僕の自殺を止めてくれた彼女を、今度は僕が救いたくて2
気づくと僕は学校の近くのカフェにいた。もちろん、さっき出会ったばかりの彼女と。
「ん~この新作のフラペチーノ美味しい!」
彼女は目を輝かせながらピンク色のフラペチーノを飲んでいる。
僕はそんな彼女をよそ目に黙ってアイスティーを飲んでいた。
「ねえ、さっき何しようとしてたの?」おもむろに彼女は僕に視線を向け尋ねる。
やっぱり聞いてくるよな…
「別に…何も」
「えー、そうかなぁ」
とわはニヤニヤと僕のことを見つめる。
「ん。」
そういって彼女はスマホの画面を差し出す。
「QRコード?何の?」
「ライン。交換しよ。」
「は、はあ…」
まあ、断る理由もないし、QRコードを読み込み友達申請をする。
「へー優斗って言うんだ、なんかそれっぽくないね」
初対面なのに失礼過ぎるだろ。 そう思いながらスマホに目を落とす。
とわ、それが彼女の名前だった。
「じゃ、私そろそろバイトだから」そう言って彼女は席から立ち上がる。
バイトって…うちの学校バイト禁止だよな。
「じゃあね」
僕の怪訝そうな顔を気にすることもなく、
「あっそうだ」
「自殺しちゃだめだよ」僕の耳元で彼女はそう囁き、
「ばいばーい」最後に軽く手を振って、彼女はバイトへと向かうのであった。
「なんなんだあの女…」
しかし、別れる頃には僕はすっかり自殺をする気など無くなってしまっていたのだ。