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3話

 

 国立探索者養成学院、国内の探索者養成校としてはトップクラスの成績を誇る。国内上位の探索者はほとんどは学院の卒業生であるが、最上位には一人も居ない。

 

 俺は授業を受けながら、自分の知識と学院の教えの擦り合わせを行なっていた。


 探索者は大きく分けて2種類である。神々の加護を受けスキルを使用する加護タイプ、魔力を自身で取り込み魔核を発現させ自力で戦う魔核タイプ。

 

 加護タイプは授かる加護により得手、不得手がある。例えば剣神の加護ならば剣が得意になり魔法が不得手になる。ついでに加護が強化されるタイミングで心体が強化される、要はゲームで言うレベルアップだ。


 魔核タイプは魔核を発現させ、さらに魔核に魔力を吸収させ魔紋と呼ばれる模様を増やしていく。模様一筋増えるごとに発現させる力が増えていく。魔力を吸収すればする程、身体能力と保有魔力が増える。


 単純に強くなるなら加護タイプの方が早い。そしてここは日本、多種多様な神々が信仰されている、故に探索者も多種多様である。パーティを組んでダンジョンに挑むにはちょうど良いのだ。学院はそれを推奨している。


 俺は午後からのダンジョン実習に恐怖を感じていた。魔核タイプだと誰も組んでくれないのでは?ボッチになっちゃう?


「冬夜君お昼行こ〜」


 どうやら昼休みになった様だ。


「食堂でも行こうか、場所どこ?」


「オレも、一緒していいかい?」


 前の席の男子が振り向き聞いて来た。


「雫、いいかい?」


「いいよ〜、私も朱音ちゃん呼ぶし」


「OKだって、えっと…」


「ああ、オレは和泉竜也だ。よろしくな」


「よろしく、じゃあ行こうぜ」


 俺たちは食堂へ向かった。


 

 着いた食堂は立派な物で、食券制ではあるがカフェまであった。俺は焼肉定食とコーヒーの食券を買い列に並ぶ。

 食事を受け取りボックス席に座る、みんなが揃ったところで食べ始める。

 雫が朱音と呼んでいた赤髪の女の子が自己紹介を始めた。


「私は新見朱音で雫の親友だよ、アナタの事は雫から色々聴いてるけど、外見は聞いてたけど以上だわ」

 

「そうかい?髪とか適当だけど」


「冬夜君はもう少し身だしなみ気をつけるべきです」


 竜也が目を見開き驚いていた。


「どうした和泉、驚いた顔して?」


「いや、九条さんの柔らかい表情って初めて見たからさ」


「そうなの?」


「そうねぇ、雫って一部の女子としか話してなかったしね。

告白とかされても『嫌です、不快です、邪魔です』しか返さないし」


「ついた名前が氷の女王様だぜ」


 雫を見る、幸せそうにご飯を食べていた。


「まあ確かに、人見知りだからなぁ

それより午後のダンジョン実習って何するんだ?パーティ編成でハブられてボッチになりそうで怖いんだが!」


「編成はもう決まってるよ冬夜君、私達4人編成だよ」


「そうなのか、楽しみが増えたよ」


 朱音が時計を確認した。


「急いで食べないと遅れるかも」


 その言葉で皆急いで食べ始めた。




 学院にはダンジョンが有り実習に利用されていた。

 日本国内ではダンジョンへの入場は18歳以上になっており、探索者養成校に限り16歳から入れる。なので2年生から実習開始なのだと雫が言っていた。


 ダンジョン前の広場に集合し先生方が説明を始めた。


「今日からダンジョン実習が始まる。パーティ毎に分かれて1層を探索して貰う、初回なので3年から補助が付くわからない事があれば聞くといい。

 ではパーティ毎に集まり10分のミーティング後に装備を受け取り開始だ。質問はあるか?」


 俺は手を挙げ質問をする。


「装備は私物の使用は出来ますか?」


「授業の一環なので学院の備品のみで探索をして貰う。他に無ければミーティング開始」


 俺たちは集まり話し合いを始めた。


「朱音と竜也は何が出来る?」


「アタシは火魔法と回復、武器は弓と短剣かな」


「オレは水魔法と槍だ!」


「2人ともいい加護だな、じゃあ俺がタンクで雫は朱音の護衛で行こうか」


「「「了解」」」


「霧崎君ってなんか慣れてるね」


「そうかい?それより話を進めよう」


 俺たちは細かい打ち合わせを続けていると、上級生らしい女性がやって来た。女性の方を向くと顔が引きつるのが分かった。


「ごきげんよう、貴方たちの担当になった真神紫苑よ。よろしくね、そして帰国したのに本家に顔を出さないとは随分と偉くなったわね冬夜」


「いや待って、なんでいるの?」


「ふふふ、何ででしょうね。まあいいわ今日はよろしくね」


 俺はダンジョンに入る前から精神にダメージを受けていた。




 


 


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