表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP
第1章 神核の目覚め編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

126/135

第百二十五話 『統合点(シンギュラ・ノード)』



 世界が“収束”していく感覚は、破壊とはまるで違っていた。


 崩れるのではない。


 削られるのでもない。


 すべての情報が、一つの方向へ“意味を持って整列していく”。


 それはまるで、バラバラだった現実が、初めて正しい形を思い出しているようだった。


     ◇


「……来る」


 天城修也の声が低く響く。


 その視線の先で、黒衣の男はゆっくりと腕を上げていた。


「統合の兆候だ」


「やはり“核融合型”か」


     ◇


 氷室凛が息を呑む。


「核融合……って、まさか」


     ◇


 月影詩乃が即座に補足する。


「個別存在の再定義ではなく」


「“存在そのものの単一化”」


     ◇


 朝比奈咲夜が顔をしかめる。


「つまり全員まとめて一つにするってこと?」


「雑すぎない?」


     ◇


 黒衣の男は淡々と答える。


「雑ではない」


「最も効率的だ」


     ◇


 その瞬間、空間がひずむ。


 地面が地面であることをやめ始める。


 空が空であることを拒絶する。


     ◇


 ソレイナの炎が揺らぐ。


「主様」


「この空間、火の定義が不安定です」


     ◇


 アヤネが目を細める。


「概念レベルでの干渉……」


「かなり厄介ですね」


     ◇


 フリートが水を展開するが、すぐに形が崩れる。


「……水という定義が揺らいでいます」


     ◇


 ユシルはのんきに笑いながらも、声が少しだけ緊張している。


「ふわぁ……これ、ちょっとまずいかも〜」


     ◇


 アイナの声が静かに響く。


「警告」


「世界構造が単一軸へ収束中」


「多様性の消失=存在の消失と同義」


     ◇


 天城修也が即座に判断する。


「全員、分離維持」


「統合に飲まれるな!」


     ◇


 氷室凛が氷を展開する。


 だが氷は形成と同時に“氷である理由”を失い崩壊する。


「嘘でしょ……」


     ◇


 月影詩乃が歯を食いしばる。


「定義が固定できない」


「現実のフレーム自体が流動化している!」


     ◇


 朝比奈咲夜が時間を引き裂く。


「なら、時間でズラすしかないじゃん!」


 しかし、その時間すら“ひとつの流れ”に統合され始める。


     ◇


 黒衣の男が一歩踏み出す。


 その瞬間、世界の色が一段階減った。


     ◇


「これが統合だ」


「分岐は不要」


「揺らぎは不要」


     ◇


 その声は、もはや“意思”ではなかった。


 法則そのものが喋っているようだった。


     ◇


 俺の中の核が強く脈打つ。


 それに呼応するように、アイナが解析を続ける。


「主君の核反応上昇」


「外部統合圧力に対し、内部自己定義が抵抗中」


     ◇


 ソレイナが一歩前に出る。


「主様の炎は、まだ消えていません」


     ◇


 アヤネが続く。


「ならば、まだ“分かれています”」


     ◇


 フリートが水を広げる。


「一つにされる理由はありません」


     ◇


 ユシルが笑う。


「みんなバラバラだから楽しいのにね〜」


     ◇


 その言葉が、核の奥に沈む。


     ◇


 黒衣の男がわずかに目を細める。


「抵抗か」


「だが遅い」


     ◇


 世界がさらに圧縮される。


 距離という概念が消え始める。


 “近い”と“遠い”の区別が失われる。


     ◇


 天城修也が叫ぶ。


「神代!」


「核を開けるな!」


     ◇


 だが、核はすでに開きかけている。


 外からではない。


 内側から“開かされている”。


     ◇


 アイナが静かに告げる。


「最終解析」


「統合成功確率上昇」


「ただし条件あり」


     ◇


 俺の視界に、無数の選択肢が浮かぶ。


 統合される未来。


 拒絶する未来。


 崩壊する未来。


 そして――まだ形になっていない未来。


     ◇


 黒衣の男が手を広げる。


「終わりだ」


     ◇


 その瞬間、世界が一点へ収束する。


 すべてが重なり合い、区別を失い、


 “ひとつの点”へと変わろうとしていた。


     ◇


 その中心で、核が静かに答えを選び始めていた。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ