僕は異世界に行く
僕は生きている。
僕は歩いていた。
僕は走っている。
僕は逃げている。
僕は
僕は
僕は何をしている?
そして意識が白濁する
ーーー
僕はある一点を除いて普通の中学生だった、今度の4月から高校生になる。
それも自分の存在感が薄いような感じがするというものだ。
いわゆる中二病も治りきらないような年齢で、特別な存在になりたいと思ったことは少なくない。
このように自分を客観的に観察して普通の人間だと思うことも、存在感が薄いというのも、まだ自分の中で特別になりたいと思っているのだろう。
僕はファンタジーな世界が好きだ、エルフっ子やドラゴンなんかいたら最高だし魔法が使えればなおよい。
能力無双やステータスの無限成長なんかのチートともいえるような能力があればいい。
俺TUEEEしたいしハーレムも築きたい。
そんな妄想をしても現実では何の変化もしない。
僕はただ家路をたどる。
コンビニで屯する高校生に見える人、肩身を狭そうに煙草を吸う人、犬の散歩をするおばちゃん、どれもこれもが日常だった。
次の瞬間までは。
路地に入った瞬間だった。
視界が、頭が、この世のすべてが、揺れている。
そう感じる程に激しい吐き気が一瞬襲ってくる。
僕は自分に何が起きたか確認するが特に変化がない。
気のせいだろうそう思って路地を抜ける。
そこは、何もかもが見たことない景色だった。
正しくは、いつもの光景ではなかった。
僕はこのような光景を知っている。
だが、それは創作物の内の光景のはずだ。
見たことのないビル群と大きな電光掲示板、宙を走る車と歩く人。
何が起きたのか、全く理解できないが反射的に来た道を引き返そうと歩き出した。
ナ二カがやってくるそう直感して振り返ると。
ソレはすっかり日が落ちているというのに明るく照らされている道路とは裏腹に、暗い路地に入ろうとする僕をめがけて走っている。
音もなく宙を滑るように。
明るさに目がくらみ、はっきりとは認識できないが人型のソレは、明らかに僕めがけて人とは思えないほどの速度で走っている。
逃げなければいけない。
そう感じる前に僕は路地を走り出していた。
初投稿です。




