5話
ダンジョンを出て広場に戻ると大半は暗い顔をし座り込んでいた。
「私達が最後の様ね、冬夜また連絡するわ」
そう言って紫苑は去って行った。それと入れ替わる様に雫がニマニマしながら寄って来た。
「冬夜君、全然足りてないでしょ。放課後行っちゃう?」
「いいな、この辺だと何処がいい?」
「前に精霊系の魔石が欲しいって言ってたから、精霊洞ダンジョンなんてどう?」
イチャイチャしながら放課後の相談をしていると、アイツがやって来た。剣崎雅也なんて無粋な奴だ、時と場所を考えて欲しい。
「霧崎ィィ、俺と勝負しろ。俺が勝ったら雫は貰う」
「あれかな初キルを決めてハイになってるのかな?人権って知ってるか?まぁいいや、コッチも言いたい事がある。たいしてアプローチもせず、気持ちを伝えることもせず、それでいて俺は分かってる見たいな態度気持ち悪いって雫は言ってたぞ。
あと、人の婚約者に手を出そうなんて、とんだ横恋慕ヤローだな。
賭けはしないが相手になってやるよ」
「霧崎ィィ」
ショートソードを抜き襲い掛かってくる。
カウンターぎみに剣を握る手に軽く1撃、パキッと指の骨が折れる感触がした。
「ぎゃ、ぎゃぁぁ」
痛みで怯んだ所を腹にもう1撃。
「ウボォ」
そのままうずくまる、自分でやった事ながら気分が悪い。
雅也に近づきながら収納魔法でポーションを2本取り出す。折れた指にポーションをかけ、もう一本は無理矢理飲ませる。
「俺の勝ちだ」
そう言い雫の元へ向かう。雫を抱き寄せそのまま立ち去った。
着替えて教室に戻ると真希先生が仁王立で待っており、指導室へ連行された。
「で、何があった?」
「勝負を挑まれたので受けました」
「はぁぁ、初日から問題を起こすなよ」
「先生、探索者は超人です簡単に人が殺せます。俺がアイツより弱ければ蹂躙されて終わりだったでしょう。しかし今回は軽症に止め、なおかつ治癒までしました。何処に問題があります?」
「分かった、今回は注意で済ますが次はないぞ?」
「わかりました」
そう言って部屋を出る。雫とダンジョンへ行こう、溜まったストレスは暴れるのが一番だ。
放課後になり下校しようとすると、朱音と竜也が一緒に帰ろうとこえをかけて来た。雫に確認をとり一緒に帰ることに。
「お前らって、本当に付き合ってるんだな」
「今はまだ恋人で婚約者だけど、来年の10月6日冬夜君の誕生日に入籍するわ」
自信満々で答える雫がちょっとカワイイが2人は若干引いていた。
校門まで来ると、よく知っていた女の子が立っていた。
「小夜、誰か待っているのかい?」
「おにいっ…… アナタと話す事はありません!」
「っ、そうか今度ゆっくりと話をしよう。これ連絡先と住所だ、困ったことや話がしたくなったら、いつでも連絡をくれ。じゃあ今日は行くよ」
そう言って立ち去る。妹に嫌われるって辛いなぁ。
「2人はどっか寄って行くのか?」
「ああ、精霊洞ダンジョンってとこに行こうかなと」
「魔石とトレーニングが目的行くの」
「あれ、アソコってCランクじゃなかった?」
「私が国際Cで冬夜君が国際Bのライセンス持っているの」
2人とも驚いた顔で固まっていたが竜也の顔が険しくなり
真剣に何かを考えていた。
雫と朱音は2人で何か相談の様な物をしていたが駅の近くで別れ、雫と2人でダンジョンに向かった。
探索者協会 精霊洞支部に入りロッカーを借り着替える。
ダンジョンの入り口は協会の中にあり、装備品のショップや
レストラン、カフェに風呂まで備えてあった。
俺と雫はアーマーやプロテクターなどを必要としないので
体にフィットしバトルスーツを着ているだけ、雫はボディライン丸出しでとても良い。
入り口でライセンスカードを端末にかざし認証を受け中へと進む。
中に入ると1層はオーソドックスな洞窟タイプ、何故か薄暗いだけで灯りが不要。モンスターはトーチリザードで尻尾の先に火が灯っている、火魔法を使用して来る。
胸の魔核を起動し魔紋4画に魔力を送る事で魔法が発動し魔導鎧を纏う。雫も同じ様に魔導鎧を纏う。
暫く走りながら進む、モンスターを見つけ雫が一気に加速し右ストレートを撃ち込む、モンスターは爆散し魔石を落とす。
魔石を拾い、また走り出す。
「今18時だから20時まで狩って帰ろう。晩御飯は何処かで食べようか」
「はーい、お肉が食べたいなぁ」
雫に笑顔で答え、走り出す。