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過去の目撃者 ―The Watchers of Yesterday―  作者: 柴犬ちゃすけ


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第六章 迫りくる終末

 翌日、今度はナミのスマホが鳴り、誰かと何か話し始めた。

 ナミが電話を終え、こちらを向いて話し始めた。

「なんか前に依頼を受けて提出した映像で、気になることがあるから来てもらえないか?って話なんだけど」

「それはどこの依頼者だ?」

 シュウは尋ね返した。

「ほら、人類の一万年以上昔の生活を知りたい、って依頼してきた上野の国立博物館の人」

「そういえばそんなのもあったなあ。よしオヤジも気を取り直してちょっくら三人でアフターケアに行こう」

 オヤジに元気を取り戻してもらうには、ちょうど良いタイミングだった。すると、

「うん?私は別に普段と変わらないぞ。どこかおかしいか?」

 そうだった、オヤジは普通の人とは違って、何事にも動じないタイプだった。

「いや別に」

 この中で普通の人間は自分だけだとシュウは思った。


 オヤジの運転でGFⅢは戦闘機のようなスピードで空を駆け抜けた。国立博物館のある上野までは、直線距離にして百六十キロメートルだ。そこまで二十分足らずで到着した。

 シュウはこの地に来たのは初めてだった。上野の動物園には、遠い昔パンダという愛らしい熊がいたみたいだが、今ではもう存在しない。

 正式名称『上野恩賜公園』には、数々の文化施設が集中して立地している。美術館が四つ、博物館・資料館が動物園も含めて五つ、文化施設が三つ、広大な不忍池に野外ステージまである。総面積五十三万平方メートルは、東京ドームの十倍以上だ。シュウの唯一知っていた動物園は氷山の一角に過ぎなかった。日本の芸術の都と言っても過言ではないだろう。

「いやーあるところにはあるなー」

 いかん、またシュウは凡人のセリフを吐いてしまったことを後悔した。

 しかも今日は三月二十八日土曜日、桜の花は満開だ。ここは『日本さくら名所百選』に選定されているらしく、昼間からナミにターボを付けたようなやつらで満載だ。

 ついでに動物園にでも寄って行こう、などと思っていたが、こりゃ早々に引き上げた方が良さそうだ。

 国立博物館はこのエリアの北東の方角にあり、どちらかと言うと鶯谷駅の方が近い。えんじ色の屋根をしており、建物の形はカタカナのロの字になっている。幸いこの付近には人がそう多くなかった。

 そこで館長の加藤隆かとう たかしが出迎えてくれた。そういえば思い出した。この人と宇宙旅行にも行った覚えがある。あまりにもいろんな人と出掛けているから、こうして再び会ったりしないと相手を思い出せない。

「お忙しいところ申し訳ありません。実はお客様からご指摘を受けまして、こちらでも確認を急いでいる状況なのです」

 加藤はそう言いながら、三人を事務所の奥にある映像室に案内してくれた。

「以前までは自由に閲覧出来るようにしたり、インターネットからも見られるようにしていたのですが、この指摘を受けてからは休止にしております」

 加藤は、ばつが悪そうに言った。

「それはただ事ではありませんね。こちらもせっかくのデータをみんなに見てもらえないのは残念ですからね」

 シュウはそう言って、案内された映像室の椅子に座った。映像室ではこちらが提出した映像が流れ始めた。

「先ず見て頂きたいのは、この一万二千年前の映像です」

 加藤はそう言ってこの映像をとある箇所で止めた。

「もちろん覚えております。この映像に何か問題でも?」

 シュウには何がおかしいのかわからなかった。

「次に一万三千年前の映像です」

 加藤はそう言うと、画面は左右二分割となり、左には先ほどの映像が止まった状態で、右に今の映像が流れ始めた。そしてとある箇所でそれを止めて、レーザーポインタで指しながら解説を始めた。

「左の映像のこの部分にいる人、よく見てください。この人が右の映像のこの部分にも映っていますよね?」

 シュウは、一瞬凍り付いてしまった。どう見ても同じにしか見えない人が千年離れている両方に映っているのだ。

「昔の人なんてそんなに特徴なくて同じに見えるだけじゃない?」

 ナミは何気なく言ったが、それにしても同一人物に見える。

「この人は千年間生き続けていた、もしくは子孫か何かの関係があり、ナミの言うように似ているだけか?しかし前者の説はどう考えてもおかしい」

 シュウはそう答えた。

「確かに千年間全く歳をとらないのはおかしいでしょう。ですので、私も先ほどシュウさんがおっしゃった後者の意見だと思い、この二人の同一人物性を、専門の機関に依頼して検証してもらったのです。その回答は、99.999パーセント同一人物であるという結果が戻って来たのです」

 加藤のこの一言で何の推論も言い返せなくなってしまった。

「オヤジどう思う?」

 シュウはオヤジに意見というより、救いを求めた。

「まだあと二つ考えられることがあります。一つ目は、私が飛び先を間違ったということ。二つ目は、我々の撮って来た映像がインチキだということですね?」

 オヤジは、ずばり言い放った。

「それでは今、大島さんのおっしゃった、前者の意見ではないということを証明いたします」

 加藤はそう言って、画像をそのままズームアウトして行った。すると、なんと左の映像はアフリカ大陸だが、右の映像はオーストラリア大陸だったのだ。

「この時代にどうやって、この二つの大陸間をこの人は移動したのでしょうか?」

 加藤の口調は、少し怒っているようにも感じた。だが反論は出来ない。大体こんな時代に「俺は別の大陸に行くぞ」なんてヤツがいる方がおかしい。

「申し上げにくいのですが、今大島さんのおっしゃった後者の意見ではないかと噂されております。従いまして閲覧を休止せざるを得ない状態なのです。これを解明して頂きたいというのが今回ここに来て頂いた理由なのです」

 加藤はそう言うと、さらに

「実はあの同一人物であるとされる人は、頂いた三本の映像の最後の一本、一万四千年前のものにも映っております。同じものがおたくの事務所にも保管されていると思いますので、ぜひご確認して解明を急いでください」

「わ、わかりました。何かわかり次第連絡いたします」

 シュウはそう言い残し、事務所に戻ることにした。


 夕方事務所に戻って来ると上空にはヘリが飛び、門の前ではカメラを持った報道関係者が押しかけていた。どうやらテレビのニュースでここの映像はインチキであることが判明した、と報道されたみたいだ。

 取材陣が凄くて、事務所へは近場からは入ることは出来なかった。遠いところから海中に潜り、こっそり戻り浮上した。テレビを点けてみると臨時ニュースにまでなっていた。

 今まで犯罪の証拠として有罪とされた人達が、今度は無罪だと言い出すようになったらしい。特に政治家の連中が「自分は元々潔白だったのに、あいつらのインチキ映像のせいでとんでもない被害にあった」とか、損害賠償を請求する訴えを起こすとか騒いでいるのだ。

「まずいなー、とりあえず映像室であの数千年歳を取らない人を確認しよう」

 シュウは当然のことを言ったつもりだったが、返って来た回答は予想を裏切った。

「その必要はない。あの人物は歳をとらないのではなく、歳をとり過ぎたのだ」

 オヤジがまた訳のわからないことを言い出した。

「ちゃんとわかるように言ってくれよ」

 なんで当たり前の質問をお願いしないといけないのかわからないが、相手がオヤジなら仕方ない。

「老け過ぎていて、ぱっと見た感じではわからなかったのだが、あれは間違いなく江部だ」

 ほっほー、なるほど。さっぱりわからん。

「オヤジさん、数少ないお友達の顔も忘れちゃったの?」

 いや、ナミ突っ込むところが違うぞ。

「オヤジ、それは一体どういうことだ?だが、光の速度を越えて移動しているのだから、確かに過去に行ってしまう方が普通なのかもしれないな。だとすると俺達はなぜ過去に行かないのか?ってところが不思議だ」

 シュウは聞き直した。

「あんなに老けていなかったんだよ。博物館で見たときにも恐らくそうだろうとは思っていたのだが、あの場で言わない方が良い気がして黙っていたのだ」

 やっぱりナミの方の質問に答えたか。こんなことで負けるわけにはいかない。負けずにこの理不尽に関する質問をしてやる。

「光の速度こそ、この宇宙では絶対で・・・、いや待てよ、ニュートリノの方が速いという噂もあるが、まあそれは置いといて。」

「じゃあお友達の江部さんは、過去の住人になってしまったわけか」

「そういうことになる」

 誰かこの二人の異次元の会話を止めてくれ。我々は過去に行かないのに対して、なんで江部だけ過去に行ってしまったのかが、現在最も重要な論点だと思うのだ。

「ところでオヤジさんのスマホのアドレス帳には、何人登録されているの?」

 ナミから全く関係ない質問が浴びせられたが、この質問はシュウも個人的に興味があった。

「シュウとナミと秋元の三人だけだ。めぐみへはナミに伝えれば済むので必要がなくなり消した。どうせ連絡しても会話はできないしな」

 実にわかりやすいヤツだ。この人を知っていれば、この人は必要ないということで、消してしまう性格みたいだ。たまにいるよな。

 だがそろそろ脱線した話を元に戻さなくては。

「だから、なんでそんなところに行ってしまったのかわかるか?」

 頼む、今度こそ質問に答えてくれ。

「恐らくだが、やはりあの映像がおかしいのだよ。秋元の作った望遠鏡は電磁波をブラックホールで集める。その中から可視光線の波長のものを、その波長にあった色で映像化する仕組みになっている。よって光学望遠鏡とは違い、直接映像が見えているわけではなく、いったんプログラムによって加工されるという工程を通るのだ。つまりそこで細工が出来てしまうということだ。簡単な例だと、デジカメの手ぶれ補正なんかもその一つだ。物理的に光軸を調整する光学式のものは細工しようがない。しかし、受光素子から受け取った画像データに計算を行い補正をかける電子式のようなものは細工が可能だ。我々の望遠鏡はこの後者だと思ってくれ」

 オヤジの説明は薄っすらとわかった。ではなぜそのような細工をしたかという疑問が生じる。すると続けてオヤジは言った。

「何らかの理由があって、わざとこの細工をしたと推測される。それが現在秋元に連絡が取れない、というのに結び付くのではないのかと思っているのだ」

 数日前から気になっていたことの答えが、ここにあるという説を唱えた。その後も必死で「過去に行く方が普通だろう」説を訴えたが、オヤジに言わせると「光速を超えたスピードを出すのと、空間を瞬時に移動して戻って来るのとでは、話は別だ」ということで、相手にされなかった。シュウにはこの二つの違いはさっぱりわからなかったが、とりあえず

「江部さんという人が出演している部分の映像を、もっと詳しくチェックする必要がありそうだな。ひょっとすると何かのメッセージを残しているかもしれない。よし、映像室に行ってあの博物館に収めた映像を見てみよう」

 と、シュウは大人の対応をすることにした。


 我々は三人で映像室に行った。そこで一万年以上前の映像を映して江部の出演を待った。

「ここだ、やっぱり江部だ。この部分を拡大する」

 オヤジは映像の操作をしながら、江部を拡大した。

「ナミ、この人はオヤジに何かのメッセージを残したりしていないか?」

 なんか江部の口が動いているように見えたので、オヤジに対するメッセージかと期待した。

「いや、オヤジさんには何も言っていないなあ」

 ナミの言葉にシュウとオヤジはがっかりした。

「まずいな、何も手がかりが得られないか」

 シュウは、オヤジの顔を見た。

「じゃあ言葉ではなく、この映像の中に何かヒントでもあるのか?」

 オヤジは再びズームアウトして全体的な映像に戻した。

「わからないな、この中に何があるって言うんだ?」

 シュウとオヤジは目を皿のようにして映像を見ていると、ナミが変なことを言い出した。

「とりあえず、大ちゃんって人を探してみたらどうかな」

「それはどういうことだ?」

 シュウはそう言ったものの、直後に以前の二人の会話を思い出した。

「この人は大ちゃんって人にメッセージを言ったのよ」

 ナミのこの言葉に、オヤジは気まずそうに返した。

「ナミ、それはひょっとすると、もしかすると私に対するメッセージかもしれん」

 この現象は簡単に予想がつく。シュウの推理通りオヤジのあだ名はやはり「大ちゃん」だったのだ。しかし以前ナミに見栄を張って嘘を教えていたため、ナミはオヤジと大ちゃんが一致しなかったのだ。ってか誰が見ても、聞いても、そのあだ名はオヤジのためにあるようなものだ。

「挙動不審ちゃんのことじゃないよ。だ・い・ちゃ・んって人のことだよ」

 オヤジは、学生時代巨神というあだ名だったとか、嘘をナミに教えていた。それを聞いたナミは、キョシンって挙動不審のこと?とか聞かれて、四字熟語に疎いオヤジは、もちろんそうだ!とか二人で話していることを思い出した。第一あだ名というものは、呼び易くすることが目的だと思うが、それだと本来の苗字か名前を呼んだ方が短いぞ。

「ナミ、江部さんは何て言ったのか全部言ってもらえないか?」

 シュウはオヤジに代わってナミにお願いした。

 オヤジはここで自分の過去のあだ名を偽って教えた、なんてことを認めるタイプではない。だったら江部でも秋元でも見殺しにしてしまうタイプであることをよく知っている。

「えっとね『大ちゃん、秋元に連絡が取れない場合、地球政府に監禁されている可能性が高い』って言ってたよ」

 それを早く言え。超重要なメッセージをオヤジに対して発していたではないか。

「よくわかったナミ、大ちゃんを探すのは後だ。秋元さんを助けに行って事情を聞きたい。が、相手が悪い」

 シュウは天文学者の大津殺害の件、秋元失踪の件、シュウ達の映像がインチキにされた件の鍵を秋元、もしくは江部が握っているのではないかと考えた。ぜひとも会って話を聞く必要があるのだが、そう簡単には行かない相手だ。

「いや・・・」

 オヤジがここまで言ったところで、次の言葉は簡単に予想出来る。

「待て、オヤジの次のセリフは聞かなくてもわかる。だが無謀過ぎる。相手は地球政府だぞ」

 シュウがそう言うと、オヤジは笑い始めた。

「秋元も以前同じようなことを言ったことがあったなあ。そうかシュウはブレーキか、私はクラッチだ。ナミはアクセルだな。三人寄ればモンチッチとはよく言ったものだ」

「何言いたいのかよくわからんが、とりあえず、次を聞こう」

 シュウは清水の舞台から飛び降りるつもりで、オヤジの言葉を聞く覚悟をした。

「どこに監禁されているのかを調査するのが先決だ」

 オヤジにしては控え目な提案だった。地球政府に殴り込みをかけるのかと思ってヒヤヒヤしたぞ。

「まあ確かにその意見はもっともだ」

 このくらいは同意せざるを得ない。もしその辺の公園に縛られているなら助けに行っても問題ないだろうが、その可能性は限りなくゼロに近い。


 二万光年先からでも人物が認定出来る望遠鏡を受け取ったのが半年前で、昨年の十月頃だった。

「半年前から今日までで、秋元さんと連絡を取った日はあるか?」

 シュウは、オヤジに尋ねた。

「私と秋元は毎年一緒に除夜の鐘を聞くことにしているのだ。秋元の希望なのだ。だから昨年の大晦日の晩までは無事だった」

 オヤジは答えた。

「そういえば確かに大晦日の晩はナミが家に帰って、オヤジもいなくて、俺は一人でここにいた。そしたら母さんが年越しそば持って遊びに来たんだった」

「なに!真理さんがここに来たのか?シュウ、なぜそれを先に言わない。だったら私も秋元なんて放っておいて残れば良かった」

 シュウの母親は真理まりと言う。言われてから気付いたがオヤジと母さんは知り合いだったのだ。

「二人がいなくなってから、いきなり電話が来て遊びに来ると言い出したのだ。断る理由もなくて・・・」

「まったくも~、いっつも二人で話すと脱線するんだから~」

 え?ナミに修正された?嘘だろう?明らかにシュウの脳が揺れた。

「そうだった、いつもナミには苦労かけてしまってすまない」

 オヤジは何ともないようだ。

 シュウはこの中で唯一まともだと自負していたのに、実は他と一緒だったのか?かなり深いダメージだが、薄れていく意識の中から必死で戻って来た。

「す、すると今日が三月二十八日だから、元旦から今日までの足取りを追えば良いのか?」

「いや、その後に一度だけスマホで話をしたんだけど、覚えていないんだよな」

 じゃあ大晦日の話は必要なかったじゃないか。シュウの脳がダメージを受けただけか。

「そんなのスマホの履歴見ればわかるだろうに」

 さては、オヤジは履歴の見方を知らないな?

「私は電話をかけたり、かかってきた後には、きちんと履歴を消すタイプなのだ」

「・・・・・・」

 いるいる、そういうヤツ。だが、まさかこんな時にここにいるとは思ってもいなかった。

「ナミのお父さんに頼んで、電話会社から履歴聞くか?あるいは、ネットで契約者用みたいなところから履歴とか調べられないのか?」

 シュウもスマホには疎い。ほとんど使わないからだ。だがもう一つ、いつ頃通話したかを思い出す方法が閃いた。

「その時何話したか、とか覚えていないか?」

 シュウは、ほとんど賭けになるが、おやじにこの質問をした。オヤジの過去のセリフの中で、通常大晦日にはしないだろう?という内容の話を聞いたことがあるからだ。

「あー、春になったら花見でもしようと秋元が言い出したので、私はその次の日、急いで庭に桜を植えたのだ」

 そう、この話だ。この約束をしたことを聞いていたのだが、それをいつしたのかが気がかりだったのだ。

 そして庭には枯れ木が一本植えてある。しかもすっごく小さいやつだ。桜の木は素人が植え替えたりすると簡単に枯れてしまう。確かあの枯れ木は、つい最近になって、どこからともなく出現したのだ。

「あれは、桜だったのか?何かの魔除けかと思ったぞ」

 シュウは庭を見ながら答えた。ナミがいたずらして、木の先には魚が刺さっている。

「あれをいつ植えたのかが思い出せん」

 そう言いながらオヤジは、なぜかナミの方を見た。

「あたしも手伝ったから覚えているよ。確か、二月八日の日曜日だよ。オヤジさんとあの木を買いに行った帰りに、バレンタインデーのチョコ買ったんだもん」

 さすがはナミだ。若いだけあって記憶がしっかりしている。そして女性にとってこの時期は、普通以上に意識するらしい。

「よし、二月九日あたりから追いかけよう」

 やっと話がまとまった。


 三人は、先ず秋元が住んでいた家に向かった。場所は、中央線豊田駅北口から徒歩五分ほどのところにある。

 この駅の北口側はロータリーになっており、そこにバス停がある。俗に言う『開けている側』である。よって駅付近にはマンション、何かのチェーン店、銀行などが多く立ち並ぶ。一軒家としては、秋元の家が一番駅から近いのではないかと思えた。

「ここが秋元さんの住まいか?鍵もかかっているし、荒らされた形跡はないな」

 この稼業を始めて、ようやく探偵らしい気分になった。シュウは張り切って秋元宅の外観などをデジカメで撮った。

「お、この足跡は・・・」

 とシュウは意味ありげに声に出し、大きい虫眼鏡を出したところで

「そんなものは空から見れば誰のかわかる。飛ぶぞ」

 と言われてしまった。オヤジめ、乗りの悪いやつだ。

 シュウはこっそり虫眼鏡をカバンに引っ込めた。こんな時のためにネットで買っておいたイギリス製ディアストーカーハットは、出番無しみたいだ。悔しいがナミに被せてやった。ナミは大喜びでその帽子を被っている。だが今日に限り、オヤジがパイプを咥えているのがとっても気になるところだ。


 三人は宇宙に飛び、GFⅢのモニタで、二月九日月曜日の秋元宅の映像を見ている。ナミはずっと帽子を被って上機嫌だ。船内はオヤジのパイプの煙で、むせ返りそうだ。

 朝七時半、そこから太った一人の老人が出てきた。髪は横と後ろにしかない。

「だ、誰だこいつは?怪しいヤツいきなり発見だな」

 シュウは興奮して、モニタに向かって唾を飛ばしながら叫んだ。

「これが秋元だ。別に怪しくない」

 本当かよ?確かにオヤジは若く見えるが、このモニタに映っている人と同じ歳には見えないぞ。

 しかも自宅前の道路には『ちかんに注意 不審者・ちかんを見たら110番』と書かれた看板まである。大体、痴漢って見てわかるのかよ?直感で「こいつ怪しい」とか思って110番なんかしたら、警察にすげー怒られるんだろうな。普通にこの看板通りに行動したら、秋元は何度も通報されているのではないかと心配になった。

 朝七時三十五分、駅前のマックで朝食をとる。

 朝七時五十分、豊田駅から快速東京行きに乗って国分寺へ向かう。

 朝八時十分、国分寺駅前からバスで会社に向かう。

 朝八時二十分、会社の正門から入って行った。

「次の日に飛ぼう。いなくなった日の前の日が怪しいわけだから、朝自宅付近だけ確認すれば良いだろう」

 オヤジはそう言って、日めくりカレンダーのように一日単位で朝が見える場所に飛んだ。

「お、オヤジ、不審なヤツ発見」

「だからこれは秋元だと言っておろうが」

 シュウは秋元の寸分の狂いも無い毎日に退屈してしまい、ちょっとふざけたくなってしまった。オヤジも笑いながら突っ込んでくれた。

「しかし、凄いなー。なんかよく見ていると階段を下りる時は必ず左足からとか、何歩でここまで来るとか、わずかな乱れも無いぞ」

 シュウは規則正しいサラリーマンに尊敬の意を表した。

 そう言えばシュウの父さんも毎朝同じ時間に家を出て、夜中遅くまで帰って来なかったな。なぜそれが出来た?何のために?だがシュウにはその理由はわかっていた。ありがとうな、父さん。

 するとオヤジも秋元の生活ぶりを見て嬉しそうに言った。

「毎日歩く場所とか無意識のうちに同じになるんだろうな。秋元はこんな生活を夢見ていたのだよ。あいつも夢をかなえられて良かった」

 大学の研究室にいた時は、不規則な生活だったからそう思っていたのかもしれないが、今どう思っているのかは、わからないぞ。

「月曜日から金曜日まで異常無しだな。土曜日も見よう」

 シュウはそう提案した。オヤジは「月~金だけ見ていけば良い」という意見だった。「どうせあいつは休みの日に出かけたりはしない」と言っていたが、シュウの意見で土日も見ることにした。

 なぜなら、この週の土曜日はバレンタインデーだったからだ。この人は、どんな休日を過ごしているのか、個人的に知りたかっただけだ。

 二月十四日土曜日、朝七時半、なんといつものように仕事のカバンを持って自宅を出て行った。休日出勤のようだ。この人はデフォルトが仕事って感じみたいだな。これで本当に夢をかなえたのか?さすがにオヤジも疑問に思って来たみたいだ。

「なんか秋元、元気なさそうだな。ちなみに私は日曜日も働いているが元気だぞ」

 オヤジはあの事務所にシュウやナミと一緒に住んでいるのだ。仕事が無い時は平日だって休んでいるんだし、なんかちょっと立場が違う気がするぞ。

 まあ良いだろう。なんかシュウはこの人に愛着を感じてきた。そして無性に助けたくなって来た。ちょっと本気出してやろう。

 シュウはナミが被っている帽子を取り上げ、それを被った。そして何かに取り付かれたように言い放った。

「この帽子を被ると、俺のぐんじょう色の小さな脳細胞がうなりをあげるのさ。オヤジ、この日に秋元さんは拉致されるぞ。この日の彼を最後まで追い掛けてくれ」

 それを聞いたオヤジは、何も疑うことなく

「来たか。了解した」

 と言ってニヤリと笑った。

「どういうこと?なんでわかるの?」

 ナミはきょとんとしていた。

 オヤジはパイプの火を消しながら、ナミの方を向いてにやけながら解説を始めた。

「シュウの父親は昔から意味不明な発言や行動をすることがあった。だが、後から思うとそれらは全て正しかった。だから私は何も疑わず、それに従うことにしていたのだ。それと同じものをシュウからも感じていたのだ」

 ほほー、シュウも父親に似ていると言われるのは非常に光栄みたいだ。嬉しいこと言ってくれる。

「だがなシュウ、その帽子のキャラはホームズで、脳細胞が活発になるキャラはポワロだ。ごっちゃになってるぞ」

 がーん、シュウとしたことがうかつだった。しかもそれをパイプを咥えただけのなんちゃって野郎に突っ込まれるとはダブルショックだ。

「とりあえずシュウがなぜそう思ったのか教えてよ」

 ナミは帽子を取られて不機嫌だったので、これ以上は怒らせない方が良いだろう。よし教えてやろう。というタイミングで大人しくしているナミではない。

「わかった。今日はバレンタインデーだからきっと秋元さんは、素敵な彼女とお泊りデートだ、って考えでしょう?」

「それはあり得ない」

「それはあり得ない」

 いかん、オヤジと言葉が被ってしまった。するとオヤジはニヤニヤしながらシュウの肩を叩いて「ハッピーアイスクリーム」とか、ほざいてやがる。全く意味がわからん。

 良いから二人とも少し黙っていろ。

「シュウ、私にアイスおごってくれ」

 まあ、こういうタイミングで大人しくしているオヤジでもないんだけどな。シュウはこいつらを放っておいて説明を始めることにした。

「この映像を見てくれ」

 シュウは、さっき秋元宅の前で撮った外観のデジカメ映像を見せた。

「何か気付くことはないか?」

 するとオヤジの目が、けたたましく丸くなって行くのがわかった。

「もうわかったろう?」

 シュウは、静かに目をつぶり、自分の仕事は終わったとばかりに、再びナミに帽子を被せた。

 さあわかったら、後は秋元の行動を追い掛けるだけだ。急ごう。

「こ、これは『ちかんに注意 不審者・ちかんを見たら110番』と書かれた看板がある。そうか秋元は不審者として警察に捕まったのか?」

「全然違う」

 確かに、シュウも最初はそう思ったが。

「雨戸の開き具合、遮光カーテンの結び具合を見てくれ。特に二階の窓の遮光カーテンは左右が非対称で右側だけ幅が広く残っている。俺は今までずっとこの形に注視していた。だが同じ形の日は一度も無かった。つまり再びそれは閉められ、次の日に開けられるからだ。だがこの日の外観は、俺のデジカメ映像に映っている現在の形と全く同じだ。ということは、もうこの日から誰も雨戸やカーテンに触っていないということだ」

 シュウはデジカメ映像から目を逸らし、ゆっくり顔を上げた。一番教えろと騒いでいたナミは帽子を深く被り、寝てしまったようだ。勝手にしろ。だがオヤジは納得してくれたようだった。

 朝七時三十五分、駅前のマックで朝食をとる。

 朝七時五十分、豊田駅から快速新宿行きに乗って国分寺へ向かう。土曜運行でもこの時刻に快速が来るみたいだ。

 朝八時十分、国分寺駅前からタクシーで会社に向かう。土曜日のためか、バスは適当なものがなかったみたいだ。

 朝八時二十分、会社の正門から入って行った。わずかな違いはあるにしても、平日とほぼ同じ行動パターンだ。

 動きがあったのは意外と早く、

 午前十時、会社の正面玄関前に空から一隻の船が垂直着陸をした。船の横には地球政府のマークが入っている。警備員達はびびりながら敬礼をしていた。

 船からは制服を着た兵隊三人が降りた。その内二人が中に入って行き、一人が残った。『構内禁煙』と書かれているにも関わらず、堂々とタバコを吸ってやがる。警備員も見て見ぬ振りだ。

 二人に挟まれるような形で、秋元が出てきた。兵隊三人と秋元を乗せた船は、そのまま垂直離陸をして空に舞い上がった。

「さすがはシュウだ。ビンゴだな」

 オヤジは必死で空に向かった船を追い掛けながらそう言った。

 まあ、明日も見て、いなければ今日だってことがわかるんだから、ちょっと手間が省けただけなんだけどな。

「いかん、このままだと角度的に見えなくなる。移動するぞ」

 オヤジも必死だ。一体どこに連れて行こうとしているのだ?オーストラリアの方に向かって行き、シュウ達が見ている地平線の向こうに消えて行った。

 GFⅢは移動して、角度を変えた。それにしても相変わらず正確なワープだ。ワープ先では、きちんと中央に地球政府の船を捕らえた。

「オーストラリアを越えたな。それにしても速いな。どのくらいスピード出している?」

 シュウはオヤジに聞いた。ちなみにGFⅢのワープしないで出せる速度の限界は地球上だとマッハ2だ。GFⅢはかなり旧式だが、この地球政府の船は最新鋭のものだ。

「六千キロメートルを一時間で飛んでいるから、計算上マッハ5は出しているな」

 オヤジは答えた。た、大したこと無いな。シュウ達の船は六千光年だって一瞬で行けるぜ。

 船は、地球政府南極基地でようやく着陸した。日本からここまでわずか二時間だった。

 秋元は船内で、防寒服を着せられたみたいで、モコモコの格好で降りて来た。まあここにそのまま降ろしたら殺人未遂だろうな。だが手錠が掛けられているのは納得がいかない。何をしたのかわからないが、犯罪を行うような人には見えない。

 とりあえず、監禁場所は判明した。

「今日はもう遅い。地球に戻って明日救出方法について作戦を練ろう」

 オヤジ、何言ってやがるんだ。何で地球政府の基地に救出に向かわないといけないんだ?狂ってやがる。

 先ずは逮捕された理由と、保釈金がどのくらいかを調べて、それを立て替えてやるのが筋だろうに。まあ良い。確かに今日はもう遅い。明日ビッシリ言ってやることにしよう。


 翌三月二十九日、三人は作戦会議を開くことになった。そして、南極基地を強襲し、秋元を助けることになった。な、なんでこうなるのだ?順序ってものがあるだろうに。シュウは多数決で負けたのだ。

 オヤジの言ったブレーキのシュウ、クラッチのオヤジ、アクセルのナミの意味がだんだんわかってきた。ナミはいつもイケイケ派だ。シュウはマテマテ派だ。つまり常に一対一ならオヤジが決定権を持っているということなのだ。

 オヤジはこの会議時刻までに、南極基地の遥か上空からその映像を映して来たみたいだ。三人はその映像を映像室で見ながら作戦を立てた。

「先ずこの映像を見てくれ。要塞のような基地だ」

 オヤジは言った。

「どこ見て言っているんだ?要塞のようではない、難攻不落の完璧なる要塞だぞ。対空砲火砲やら対地ミサイルやら機関砲やら鬼のような数じゃないか」

 シュウは何とか二人が諦めてくれることを願ったが、まあ無理だろうな。

「次にこの赤外線映像を見てくれ。ここに牢屋らしきものがあり、この中に一人閉じ込められていることがわかる。間違いなくこいつが秋元だ」

 オヤジの話はどんどん進んでいく。ナミはポテトチップスを食べながら頷いている。オヤジは勝手に自分の主張だけを始めた。

「先ず私の作戦だが、二隻の飛行船を用意する。その二隻は遠隔操作で動くようにし、西から基地に突っ込む」

「ちょっと待てよ。南極に西とか東なんてあるのか?全部北じゃないのか?その作戦本当に大丈夫か?」

 オヤジは都合が悪いことは耳に入らない性格だ。続けて調子に乗って話して続けた。

「我々三名はGFⅢで基地上空に待機する。飛行船にはカメラを搭載し、その一隻はシュウが操縦、もう一隻はナミが操縦する。そして私は先ず最初に対空砲火砲だけをBHカノンで排除する」

「待て待て、なら全部排除してしまえば良いではないか?」

 シュウは必死で食い下がった。

「我々が上空にいることを相手にわからせないために、二隻の飛行船はおとりなのだ。入口を発生させるには媒体が無いと出来ない。上から鉄の塊が降ってきたりしたらすぐにばれてしまう。つまりこの二隻が撃っていると思わせることが必要なのだ」

「な、なるほど、じゃあとりあえず対空砲火砲だけは、その本体を媒体にして直接入口にしてしまうわけだな?」

「そういうことだ。次から次にいろんなものが消えて行き、相手が見えないとどうしても上空にいることがばれてしまう。だから基地に向かって突っ込んでいく飛行船が必要なのだ」

「で、俺とナミの飛行船は相手に撃たれまくって落ちれば良いのか?」

 シュウはなんかもうどうでも良くなってきた。

「違う、どちらか一方が敵陣の真ん中まで辿り着く必要がある。そしてそれを媒体に大型の入口を発生させる。それで敵は一網打尽だ」

「出口発生場所は?」

「北極にしよう。昨日見た船の速度はマッハ5もあった。近いとすぐに戻ってきてしまう。そして二隻必要なのは大型の入口を放って置くわけにはいかないので、その穴を消すために、どうしても同じくらいの重さのもう一隻が必要なのだ」

 オヤジは淡々と自分の作戦を語った。

 GFⅢには前と後ろに砲台が付いている。これは初代GFの時からそうだった。いつもワープした後に後ろの砲台からも発射させ、その穴を閉じているのだ。それを見ているため一ワープで二発撃っていることはわかっていた。続けて

「外の連中が片付けば、持参する鉄の塊を使って入口を発生させ、基地を攻撃する。ここまで来るともう空に向かって攻撃する手段がないはずだ。そして秋元以外の連中が片付いたところで、最後に牢屋の壁を壊し、秋元を救い出すという作戦だ」

「待て、一つだけ大きな問題があるぞ。俺達は犯罪者になってしまう。入口使って相手をワープさせたということは、秋元さんかオヤジしか該当者がいない。だがその一人が牢屋に監禁されている以上、犯人はオヤジで決まりだ」

 これがシュウの考え直してくれという最後の決めゼリフだ。

「ワープを利用することで人を殺さずに排除できる。だが相手は秋元を監禁した上に、高い確率で天文学者の大津氏を殺害している。正義はこちらにある」

 まあ犯罪者になる程度を恐れるオヤジではないことくらいわかっていた。地球最強の軍隊を相手に、正義って言葉は成り立たない気もする。相手は権力者だぞ。勝手に事実を曲げるぞ。今まで散々見てきただろうに。

「秋元さんを救えば証人になってくれるよ。あたしらが正義だよ」

 ナミも自分の中の正義こそが正しい、と思っているみたいだが世の中そんなに甘くないぞ。

「まあ良いだろう、早速大きめの飛行船を用意しよう」

 もうどうにでもなれという気持ちでシュウは言った。


 作戦会議が終わった後に、シュウとナミで飛行船を二隻購入しに出かけた。ほぼ、同じ重さである必要があるとのことだ。これらの船は事務所から離れた茨城県の鹿島港に停泊させた。

 GFⅢとは違い、オールラウンドのものではない。海空用のものだ。スカイブルーの船がシュウので、黒いのがナミの船だった。正直言って自分の方がおしゃれで格好良いとシュウは感じていた。今はインチキ映像騒動で事務所の周りには取材陣も大勢いるが、それより何よりスパイ衛星によって、地球政府にばれてしまうことを恐れて、離れた場所に隠すことにしたのだ。

 オヤジは「飛行船にブツを取り付けてくる」と言ってこっそり出掛けて行った。遠隔操作装置だ。その後GFⅢ内から操縦できるようにしてくれた。

 シュウとナミは、それぞれGFⅢ内の遠隔操縦用の席に座って、前方の画面に映し出される映像を見た。それは本当に飛行船の運転席から見ているような映像で、このまま撃ち落される宿命なのが惜しくなってしまったくらいだ。

 シュウは鹿島の港から少し海に出て、操縦方法を覚えることにした。ナミも喜んで海から空に飛んだりしていた。

「なんかこの船に愛着沸いちゃったなー」

 シュウが言うと、

「あたしも」

 とナミも答え、しばらく二人で特攻する練習をした。


 その夜シュウは二人に気付かれないよう、こっそり鹿島港に行き、自分の船に絵を描いた。シュウは絵心など全くなかったが、たった一つだけ上手に描けるものがあった。それは鶏だ。

 小学校の頃、絵のうまい友達から「誰でも上手に描ける鶏の描き方教えてあげる」と言われて教わったのだ。それ以降何か描く時はいつもこの鶏だったため、今では結構上達していた。

 シュウはこの船に『若軍鶏わかしゃも号』と名付けて、船の横に丁寧にその名を書き込んだ。

 一度くらいは乗ってあげたいと思い船に乗り込んだ。そして語りかけた。

「もし俺が無事に帰って来られたら、お前みたいな船でのんびりと旅でもしたいなあ。ごめんな、砕け散る運命で」

 シュウは今晩はこの船で寝ることにした。


 四月一日水曜日、作戦決行の日だ。後で捕まったときに、エイプリルフールなので「冗談でした」という言い訳が出来るというのがオヤジの意見だったが、それは無理過ぎる。

 三人は、GFⅢに乗り込み三者三様の運転席に座っている。

「GFⅢ発進」

 オヤジの掛け声で、船は潜水を始めた。

「若軍鶏号発進」

 シュウも負けずに、そう言い放った。

「ぶっ、何だその変な名前は?相変わらずネーミングセンスが無いヤツだな」

 オヤジに言われてしまった。だがシュウの魂のこもった船の活躍に、後で驚くなよ。

 ナミは、なぜか戦う気満々で、迷彩服を着込んでいる。だが、それはノースリーブだ。さらにどこで手に入れたのかわからないが、寒冷地用の安全靴を履いてる。しかし、生足を出してミニスカートだ。真っ赤なバンダナを頭に巻いているみたいだが、髪の毛で隠れていてほとんど見えない。なんか、ちぐはぐなコーディネートだ。

 もちろんシュウはいつものように、子猫のTシャツとスウェットという普段着兼寝巻だった。

 鹿島港を出発したシュウとナミが遠隔操縦する二隻の船は、太平洋に向かって出航した。GFⅢも水中から空中に舞い上がった。

 途中の上空で合流する予定だ。しばらく行くと、予定通りGFⅢ内から肉眼でも二隻の飛行船が見えてきた。シュウの船の後ろから、ちょっと離れてナミの船の影がわずかに見えた。操縦技術に関してはまだまだシュウの方が上のようだ。

「ナミ、ちゃんと俺について来い。足引っ張るなよ」

 シュウは、鼻息を「ふん」と吐きながらナミを注意した。

「ラジャー」

 ナミは素直で本当に良いヤツだ。

 ここから三隻でワープを行う予定だ。オヤジからその指示が出た。

「よし、南極地球政府基地の遥か西にワープする」

 だから西ってどっちだよ?って聞きたいところだったが、そこはググッと堪えて、

「了解」

 シュウは答えた。ナミも「ラジャー」と答え、画面の前方に現われる入口に飛び込む準備をした。

 そこでオヤジの言う西側から基地に向かって直進する。それに対してGFⅢはそのまま遥か上昇し、基地の上空に向かうのだった。

 シュウとナミの船は大気圏外には耐えられない。まあ誰も乗っていないのだから大丈夫な気もするが、操作説明書に『注意 大気圏外には出ないでください』と書かれてあったので、きちんとそれを守ることにした。 

「BHカノン発射」

 オヤジの掛け声で前方の空間にゆがみが出来た。三隻は直列状態でその穴に飛び込んで行った。

「じゃあ俺とナミの船はこのまま基地に向かう。ナミ、危ないから俺の船に隠れるように付いて来い」

「お~」

 すぐ後ろの操縦席からナミが右手拳を挙げながら返事をした。三人の乗るGFⅢは上空に向かった。

 しかしシュウはあたかも画面に映し出されている『若軍鶏号』に乗っているような気分だ。頭の中では軍艦マーチが流れていた。結構シュウも乗り気かもしれない。

 既にGFⅢは予定位置に到着し、BHカノンの準備に入っていた。

 二隻が到着する前に対空砲火砲を片付けておいてもらわないと、遥か前方で沈んでしまうことになり、計画が狂ってしまうのだ。

 そろそろか?と思ったところでシュウとナミの船に同時に通信が入った。

「そこの船、それ以上近付くと攻撃します。直ちに離れなさい」

 地球政府からの警告だ。もちろん英語で通信は入ったのだが、即座にナミが訳してくれた。

 シュウたちは覚悟を決めてそのまま加速した。オヤジもこのタイミングで行動に移った。

「食らえ」

 そう言いながら攻撃を始めたのだ。画面に映る映像からも基地が見えてきた。すると対空砲火砲だけを撃つと言っていたはずなのに、あっちこっちに空間のゆがみが生じていた。基地内では嵐のような気流の流れが起こっていた。

「オヤジ対空砲火砲は一体何門あったんだ?」

「三十三門だ。何とか間に合ったみたいだ」

 しかしさすがは最強兵士軍、機関砲やバズーガ砲とかでシュウとナミの船目掛けて乱射して来やがった。

「良いぞ、敵は西側に集まって来た。あの真ん中に突っ込むのだ」

 オヤジの言う西側とは、どうやら秋元が監禁されている地点から最も遠い方角のことを言っているみたいだ。

「いっけー若軍鶏号、お前の力を見せてやれ!」

 とシュウが言ったとたん、エンジン出力が上がらなくなった。

「ごめん、もう飛べないみたいだ。このまま落ちるわ」

 シュウは正直、悲しくて涙が出そうになった。

 オヤジのおかげでかろうじて対空砲は食らわなかったもの、数百発もの砲弾を浴び、あっけなくその生涯を終えるみたいだった。ってかこの船、軍艦じゃないんだぞ。普通の船が砲弾浴びたら、こうなるだろう。

 そうだ、こういう時には。シュウは操作説明書を見た。もちろん見る場所はただ一つ。それは『故障かな?と思ったら』の項目だ。『鍵を挿していますか?エンジンはかけましたか?燃料は入ってますか?』なんじゃこりゃ?使えねえー。

「基地からかなり遠いぞ。それじゃあ全然ダメだ」

「そんなこと言ったって、もうエンジンが壊れされて言うことを聞いてくれないんだよ」

 シュウは半べそ状態だった。

 初めて自分たちで働いた金で買った若軍鶏号は、黒煙を上げ、あっけなくお尻を下にして上を向くような格好で落ちて行った。しかしその操縦席のカメラに映し出された斜め上空を通過して行く黒い物体を見て愕然とした。

 ナミの黒い船の横には、『Queen Nami's Revenge』と血が滴るような赤文字で書かれてあり、甲板にはドクロの旗を掲げていたのだ。その旗は、十八世紀初頭カリブの海を荒らしまわったという、伝説の黒髭海賊旗のものだ。砂時計を持った骸骨が槍でハートを刺しているというものだった。

 世界を敵に回すことになるこの作戦は、出来れば後で、しらばっくれたかったのだが、堂々と自分の本名を船に書き込んでいるヤツの気が知れん。立派な証拠になってしまうではないか。

「せ、せめて鶏の絵程度にしておけ・・・」

 シュウはもう溢れ出る涙で前が良く見えなかった。

 だがよくよく目を凝らしてみると、前方に買った時にはなかった巨大な盾を装備して、相手の弾をはじいている。しかもその中央の一箇所が空いていて、なんとそこからガトリング砲を撃ち返していたのだ。

「おらおら~、このナミ様に喧嘩売るなんて良い度胸してんじゃね~か。成敗してくれるわ~」

 ナミは我を忘れているようだ。

「ち、違うぞナミ。喧嘩売ったのも、攻撃を仕掛けたのもこっちだ。あいつらに言わせれば単なる防衛だ」

 シュウはそう言ってみたが、ナミはもう目が血走っていて聞いてくれない。

「オヤジ、なんだあれは?」

 シュウはあの海賊船作成の、間違いなく共犯であるオヤジに今度は言ってみた。

「あ~あれか?あれは一般的なM61の20mmガトリング砲だ」

「Mがどうのこうのとか、そんなことを聞いているんじゃない。人を傷つけないんじゃなかったのか?」

「大丈夫、相手はプロだ、当たりはしない」

 プロはガトリング砲の弾でも避けられるのと思っているか?こいつら狂ってやがる。

 するとナミの船は相手の姿が見えるまで近付いたらしく、相手の口の動きで

「ガッテームだとー?生意気言ってんじゃねーぞ小僧」

 もう全てがおかしい。

「オヤジ、早くナミの船を撃ってくれ」

 弾が誰かに当たる前に、とっととあの海賊船を破壊してもらいたかった。

「まあ落ち着け。ナミの船は必ずここまで到達する」

 オヤジは敵陣の真ん中に照準を合わせ、そこにナミの船が来るのを待ち構えていた。

 計画通りナミの船は目的地への特攻を完遂した。

「BHカノン発射」

 オヤジのこの声が掛かるまでの時間がどれほど長く感じたことか。

 敵陣の上空数メートルのところで巨大な入口が発生し、敵兵は瞬く間に北極に飛ばされて行った。それまであった小規模な空間のゆがみまで飲み込まれた。さらに基地の屋根まで吸い込まれた。基地内は強烈な嵐となり、敵陣は総崩れだ。どうやら外にいた連中は全員いなくなったみたいだ。

「やはり、あそこに閉じ込められているのが秋元で間違いない。鎖で繋がれているみたいだ」

 基地の屋根がなくなり、望遠鏡で確認が出来るようになった。

 オヤジは工具箱を漁るとチェーンカッターを出しながらそう言った。そのままでは危険なので、シュウの若軍鶏号で相殺させ、やっと基地内は静けさを取り戻した。

 だが、ここからがこっちの波状攻撃の始まりだ。オヤジは続いて持参した鉄の塊を、屋根のなくなった基地の上空から撃ち込み、それを媒体に入口を発生させて、内部にいた兵士達に攻撃を開始した。

 もう基地内には秋元以外の人間がいなくなったのを確認してから、最後に秋元のいる牢屋の壁と、その場所から最も近い外壁を破壊し、船を急降下させ始めた。

 最後に破壊した外壁のところに船を横付けすると、オヤジは先ほど用意したチェーンカッターをシュウに渡した。

「頼んだぞシュウ」

 オヤジは当然のような顔をして言った。

「お、俺が行くのか?」

 当たり前だとばかりに、オヤジは頷いている。するとそれを横からむんずと掴み、ナミが

「おぉ、任せとけ」

 と言い出したところで、さすがのシュウも諦めがついた。シュウはナミからそれを奪った。

「一人じゃあ危険だ。俺も行く」

 仕方なく啖呵を切ってしまった。

 シュウたちは、船を飛び出して秋元の閉じ込められている牢屋まで一直線の廊下を走っていた。

「こんなところに、そのままの格好で秋元を下ろしたら殺人未遂だ」

 なんてシュウは思っていたが、当の本人は、猫のTシャツ一枚で走っている状態だ。さらに、後ろからミニスカートでノースリーブのヤツも付いてくる。

 すると到着直前の十字路のところで、正面の空間にゆがみが生じた。それは宇宙ステーションでの殺害時に見たものと同じ程度の大きさだった。

「危ない」

 シュウは慌ててナミを十字路の右側に突き飛ばし、その反動で自分は左側に隠れた。案の定、その出口からはマシンガンの弾が飛んできたのだった。やはりあの事件の犯人はこいつらだったみたいだ。

 シュウはこれ以上近づけないと途方に暮れていると、船からオヤジがBHカノンを撃ち、出口を消滅させてくれた。

「なるほど、だから俺達行く必要があったってわけか」

 シュウはそう言うとナミに「行くぞ」という合図を出し、壊れた壁から秋元の牢屋に入り込んだ。

「君がシュウ君か?ありがとう、それにナミちゃんも」

 秋元は鎖に繋がれたまま礼を言ったが、それに答えている余裕はなかった。

 急いでチェーンカッターで鎖を切ろうとしたが、なかなか簡単には切れない。もしここで先ほどと同じように空間にゆがみが生じたら、ここには隠れるところがない。船からも死角になっていて、消滅させることも出来ないだろう。そう思っていたところに、運悪く空間にゆがみが生じた。終わった・・・。

 申し訳ないが、隠れられる場所は秋元の背後だけだった。シュウとナミは秋元の背後に隠れさせてもらった。

 すると数秒間そこから何も発射されることはなく、空間がゆがんでいるだけだった。あれ?っと思った瞬間、即座にそれが消滅した。見上げるとオヤジが船を上空に移動させて、そこから反撃してくれたのだった。

「助かったぜ、オヤジ」

 シュウはそう言いながらGFⅢに向かって親指を立てた。

 ここで選手交代し、ナミがチェーンカッターをむんずと掴み、秋元の鎖を切り始めた。簡単に鎖は切り放たれた。最初からこいつがやれば良かったのか。

 シュウたちは、三人で先ほどの壊れた外壁の場所まで急いで向かった。ナミが先頭、最後がシュウという形で、秋元を間に挟んだ状態だ。その途中、突然ナミの足が止まった。

 通路の横から一人の日本人兵士が現われたのだ。もう誰もいなかったはずなのに。ということは、こいつはワープで送り込まれて来たに違いない。もちろん銃を持っている。

 兵士がそれを構えた瞬間、秋元が身を挺し、ナミの前に出た。不思議と兵士は銃を下ろし「そこを退け」と言っている。秋元は首を左右に振り、退こうとはしなかった。

 だが、それを横に追いやりナミは前に出た。兵士は「いい度胸だ」と言い放ち、薄笑いながら再び銃を構えた。

 するとナミは、右足を大きく振り上げ、左右の長い足は見事に垂直な一本の状態に見える形になった。しかもミニスカートでこれをかましたのだ。兵士の目線は一点に集中している。さらにもっとよく見ようと、その一点に向かって腰を屈め、わずかに頭を前に出した。

 次の瞬間、しなる鞭のように右足は落とされた。正に二階からのかかと落としとでも言うような一撃が炸裂したのだ。『ボグッ』という鈍い音と共に兵士はうつ伏せに倒れ、ぴくりとも動かなくなった。ナミの履いていた靴は安全靴だ。頭の形が変形しているようにも見えた。間違いなく頭蓋骨陥没だ。高い確率でこの人の命は無いだろう。

 この人がこの世で最後に見たもの、それは悪魔からの招待状だったのだ。

 何食わぬ顔でナミは銃を拾いあげ、秋元と共にその兵士を飛び越えて行ってしまった。もちろんシュウも二人を追従するしかなかった。かなりビビっていたが。

 三人が到着する直前までオヤジは上空で待機し、到着と同時に船も戻って来た。そのまま船に飛び乗り、GFⅢは秋元を加えた四人でこの空域を急いで離れた。『秋元救出作戦』は辛くも成功したのだった。


 逃げる船の中で、ナミは銃を肩に担ぎながら平然と言った。

「あとは、大ちゃんを探さないとね」

 どうやらあの兵士の事は、心配していないみたいだ。

 確かに武器を持たない三人に銃を突きつけて来た段階で、正当防衛っぽい気もするが、こっちも飛び道具みたいなもの使って倒したからな。

「ナミ、オヤジと秋元さんの会話を聞いてみろ」

 シュウとナミはあの二人が話している場所から離れていたが、ナミに距離は関係ない。

「秋元さんはオヤジさんのことを大ちゃんって呼んでいる。間違っている、挙動不審ちゃんなのに」

 ナミは首を傾げていたが、シュウとナミもこの二人のところに行って会話に加わった。

「改めて初めまして。秋元です。大ちゃんとは学生時代からの研究仲間でして・・・」

「あ、お話はかねがね承っておりました」

 シュウは挨拶をした。ナミも

「初めまして、ところで大ちゃんってこの人のことですか?」

「あー、大島君はみんなから大ちゃんと呼ばれていたのですが、お二方は今まで通りオヤジで良いと思いますよ。本人もかなり気に入っているみたいですし」

 秋元は何度かオヤジと会っていたということで、ある程度こちらの事に関しても知っているみたいだった。オヤジは自分がオヤジと呼ばれていることなども、秋元に伝えていたみたいだ。

「学生時代に、挙動不審ちゃんって呼ばれていたことは?」

 ナミはしつこかった。

「えっと、挙動不審とか変態とか天然とか、こいつはみんなからいろいろと呼ばれておりましたよ」

 秋元は何かを察したように、笑顔で話を併せてくれたみたいだ。さすがはオヤジとの付き合いが長いだけのことはある。ところであんたは『不審者』と呼ばれたことはないかい?などと言う野暮な質問はもちろん控えた。

「なるほどねえ、納得しました」

 ナミは笑っていたが、オヤジは南極基地を襲撃した時以上に、冷や汗をかいていた。まあ、確かに地球政府よりナミの方が怖いという考えは、今回の戦いぶりを見ればわかるかもしれない。

「オヤジ、とりあえず帰ろうよ」

 シュウは何気なくオヤジに言ったが、オヤジは笑っていた。

「一体どこに帰るんだ?恐らく我々の事務所は今頃包囲されているぞ」

 言われてみればそうかもしれない。国際指名手配犯だもんな。

「その件なのですが、先ずは月に向かってもらうことにしたのですよ」

 秋元の発言に、シュウはその理由を尋ねた。

「なぜでしょう?」

「この船に搭載されている望遠鏡はもうお察しと思いますが、一万年以上前の映像に細工がされています。それは地球政府からの指示だったのです。『一万年以上前の映像を見ようとした場合、この映像を代わりに見せろ』ということで渡されたニセの映像だったのです」

 秋元はそう答えた。しかしそうなると一万年未満のものは正しかったということになる。今までシュウたちが事件の証拠として提出していたものは実際の映像という安堵感も得られた。それなのに政治家連中と来たら、潔白だとか言っていたなあ。思い出しただけでも腹が立つ。

「それと月に行くのは、どのようなつながりが?」

 シュウは再び尋ねた。

「私はこの指示を受け取った時、何か不穏な空気を感じました。ですが逆らうことは出来ず、細工を施した望遠鏡を大ちゃんに渡し、その謎を解く鍵となるであろう本物の望遠鏡を、捕まる前に月のとある地点にワープさせて隠したのです。その後、本当に地球政府から兵隊がやって来て私は連行されました」

「見ました。二月十四日土曜日でしたね?」

「あぁ、そうか?それが出来るんだった。だからここがわかったのか?」

 秋元がそう言うと、続けてオヤジが言った。

「地球政府では、何らかの理由があり、危険人物として秋元をマークしていた。そしてもう拘束することが決定していたに違いない。それをいち早く知った江部が、政府から秋元に渡すニセ望遠鏡映像に細工をしておいてくれたのだと思う。なにせこのBH望遠鏡を作れる人間もうちら三人だけだからな」

「一度、南極基地に江部が来て、きっと大ちゃんが助けに来てくれるって言っていたことがあったのですよ」

 秋元はそう言った。そうか、それで秋元は二人を見て、すぐにオヤジの仲間であることに気付いたのか?こちらは何回も映像で見ているから知っていたが、あの監禁場所で秋元は、初めて会ったはずの二人の名前を呼んだ理由がやっと理解できた。

「なるほど、わかりました。月にある望遠鏡で一万年以上前の地球を見ることでその謎が解けるわけですね?」

 シュウはようやくここまでを理解した。

 地球政府が天文学者を殺害し、秋元を危険人物として監禁した理由、その謎を解くための鍵が月にあるということだ。

 GFⅢは月に向けて出発した。

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