第27話
高田 彩七 : たかだ あやな
最初に言っておく。新キャララッシュですorz
夏休みも一週間が過ぎた。
私はタオルケットをお腹に掛けて熟睡していた。
田舎だからだろうか? 私の住んでいる町は暑くないわけではないが、かなり過ごし易い。特に朝方はお天道様も高く昇っていないため涼しく、寝るのにちょうど良い。また、網戸にしているため朝日と風が部屋に侵入するが、それがむしろ心地良い。自慢の黒髪も何にも縛られず、携帯電話のアラーム機能も止めてある。つまり、私は天国にいるように眠っていた。
既に私は夏休みが始まってから四日目から六日目にかけて泊まりを|(?)した。璃子の祖父の家へなし崩しに招待され、璃子の転校を賭けて一条の親戚達と一条家祭りというものに参加したのだ。その時、私は始めて本物の異常者──所謂サイコパスという奴らを見た。つまり私は璃子のために一条家祭りで見事勝利を収めて璃子の転校を阻止したわけだ。
つまり疲れているのだ。今日は何か予定があったと思うが疲れてるんだから仕方ない。
その時、ドタドタと誰かが階段を駆け上がる。
うるさいな。
誰かが私の部屋のドアを開けた。そして──
「鏡華お姉ちゃん!」
うつ伏せで寝ている私に倒れて来た。
「鏡華お姉ちゃん! 朝だよ! 起きて!」
知ってる!
その娘はそのまま嬉しそうに私をユサユサと揺らしている。私は仕方なく目を開けて私の上に倒れている犯人を睨む。
「彩花。あんた朝っぱらから何? まだ6時半じゃない」
私は水色の半袖とミニスカートを着た妹の彩七に言う。
高田彩七。私の一つ下の妹だ。私みたいなろくでもない姉とは違い、ある種の天才──伊集院や晴恋とはまた違ったベクトルの天才だ。
彩七は顔を横向きにして、私の腰の上で頬を膨らませて無邪気な視線を合わせて言う。
「6時半に起こせって行ったのは鏡華お姉ちゃんじゃん」
彩七は怒られると思ってるのか若干怯えている。
みんなは私と妹を見るとよく似てると評価する。だけど圧倒的に妹がモテる。だって目が私と全然違うからな。彩七は目がパッチリしてるからな。これに最初に気づいたのが月見だ。本当にあの娘はそういう細かいところを意識できると思う。他の奴は無意識に判断してるらしいが。
「彩七……。その顔じゃ私を喜ばせるだけだよ」
私は妹が好きだ。家族愛的な意味で。たぶん彩七がいなかったら、私の人生は悪い方に変わってた。
「鏡華お姉ちゃんってどうすれば怒るの?」
彩七はこの行為が怒られると思っての行動だと自覚はしているらしい。
「あんたがブスで凡人だったら切れる」
たぶん彩七がこの条件に当てはまってるならマジで切れる。私はかわいい娘が大好きなんだ。私が持ってないものを持ってるから。
「そうなんだ」
彩七が私を観察するように見る。これが彩七が天才と呼ばれる理由の一つだ。観察力に優れていると答えるならば半分正解だ。
そういえば……。
私は唐突に思い出した。今日着るスカートがないことに。
「何か思い出したの? 鏡華お姉ちゃん」
私と彩七は体格がそんなに変わらない。強いて大きく違うなら体重くらいだ。
「彩七……。何かミニスカートある?」
「ミニスカは今日履いてるやつだけだよ。後は全部洗濯しちゃってるからね。ロングならあるよ」
「ロングなら私もあるし」
スカートは丈の長さで動き易さが大分違う。ミニスカはズボンより動き易い。逆にロングスカートはズボンより動き難い。私は可愛さと機能性を重視した結果、よくミニスカを履く。
私が起きようとすると、彩七が背中から顔を退けて立ち上がり私を見下ろして言う。
「じゃあ私は朝ご飯用意するね」
そう言うと彩七は聞いたことのない鼻歌を歌いながら私の部屋から出て行った。
私はタンスの中からミニスカートを探した。
やっぱりないか……。
正確にはある。しかし、冬物しかない。
仕方なく私は、ベージュの半ズボンと黒のTシャツに着替え、その上に着るフードの付いた半袖で白の上着を持って洗面所に向かった。
私がリビングに入るとテーブルの上には二人分の目玉焼きと味噌汁とご飯が置いてある。
私は冷蔵庫から烏龍茶を取り出しグラスに注いだ。私はそれを持ち席に着いた。
さすが彩七。タイミングバッチリだ。
私は未だ冷めてない朝食を見ている。
「それじゃあ食べよう?」
彩七が私の向かい側に座ってそう言った。
「パパとママは?」
私は疑問を投げた。彩七は私と目を合わせて言う。
「今頃空港じゃない?」
「あっ! そうか」
パパは仕事柄──仕事と言えるか微妙だけど世界中で活動を行っている。私が中学生になってからママもよくそれについて行ってる。
私と彩七はいただきますと言い、ご飯を食べ始めた。




