No.5 話し
「それで、話しというのは…?」
「個人的な話しと管理人としての話しよ。それか、質問があれば答えられる範囲で答えるわ」
「質問………あ。あの。八天の皆さんが明らかに俺よりも格上のはずなのにさん付けを許してくれないのですが。それはなぜなんですか?」
「だって。アルックは誰に命令されてここに来たの?」
「情報の管理人様ですが…」
「違うわ。直々には?」
「創設神。お二人からです…あ…そうゆうことですか」
「やっと分かった?あなたは創設神様からの命令できてるの。それだけであなたは八天達よりも位は上になるの」
「なるほど……理解しました」
やはり創設神様の影響はすごいな。てか、情報の管理人様も一言おっしゃってくれればよかったものを…絶対知ってただろうに
「なんなら私よりも位が上かもしれないわね」
「ご、ご冗談は辞めてください!さすがに管理人様を敬語を使わないで呼ぶのは…」
「あらそう?」
「そうですよ!八天の皆さんにさん付けしないだけでも精神が擦り切れそうだったんですよ!」
「ふふっ…そうなのね。なら、慣れてきたらでいいからタメ口でもいいわよ?」
「ほんっとうにやめてください」
タメ口でもしたら首が飛ぶ気がする
「反応がいちいち面白いわね。それじゃ、次は私から質問なのだけれど。この次はどこの管理人の所に行くの?」
「なぜそんな事を?」
「気になっただけよ。で、どこに行くの」
なんか口調変わってない?いや、部下の前ではちゃんとしてたいってのはどこの上司も同じ気持ちなんだろうし。この時だけは口調崩れてもいいか
「知識の管理人様の所に行こうかと思っていまして」
「ジーニアスのとこ!?」
「ジーニアス?すみません…名前がわからないのですが多分そうかと」
「ウィズダム・ジーニアス。知識の管理人の名前です。彼は……そうですね。何と言えばいいか」
なんか知ってるのか?やっぱり管理人同士の繋がりがあるんだろうな。でもあの感じだとなんか嫌な思い出でもあるんだろうか
「お知り合いなのですか?」
「知ってるも何も。彼とは腐れ縁のような感じなのよ。彼を表すとしたら…何事にも動じない冷静さがあって。博識っていう感じね」
「…なんか。行きたくなくなってきました…」
「最初は慣れないかもだけど。慣れたらいい人よ。その…感情表現が下手なだけだからそこをちゃんと汲み取ってあげて」
知識…感情表現が下手…なるほど。これは重要だな。後でしっかりメモしとかなければ
「汲み取る…なるほど…参考になります!」
「それはよかったわ。そうだ。今ね、とある世界の宇宙を創るの。一緒に見ない?」
「え!いいんですか!」
世界の宇宙を創る。それはすなわち創造神様が先ほど新しく世界を創ったという事。滅多にない機会…!
「ぜひお願いしたいです!」
「ならこっちへ来なさい」
天夜様が立っているのはガラス張りの部屋の外。いつの間にそっち行ったんか。でも行くしかない。この機会を逃すわけにはいかねぇ!
「来ましたね。では、よく見ておくんですよ」
そう言うなり、手を星海へとかざした。するとまず現れたのは小さな…小さな星やガスなどだ
「これは…」
「まだよ。見てなさい。ここからがすごいから」
その言葉は本当だった。目の前にあった小さな星などは一気に星海側へと飛んでいき。天夜様が両手を合わせる。すると星やガスが一気に縮まった
「よ………てら」
「…?あっ!」
「星々は宇宙よりすべてを見守り…神聖さ。時には恐ろしさを…」
聞いたことがある。各管理人様達は自分の管理する概念を世界に埋め込む時に唱える言葉。これが…概導。管理人様に与えられた権能の一つ
「そして未知への好奇心と果てぬ終点。星は全て見ており、流れる彗星は旅人。さぁ、新たな世界に幻想なる宇宙を与えましょう」
パンッ!と合わせていた手を勢いよく叩いた。すると…ここらを覆い尽くすのではないかと思うほどに広がったのはまさしく宇宙だ。まるでプラネタリウムのように360度宇宙。流れ星や小さな銀河も見える。なんならすぐ触れられる位置にある
「触らないでくださいね?」
「もちろんです。しかし…これをどのようにして世界に組み込むのですか?」
「これを圧縮するんです」
「圧縮?」
「はい。こうやって…」
今度は手を前へ突き出した。するとさっきまで広がっていた星空は瞬く間に天夜様の手の前に丸いビー玉のような大きさまで圧縮されていた
「これで完成。あとはこれをこの箱に詰めて送るだけ」
「封蝋ですか?」
「えぇ、私専用の封蝋スタンプよ。そうね…今日は満月にしましょう」
「いいですね。とても綺麗です」
「でしょ。さて、これを送って……付き合ってもらってありがとアルック」
「こちらこそ素晴らしい瞬間を見せていただきありがとうございます」
「またあの部屋で休んでるといいわ。ちゃんと寝てね」
「そうさせてもらいます」
「そうだ。何日ぐらいここにいるの。それだけ聞いておきたいのだけれど」
「一ヶ月…はいる予定ですね」
「わかったわ。ありがとう。おやすみなさい」
「はい……おやすみなさい…ませ」
「どうでした星様」
「とても…面白い子ね。創設神様がこの子を選んだ理由が分かった気がするわジュピター」
「……左様ですか」
「明日はこの場所を案内してあげないとね。八天も誰か明日ついてきて」
「分かりました。伝えておきます」
「ありがとう。あなたもお休みなさい」
「はい、分かりました。それでは」
ふはは。描写を書くのが難しい。先に名前出しましたが知恵の管理人の名前。結構悩んでつけた結果。言葉を意味を調べて組み合わせたんよ
ー設定とか書くゾーンー
ウィズダム・ジーニアスは天夜星と同じ時に生まれた管理人であり、ゆえに何かあると2人が一緒になる事が多め。なので腐れ縁のような関係になっている