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チラつく赤黒い影と白い影

黒い岩の欠片を手に持ち、ほんの周囲だけでもと探索に出る。

昨日獣が居た場所にたどり着いたら他のものに荒らされたあとがあった。

残った肉を放置していたからだろう。

辺りを散策しているとバナナのような実がなっている木を見つけた。

木自体はりんごの木に似ている気がする。

いや、りんごの木より背が低いな。

なっている実は小さなバナナのような見た目。

一つもいで見る。

ツルツルしていて何となく皮の手触りがリンゴに似ている。

取り敢えず持てる位に持って洞窟に向かって真っ直線に戻った。

その途中バカでかい蜂の巣を見つけた。

「は?この世界、何でもモンスターはバカでかいのかよ…。」

とりあえず迂回して進もうと踵を返した瞬間、巣の下側から1匹の働き蜂だろう蜂が現れた。

勿論その蜂の巣に似合うでかさで恐らくオオスズメバチの10倍位あるんじゃないか?

誇大じゃ無ければな。

その巨大蜂は俺に向かって飛んできたので刺される!?と思い後ろに下がった瞬間手の中の実が1個転げ落ち巨大蜂の方に転がった。

すると巨大蜂はその実に向かい触角で確かめた後巣に戻って行った。

「…この実が餌なのか?」

取り敢えず二、三個置いて巣から出てこないうちに出来るだけ早く洞窟に向かって逃げた。


土を魔法で深皿みたいにできないかとイメージしてみると形ができた。

けど硬さが土そのままで持つだけで崩れてしまったので固く泥団子を作るかのようにイメージしながらやってみると上手くいった。

集めた実を入れれて持ち運べるくらいには固くなった。

取り敢えず皮を剥いて見るとみずみずしい身が見えたのでひと口食べてみた。

「ん!?リンゴ?」

味が殆どりんごの味だった。

「見た目に騙される味だな。」

少し酸っぱめのりんごだったけど美味しくいただいた。

後で残りの実ももいでおこう。

実を奥においてまた土の深皿を作り次の探索をすることにした。


そういえばこの樹木に絡みついているツタはかなり太い。

触ってみると固いが引っ張ってみたら案外伸びたし曲がった。

武器にできるかもしれないと思いある程度の長さを欠片で切り取ってみた。

端を持って振り回してみるとビヨンビヨンと面白いくらいにはね回った。

鞭にして使えるかもしれない。

けど練習して上手く使えるようにしないとな。

ある程度ブンブン振り回してから腰に挟み先に進む。

獣の足跡は見つけたが青いキノコ位しか見つけることが出来ず、キノコは毒キノコが怖いので回収せずに洞窟に戻った。


洞窟の入口に5つほど何かがあった。

恐る恐る近づいてみると六角形のコップのようなものに蜂蜜色の液体があった。

液体はトロトロしていて甘い匂いがする。

少しそれらを重ねてみると何かを思い出すような形…

蜂の巣か?

まさかと思い指に液体をつけて舐めてみると蜂蜜だった。

つまり、この六角形のコップは蜂の巣で、中身は蜂蜜…

これをここに置いたのはあの巨大蜂!?

そういえば落とした実は5つくらいだった気がする。

その分の蜂蜜をお返しにくれたのか?

…また後で実を収穫したら幾つかあげてみようかな。

巨大蜂の蜂蜜を洞窟の奥に持っていく。

枯れ草等をまたある程度集めてきて火をつける。

獣肉をまた焼いて蜂蜜をかけて食べてみる。

蜂蜜は栄養満点な筈だからありがたいな。


しばらく食べていると視界に何かが写った。

見てみると居ない。

何か白かったような…?

…白い影は少し気になるが先にこの洞窟を住みやすいようにしたい。

まずは水。

湧き水が有るから脱水症状になることはないとは思うが貯水する事も大切だと思うんだ。

そのために水が溜まっているくぼみを広く、深くしたい。

けどその道具をどうしようか…

近くに置いてあった獣の肩の骨を手に取って思いっきり振り下ろしてみた。

カーーン……

良い音をして弾かれた…

うーん、火を起こせた見たいに魔法で固くできないかな?

この黒い岩を削れるくらいに…

そう思って居ると光が骨にまとわりついて、消えた。

固くすることが…出来たのか?

また思いっきり振り下ろしてみた。

ガン!

今度は確り刺さった。

縦にさしちゃったから窪みは作れないけど削れるくらい固くすることが出来た!

魔法…凄いな…

この世界の人達は魔法でどのくらい発展しているんだろうか。

斜めにガンガンと突き刺して不格好だがある程度の深さにすることが出来た。

あとは水が溜まって「どうなるのか、だな。」

空になった蜂の巣のコップで湧き水を汲む。

冷たい水は疲れた体に染み渡るようだ。

頭をスッキリしてくれる。


気付いたらもう外は暗くなっていた。

夕食としてまた蜂蜜付き焼肉をしようかと火をつけると洞窟の入口に何かがあり火の光を反射して居た。

恐る恐る欠片を持ちながら近付いてみると赤黒い楕円状の何か。

ん?もしかしてあの蟻の頭の部分が?

何で!?

あの蟻、頭を脱皮見たいにする事出来るのか!?

触ってみると硬い。

少し形は変だが鍋変わりに出来るか?

焼いている焚き火の場所に戻り縦に裂ける雑草とさっき掘った岩の欠片で土台を作り上げてバランスを取り載せてみた。

…耐熱性も大丈夫みたいだな。

後で使ってみよう。

焼けた肉に蜂蜜をかけて食べながらこれをどう使うか思案した。


ふと、掘っていた骨を見るとボロボロに欠けていた。

固くした骨をボロボロにするほどの頑丈さを持つのか…この黒い岩は。

まだ残っていて持ちやすくて長く、振りやすい岩の欠片を選び雑草を巻き付ける。

雑草は何故か横に裂けにくく欠片で切らなければ根っこから抜く羽目になるほど頑丈だった。

だけど縦には裂けやすい不思議な特徴を持っていた。

…細く裂けば糸の変わりにもなるのかもしれないな。

ぐるぐると固く巻き付ける。

先をそこらの岩壁に擦り付けて軽く削って鋭くしていく。

気持ち鋭くなったかな?

とは思ったがさすがに眠くなったので火を消して寝ることにする。

獣に襲われずにまた朝日を拝めることが出来たらいいな…

今ある物資で何ができるかな…

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