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Student War ──羅刹女──  作者: 天井舞夜
人気アイドル・姫路姫都
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第28話

姫路 姫都 : ひめじ ひめと

 私は都会の駅前で待ち合わせをしている。

 友達の提案で現地集合にした。しかし、待ち合わせ時間を過ぎても未だ友達は現れなかった。

 油断した!

 この駅、ダンジョンと呼ばれるほど道が複雑だった。待ち合わせしたら絶対に会えないと評判の駅で、私と友達は面白半分でこの駅で待ち合わせをした。しかし、約束時間の11:00を過ぎても友達は現れていなかった。そもそも私自身、この約束場所にたどり着くまで30分程要した。正直、甘く見てたと言わざるを得ない。

 私は自分の格好を改めて考える。

 ハーフパンツだからボーイッシュな感じにしたんだけど……悪くないよな?

 私は髪を下ろしアポロキャップというツバが前にだけある帽子をかぶり、黒縁メガネに斜めかけバッグを身に付けている。

 私は携帯を取り出し待ち合わせ相手にメールを打っていると三人の女性の声を聞いた。


「ちょっとあの子かわいくない?」

「本当だ。でも髪長いな~」

「あんたは短い方が好みだもんね!」

「ちょっと声かけてみない?」

「いいね~」


 逆ナンか。いいご身分だな。

 その時、私の前で誰かが立ち止まった。私が携帯から目を離し顔を見上げると二十歳くらいの美人な女性三人が私を囲んでいた。


「君かわいいね。私達と遊ばない?」


 右側のお嬢様っぽい方が私に声をかけた。

 この声……ナンパの相談してた人達か? もしかして私のこと男子に見えるのか?


「えっと、今友達と待ち合わせしてるんだが」


 私がそう言うとナンパして来た人達が黄色い声を上げた。


「キャー! いい声。正に中学生って感じ!」

「近年稀に見る綺麗な高音ボイスね」

「よく通る声だね」


 褒められてるのに嬉しくないぞ。

 私は誤解を解こうと口を開く。


「私女なんだが……」


 ナンパした女達は急に険しい表現になり、まるで私を品定めするように見てから謝罪をして離れて行った。

 私はナンパした女達の背中を見送る。

 私ってそんなに男っぽい顔か?

 けっこうショックだった。

 私はいつの間にかメールが来ているのに気付き内容を見た。


「あいつ……」


 内容は、急に学校行事で行けなくなった、というものだった。

 私は落ち込んだ。

 けっこう楽しみにしてたんだけどな。

 会うのは四ヶ月ぶりだった。学校自体は近いのに滅多に会えない友達。次に会えるのはいつになるやら……。

 そして私は今までの時間を無駄にして、今からの時間を弄ぶわけだ。

 ならば暇つぶしにダンジョンと呼ばれるこの駅を攻略してやろう。


****


 道に迷った。

 私はキョロキョロと地下通路を歩いている。

 甘く見てた。まさかこんな町中で遭難気分を味わえるとはな。なんで南口が三つも存在するんだ。

 私はもはやどこに通じているかわからない地上への階段を上った。やっぱりその先も高層ビルが立ち並んでいて場所などわからない。


「やめてください!」

「いいじゃん。一緒に遊ぼうぜ」

「そうだよ。おごるぜ」


 そして私の目に飛び込んだのナンパを黙って見ている。周りの人達も見て見ぬふりだ。

 チャラそうな男二人に女子がナンパされている。その女子は小顔でパッチリ二重の目、小動物のようなオーラを醸し出しているような可愛さで髪の毛をショートにして毛先がくるんとしている。そして、中学生に見える。

 誰も助ける気ないんだな。私も助ける気ないが。まあ、誰か助けるだろ。

 男に腕を掴まれて、女子の目がウルウルしている。今にも泣きそうだ。


「おいあんた達、その女の子泣きそうだぞ」


 私はナンパしている男達に言い放った。本当に誰も助ける気配がなかったからな。


「ああなんだ? 僕、ナイト気取りですか?」

「今なら見逃してやるから」


 男達は下品に笑い声を上げた。私はそれを無視し、女の子の手と男の手を離す。


「じゃあ行こうか」


 私はほとんど背が変わらない女の子の肩を抱いて歩き始める。


「ちょっと待てよ!」


 男が後ろから私の肩を掴もうとする。私は振り向き空いた手で男の手を弾いた。私は後ろ蹴りでその男の腹を思いっきり蹴った。私は抱いていた女の子から手を離し、前屈みで悶えている男の顔面に膝蹴りをした。男は顔を押さえて地面に倒れて気持ち悪い動きをする。


「てめえぇ!」


 私はもう一人の男が大きく腕を振り上げた時に、私は素早く男の鼻を殴った。男はバランスを崩して後ろに倒れた。

 私は踵を返し女の子に向き直る。


「もう大丈夫だ」

「ありがとうございます!」


 女の子はお辞儀をした。


「気にするな」


 私は周りが唖然とする中歩き出そうとした時、女の子が私の腕を強く掴み止める。


「あの! お礼させてください!」


 それが私──高田鏡華と人気アイドル姫路姫都のファーストコンタクトであった。

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