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15話

 side 雅也


 小学6年生の時、父さんが再婚した。再婚相手の女性はとても綺麗で、連れ子の小夜も綺麗な娘だった。

 隣に住んでいたのは九条雫、青みがかった黒髪に透き通った白い肌、切れ長の目、まさに美少女だった。そんな美少女が義妹の小夜に実の姉妹の様に寄り添っていた。


 中学になり俺は特に努力せずに、運動や勉強も上位であり女の子にもモテた。

 それに男を寄せ付けない雫が、俺の側に居た。

 美しい幼馴染に綺麗な義妹、チヤホヤしてくれる女の子達、俺は物語の主人公の様だった。主人公ならハーレムエンドを目指すべきだと思った、上位の探索者になれば重婚も許される。


 高校生になりエリート校である学院に雫と一緒に入れた。

 1年の時も上位を獲れた、雫とは多少距離が出来た様だが小夜と一緒にいる時は側に居た。

 雫は高校生になって、異性を意識し出して恥ずかしがっているのだろう。

 2年になり小夜も同じ学校に進学し、また今までと同じ様に過ごせると思っていた。

 一週間たち、雫の家に多数の来客がありパーティでもある様だ。

 パーティがあった日から数日、雫は学院に来なかった。

 小夜も何も聞いておらず、どこに居るかも判らないと言っていた。


 そして実習初日のあの日、見知らぬ男と腕を組んで柔かに微笑みながら歩く雫を見つけた。


 教室に入り雫を探すが居なかった、しばらくし教室に入って来た雫を問い詰めた。

 雫は無表情になり何かを言っていたが、訳が分からなかった。言い合っていると突然、冷たい目でこちらを見て、殺意を向けて来た。雫が何に怒っているのか分からなかった。


 どうすべきかと思った時、霧崎と呼ばれていた男が現れ雫を後ろから抱きしめた、雫は怒りを納めディープキスをし始めた。俺は何も考える事が出来ず気が付けば午後の実習になっていた。


 俺のパーティはダチの後藤勇吾、ギャルの笹木玲香、寺島京子の4人でサポートに生徒会長の四条綾音でダンジョンに入った。

 玲香と綾音は俺の女で2人とも既に抱いている、勇吾は京子とデキていた。

 ダンジョン内でイチャつきながらモンスターを探す、しばらくして見つけた。


「最初は俺がやる」


 そう言って俺はラージラットに向かって走る、近づいたところで盾で殴り付け、怯んだ隙に剣で一突きで倒す。

 とても簡単だった。

 それから4人でラージラットを殺しまくってレベルが上がった。力が湧き上がって来る、今ならアイツに痛い目に合わせて雫を手に入れる事ができる。


 ダンジョンから出てパーティで話をしていると、アイツが出てきた。


「霧崎ィィ、俺と勝負しろ。俺が勝ったら雫は貰う」


「あれかな初キルを決めてハイになってるのかな?人権って知ってるか?まぁいいや、コッチも言いたい事がある。たいしてアプローチもせず、気持ちを伝えることもせず、それでいて俺は分かってる見たいな態度気持ち悪いって雫は言ってたぞ。

 あと、人の婚約者に手を出そうなんて、とんだ横恋慕ヤローだな。

 賭けはしないが相手になってやるよ」


「霧崎ィィ」


 俺は怒りに任せて斬り込む、こっちはレベルアップしてんだ、さっさと死ね。

 剣が霧崎に届く前に、右手に痛みが走る。次の瞬間腹に痛みと衝撃を受け蹲る。

 

 霧崎が何かを右手にかけ、よく分からないものを無理矢理飲ませられた。すっと痛みが引いていくが衝撃で体が動かず震えていた。

 霧崎は何かを言って去っていった。


「許さない、絶対に許さない」


 玲香と綾音が駆け寄って来た。


「カッコ悪いところ見せちゃったね、上には上がいるなぁ、俺も頑張らないと」


 そう言って取り繕う、2人は頑張ろうねと言って抱きついて来た。アイツだけは絶対に許さない、俺の物語のじゃまはさせない。

 

 

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