4話
真神紫苑、俺の従姉妹で小さい頃からの付き合いで、雫とも仲がよく“色々と”可愛がってくれた。海外にいた時も雫と共に遊びに来ていたほどだ。
容姿端麗、成績優秀であるが胸が小さめなのが悩みらしい。“色々と”可愛がられて俺はちょっと苦手である。
「さて、これから実習なのだけど質問は有るかしら?」
和泉が恐る恐る尋ねる。
「手に入れた魔石はどうすれば良いですか? …… あと霧崎とはお知り合いで?」
「魔石は換金しても良いし、貴方達は初の魔石でしょう?
記念に協会でアクセサリー等に加工して貰えるわよ。あと冬夜とは従姉妹よ」
「シオ姉」
雫は身内甘えたモードになり紫苑に抱きついて行った。
「あらあら、どうしたの甘えて来て。シィちゃんは可愛いわねぇ。冬夜もいいのよ?」
「いやいや、しないから!」
「そろそろ時間ね、行きましょうか」
紫苑はキリッと表情を変え、雫を抱いたまま入り口へ歩き出した。
呆然としていた2人を促し、俺たちも後に続いた。
入り口で装備を受け取り身に着けて行く。俺と雫は手堅く盾とメイス、竜也は盾と短槍、朱音は弓と長めの短剣である。1年の時に戦闘訓練があり、それなりに扱えるそうだ。
警戒をしつつダンジョンを進んで行った。
「さて最初は誰がいく?モンスターとはいえ殺る時はクるものがあるから、朱音は2番手以降がいいと思うけど」
「オレが行く」
竜也がこちらを向き緊張で顔を強張らせながら言った。互いに頷き合い先に進む。
暫く進むと何かが向かって来る気配を感じ皆に警戒を促した。現れたのは1mくらいの大きさのネズミだった。
「竜也、俺が止めるから横からいけ」
突進してくるネズミを盾で上から殴りつけ動きを止める。
横合いから竜也が槍で一突き、ネズミは黒い塵になって消え魔石が落ちる。
竜也を見ると顔が青くなり震えていた。
俺はゆっくり近づき肩に手を置き話しかける。
「やったな、ゆっくり深呼吸をして落ち着け。手は開けるか?開けるなら槍を置いて座れ」
それを聞き何度も頷きながら槍を置こうとするが、緊張で手が固まってしまった様なので、槍から指を剥がし座らせる。左手で収納魔法を使い葉巻とライターを取り出し、葉巻を咥え火をつける。それを竜也に咥えさせた。
「少し吸って口の中に煙を溜めろ、肺まで吸うなよ。2、3回繰り返せば落ち着くから」
「ちょっと冬夜、未成年に何させてるのよ!」
「違うから、これは薬でサニティスモッグって言うの。宵闇草って鎮静作用のある薬草から作れるんだよ。タバコやマリファナとは違うんだよ」
竜也はプカプカしているうちに落ち着いて来た様だ。済まなそうこちらを見て来た。
「済まない、落ち着いた」
「気にするなよ、初めてで何も感じなかったり高揚する奴はサイコパスだ付き合いを考えたくなる。竜也は正常だ、こればっかりは経験を重ねるしかないんだよ」
「そうね、その為に上級生が付くのだもの」
「新見も吸うか?」
「貰えるかな、あと朱音でいいよ」
朱音にも渡すが自分で火を付けられない様で、雫に付けてもらっていた。みんな落ち着いたので先へ進む事にした。
「紫苑、今日のノルマは?」
「1人1殺、童貞卒業よ」
「乙女が童貞とか言わないでくれ、次は朱音にしてもらおうか、竜也の槍を借りた方がいいかな。長物の方が心理的に楽だから」
しばらく進むと同じ様にネズミが出たので、盾で頭を抑え横からズドン、朱音もプカプカしを数回繰り返した。
最後に雫と一匹づつやったが、頭をメイスで潰したので2人がまた青くなっていた。