第1話
高田 鏡華 : たかだ きょうか
一条 璃子 : いちじょう りこ
私が彼女と初めて会ったのは小学4年生の時である。
私はその時虐められていた。小学生というのは普通の子と違うものがある子を率直に評価するもので、特別なものとするか、差別するか、それはクラスの子達の性格と度量に委ねられる云わばほとんど運だ。その結果、私は虐められることになった。
彼女の言葉を借りるなら、私は雪のように白い髪、透けるような肌、芸術的な赤い目を持っている。他にも理由があるけどこれが虐めの理由の大半だと思っている。
ある日の放課後、私は誰もいない教室で自分の席で、机に顔を伏せて腕で隠し声を押し殺して泣いていた。理由は覚えてない。
どのくらい泣いてたかわからないけど、唐突に声を掛けられた。
「あんた……一条璃子ちゃん?」
私は別になんの気もなく顔を上げた。
そこには彼女がいた。体をこちらに向けて前の席に座っていた。
彼女は日本人離れしていて、同時に日本人的でもある顔をしていた。中でも私の目を引いたのは黒髪で上げたポニーテールと、生意気そうな勝ち気目だった。
「えっ! えっ……と高田さん?」
「! 私の名前知ってるの?!」
彼女のフルネームは高田鏡華。私が通っていた学校では上級生下級生問わず良くも悪くも有名人だった同級生。勿論私も知っていた。
この学校で数々の伝説を作り上げている子だった。
「私に何か用なの?」
「用という程じゃないよ。居残りさせられて帰ろうとしたら泣く声が聞こえたから何かと思って」
恐い噂を聞いていたが、あまり恐い印象を受けなかった。特別優しい印象も受けなかったけど。
彼女は私をジッと見ていた。昔から見られることには慣れていたが、なぜかその時は恥ずかしかった。
彼女は手のひらを拳でポンとした。
「ヨシ! これも何か縁というやつだね。私は高田鏡華って言うんだ。これからは友達だね。よろしくね」
「え? あの?」
彼女は壁に掛かっている時計を見て慌てたように席から立った。
「私これから用があるんだ! それじゃまたね!」
彼女は私に笑みを残して去って行った。
これが彼女とのファーストコンタクトだった。
その後、友達になったのに4年生の時はそれ以来会うこともなく、5年生のクラス替えで再開して彼女に巻き込まれる形で暗黒の二年間だったけど楽しい二年間を過ごした。




