもバレるだろ。それにどうせ親の財布から5万円盗んだんだろ?」

「そうだけど……」


 高田さんは俺を呆れるように見て言う。


「じゃあとりあえず保健室行くぞ。立てるか?」

「うん」


 立ち上がる時体中に痛みが走ったが無事に立つことが出来た。


「おいおい大丈夫か?」

「大丈夫だ」


 俺は足がよろめき倒れそうになるが、高田さんは俺を抱き止めた。


「えっ? 本当に大丈夫か?!」


 高田さんが戸惑いの声で言った。

 ビックリした。

 想像以上に華奢だった。腕に触れる手が柔らかかった。髪の毛から酔いしれるような香りがした。

 そして、ダメージが蓄積してた所為か高田さんの色香にやられたからか俺は気絶した。


****


 俺は選定する。

 あの女子は善。

 高田鏡華……善。

 イジメられていた男も善。

 集団でイジメていた奴らは…………悪。

 裁きの時間だ。

 悪を裁こう。

 善の名の下に。

絶対真似するなよ。絶対だぞ


昔のアニメは過激ですね。某ボクシングアニメとか

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