表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/23

15


 死屍累々とは、まさにこの状況。


 正確には、全員息も絶え絶え、ですね。


 30名以上はいたであろう悪党どもが、


 全員、地に倒れ伏しております。



「やりましたねっ、ウェイトさんっ」



 いえいえ、やりまくったのはリルシェさんですから。


 俺は、あのリーダー野郎との一騎打ちで手一杯でしたよ。



「ニルシェ王都の冒険者ギルドには連絡しておきましたから、ウェイトさんは応援が来るまでの間、引き続きスキル能力の維持、お願いしますねっ」



 了解です。


 リルシェさんも、普段と違ってだいぶ息が上がっているようですし、


 周囲を警戒しつつ休息ってことで。



 まずは、お疲れさまでした。




 ---




 絶体絶命のピンチをひっくり返すことが出来たのは、


 俺の固有スキルのイカれた効果のおかげ。



 いえ、スゴいスキルで無双の大暴れ、


 ではなくて、全くの逆。




 固有スキル『道連れ』:発動者が認識した全ての意思疎通可能な存在の能力を、


            発動者とほぼ同等な能力へと一時的に上書きする。


            効果範囲は、認識次第。




 えーと、つまり、


 辺り一面の悪党どもも、もちろんリルシェさんも、


 俺のスキル発動中は、俺とほぼ同じ能力に固定されるのです。



 身体能力・戦闘技術・魔法や固有スキルに至るまで、全てがほぼ俺並みに。


 要は、全員"道連れ"なデバフによる弱体化、なのですよ。



 ちなみに"ほぼ同じ"っていうのは、


 スキルの作用エリア内で『道連れ』を使えるのは、俺だけってことです。



 理論上では『道連れ』よりも格下な固有スキルを持っている人がいたら、


『道連れ』の効果範囲内でも影響を受けずに使えるはず、だそうです。



 ただ、以前見てもらった『鑑定』使いさんも言ってましたが、


『道連れ』は滅多に無いほどショボい最低ランクな能力、とのことで、


 格下争いな逆マウント合戦で負けることはないと自負しておりますよ。


 いえ、威張れるようなことではないのですが。



 もちろん魔法能力も俺と同等レベルにまで弱体化するわけで。


 つまり、どんなに凄い魔法使いさんだろうと、俺のような魔法ポンコツ人間に。




 えーと、長々と語っちゃいましたが、


 要はインチキデバフでの初見殺しですね。


 リルシェさんは誰ひとりとして殺さずに、不殺を貫きましたが。




 ---




「突然でしたから、本当にびっくりしました」

「でも、悪党どもも戸惑っているってことに気付いたら、後はいつも通りの全力全開」

「アイツらはまともに闘えないようでしたが、私は毎日一緒に鍛錬していたおかげでウェイトさんの身体能力については熟知しておりますから」

「今回の件、まさに相棒とつかみ取った勝利、ですよねっ」



 あー、俺がへろへろ軟弱野郎な相棒だったからこその勝利、ですけどね。


 大変だったでしょ、全能力が俺並みになっちゃうデバフ状態。



「本当に凄いですよね、ウェイトさんの固有スキル」

「まさか私のスキルまで封じられるとは思いませんでした」



 ちなみに、リルシェさんの固有スキルって、どんなのです?



「……乙女の秘密ですっ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ