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白に滲む赤

何の異変もなく、朝を迎えた。

りんご味の実を食べて少し肉を焼き直して食べる。

昼の分を少し残しておいた。

昨日出来た歪な黒岩の剣と黒い岩の欠片を持ち、狩りに出かける。

今日は食べれるような獲物がいればいいんだが。

昨日より奥、初日に進んだ方向に真っ直ぐ進んでいく。

するとギャゥンと悲鳴じみた鳴き声とグルルと低音が聞こえてきた。

しゃがみながら近付いてみるとそこには白いサーベルタイガー3匹と血のように赤い狼2匹が居て狼がサーベルタイガーを襲っていた。

サーベルタイガー達は立派な後脚を傷付けられ逃げることができないようだった。

自然の摂理ではあるが…見捨てられなかった。

狼の後ろに回って2匹の後脚の膝裏を歪な黒岩の剣で斬りつけ、振り向いた狼の喉元を欠片で切り裂いた。

頭にしっかりとどめを刺す。

「っ、ハァ…。倒せた…。」

サーベルタイガーを見ると体勢を低くして唸りながらヨタヨタと何処かに去っていった。


2匹を引きずっていると昨日までの筋肉痛がジンジンと痛みを主張してきた。

必死すぎて気付けなかったのか。

ハァ…解体も楽じゃないのにな。

洞窟に戻り首等を切って突き出た岩に引っ掛けた。

お腹を裂き、内蔵を取り出し頭と一緒に蟻がいた場所に置いておく。

血抜きの時間、朝に残しておいた残りを食べた。

…冷蔵庫が欲しい。

これだけの肉が有れば食い切る前に腐ってしまうかもしれない。

魔法で作れないか?

氷の箱みたいな…

そう思っていると想像していた氷でできた箱が現れた。

上に箱を閉じる板があった。

中はちゃんとひんやりしていた。

「やっぱこの世界の魔法ってスゲェや…。」

入口からいつも寝ている洞窟奥に向かって押して移動させた。

かなり時間がたち暗くなってきた。

一匹を取り外し皮をはいだ。

気付けば放置していた頭等が消えていた。

移動させていた時に来ていたのか。

肉を取られていなくて良かった。


疲れたので水をコップでくんで飲む。

昨日削った部分にちゃんと水が溜まって居てくれた。

溢れた水は今までもだったが入口の方に流れている。

コップに水を組み血が溜まった所に水を巻く。

何回か繰り返して血の匂いが薄れ、色も薄くなった。

この洞窟に危険な獣が近付かないのは本当に幸運だと思う。

逃げ場が無いからな。

皮をはいだ狼の肉をブロック状にしてそのブロックを氷箱に入れていく。

残った骨は猪の獣の骨と同じところに置いて2匹目も同じようにした。

「ふーー…つっかれたー。」

外はもう暗く陽の光は見えない。

氷箱から2つほど肉を取り出して火を起こして焼いていく。

「今使えない物も使えるようならないかな…。あ、この実、もう5つしかないや。2つ食べて…また明日取りに行こう。」

今日も生き延びることができた。

食事もちゃんとできてる。

…生きてる。

氷箱から少し離れて座り込む。

氷箱の近くは寒い。

あの白いサーベルタイガーは無事だったのだろうか。

あの立派な白い脚が…赤く染っていて…

…眠い。

今日は本当に…疲れた…

あのサーベルタイガー達の中に…子供っぽい小さい子…居たよな…

心配だけど…もう、眠くて我慢できないな…

また、明日も…目覚めることが出来ることを祈ろう…





何かの音がして目が覚めた。

何だと思い起き上がるとあの時の怪我をした3匹の白いサーベルタイガーがいた。

あの時の見間違いではなく子供であろう小さい子も。

怯えた様子で入口付近に塞ぎ込んでいた。

そして目覚めた音は子供の悲痛な痛みを堪えている声だった。

俺は黙って4つの肉のブロックを取り出し焼き始めた。

あの子達と俺1つ分ずつ。

焼きあがった肉3つを彼らの方に放った。

彼らは肉と俺を交互に見て、ゆっくり食べ始めた。

良かった、あの牙で草食動物だったらどうしようかと思った。

焼いた肉を取りだし次の4つを焼き始める。

俺は蜂蜜をかけて食べた。

焼けた肉をまた3つ放って食べる。

3つ残った実を食べ切る。

食べ終わり土皿を持ちあの実をまた収穫しに行く。

実の中にあった種はちゃんとあるけどこんな場所に育つのか分からないが洞窟前の少し広い場所を骨で少し耕して柔らかくして半分くらい埋めておいた。

白いサーベルタイガー達はこちらを見て居た。

すぐに視線を外して森に向かった。


あの実を幾つか収穫してまた5つほどあの巨大蜂にあげてみよう。

それで多分あの蜂蜜の理由が分かるだろう。

蜂の巣があった場所を迂回して実があった場所に着いた。

良かった。

今日も沢山成っているようだった。

できるだけ実を収穫して他に何か収穫できるものが無いかと見渡してみるが特に何もなし。

もっと行動範囲を増やして行きたい。

さて、蜂の巣の方角に行ってみる。

恐る恐る近づいてみると巨大な蜂、働き蜂だよな…?

が二、三匹巣の近くをブンブン飛び回っていた。

う、見られただけで刺されないよな?

皿を置いて5つの実をと持って体を小さくして近ずき蜂達がこっちを認識したのでコロコロと実を転がした。

そして俺は静かに下がって置いた皿の所まで下がった。

蜂は実を拾って巣に戻って…また現れた。

その足にはあの蜂の巣の1部を5つ持って。

そしてゆっくり近づいてきてそれを差し出した。

その中身はやっぱり蜂蜜だった。

それを受け取ると蜂は巣に戻って行った。

蜂蜜はお礼ってことでいいんだよな?

ぺこりと頭を下げて皿を持ち少し迂回して帰路に着く。


洞窟に帰るとサーベルタイガーの子供がぴょこぴょこ元気にはねまわっていた。

中々可愛いくてふ、と笑ってしまった。

その声で気付いたのかこちらに振り向いた。

子供がぴょこぴょこと俺に近づいてきて「ウルルー!」と鳴いた。

懐いてくれたのか?

踏まないように注意しながら奥に行き収穫したもの達を氷箱に入れて、けど一つだけ実を取り出して子供に与えてみた。

子供は喜んでむしゃむしゃと食べていた。

食えるのか。

大人の2匹にも投げて渡して(痛まないか少し心配した)むしゃむしゃと食べている子供を撫でてみた。

思ったよりふわふわしていて触り心地が最高だった。

そういえば何時までも子供とか大人とか呼んでてもアレだからな。

名前、つけてみるか?

「お前、パルって呼んでいいか?」

子供は首を傾げたあとまた「ウルルー!」と鳴いた。

OK…なのか?

大人たちは…

「おっきい方がミパリカで、ミパリカより小さい方がアピナだ。」

それを聞いた大人の2匹は「「ガルルー!」」と鳴いた。

良かった…のだろうか。

「お前ら、何時までいるかはわかならいけど…よろしくな。」

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