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16話

 ゴールデンウィークも終わり、今日からまた学院が始まる。

 雫と一緒に学院へと向かう、学院の近くで竜也と朱音の2人と合流し4人で話しながら校門をくぐる。

 あまり気にしてはいなかったが、周りの様子がおかしい。こちらを見てはヒソヒソと話をしているのが多い。


 教室に入り席に座る、クラスメイトは遠巻きにヒソヒソしている。雫は気にも留めていないようでニコニコしていたが、竜也と朱音は困惑した様子だった。


「何か変じゃないか?」


 竜也が聞いて来るが、似たような経験は結構あるので気にはならなかった。


「ほっとけばいいさ、その内アホが絡んでくるから。それよりも、これからの事だ。

 竜也、朱音の2人にはインターン制度の申し込みをして貰う。申し込み先はクラン『エンゲージ』で出してくれ。

 それを出さないとFランクのダンジョンに入れない」


「えっ、インターンって3年からじゃないの?」


「いや、2年から出来る。要は受け入れ側のクランが面倒だから2年生を受け入れてないのさ。2年って事はGランクでの育成になるから、クラン側に儲けが出ないんだよ」


「そうなんだ」


 やっと実戦を経験したばかりの生徒のお守りを普通はやりたくない、だからある程度育ち成績で評価し易い3年生から受け入れている。

 クランの裁量でEランクまで引率出来るので、インターンで当たりを引けば優秀な新人をゲットできる。

 生徒の方も良いクランに当たれば、ランクの高いダンジョンに行く事ができレベルアップが見込める。

 

 午後になり実習場へと向かう、今日は戦闘訓練だった。

 相変わらずクラスメイトは俺たちを遠巻きにして見ていた。

 授業が始まり、実技担当の幸田先生が指示を出す。


「今日は1対1の模擬戦を行う、呼ばれた者は前へ。和泉、後藤、ルールは急所への攻撃、殺害目的の攻撃は無し、魔法、スキルは使用可能だ」


 後藤はニヤニヤしながら前に出て来た。


「和泉ィィ、ボッコボコにしてやんよ」


 竜也は無言で立ち上がり、魔力が高まりだす。それを見て俺は焦る、竜也は自分の力を把握出来てないかも。

 そう思った俺は先生を止めにかかる。


「先生、その対戦待ってください。危機過ぎます」


「探索者に危険は付きものだ」


 クラスメイトは笑いながら俺を馬鹿にしているようだった。俺はため息をつき、竜也の方を見る。


「竜也、自分の力を確認してこい、殺すなよ」


「キィリィサァキィィィ、和泉をやったらテメェの番だ」


 竜也は良く分からないっといった表情を浮かべフィールドに出る。

 先生の「始め」の合図で魔核と魔紋が輝く、竜也は身体強化で一気に距離を詰め殴り掛かるが、まったく反応出来ていない後藤を見て、顔では無く左肩を殴りつける。

 バンッという音がなり、後藤は壁まで飛んでいきぶつかって落ちた。殴られた左肩は弾け飛んでおり、腕は皮で繋がっている状態だった。


 幸田先生は青くなり、治療士を呼んでいた。それじゃ遅い竜也に殺しをさせる気か。


「幸田先生、貸し1ですよ」


 後藤に近づき、腕をまっすぐにし上級ポーションをかけて治す。


「竜也、ナイス機転だ!あのまま顔を殴ってたら、首無しの出来上がりだった」


「悪い、全力なら殺してた、そうかオレ強くなってたんだな」


 青い顔をしながらも、どこか誇らしげだった。

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