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5

「サイラス公爵邸へようこそいらっしゃいました。本日は、お集まりいただき感謝いたします。」

公爵夫人の挨拶が終わり、穏やかなお茶会が始まった。


「公爵夫人、本日はご招待いただき、ありがとうございます。5年前は、お恥ずかしい姿をお見せしてしまい、申し訳ありませんでした。」

「あら、シャーロット嬢。お久しぶり。いいのよ。あの時は無事で良かった。天使のような可愛らしい女の子から美しい女性になりつつあるのね。」

「もったいないお言葉です。まだまだ未熟なので、より一層励まねばと思っております。」

「あら、謙遜しちゃって、可愛いんだから。では、今日は楽しく過ごしてね。お父様とお母様によろしくお伝えくださいな。」


にこやかな公爵夫人に5年前の謝罪と挨拶を済ませ、サイラス様を探すが、会場には見当たらない。

カイルは、「エイデンに先に会ってくる」と言って、屋敷の中へ入ってしまった。


「シャーロット!こんなところにいたのね。」


声をかけられ、振り返ると親友のエイブリー・ミシェルが立っていた。

ミシェル伯爵が、父の仕事を手伝っていることもあり、ミシェル兄妹とはよく遊ぶ仲だ。


「エイブリー!会えて嬉しいわ!!」

「あぁ!今日も私の友達は可愛いわ!ところで、初恋の人とは会えたの?」


再会を喜ぶ間もなく、エイブリーはおしゃべりに花を咲かせながら辺りを見渡す。


「まだ……」

「そう……」

私の初恋を知っているのは、お母様とエイブリー、ミアくらいだ。

お父様にはばれていないはず。


「それにしても、サイラス兄弟って美しい兄弟として有名じゃない?もぅついにあなたの初恋の人を見ることができるね!なかなか他のお家のお茶会には参加されないし、今日はクラウスお兄様についてこられて良かったわ!」


ミーハー心に火のついたエイブリーは、いつもよりソワソワしている。

親友の可愛いらしい姿に微笑んでいると「屋敷の入り口の方が賑やかね。いらっしゃったんじゃない?」と言って、エイブリーは屋敷の方を指差した。


視線を移すと女性に囲まれるエイデン様とカイルが見える。

会いたい人物ではないと視線をそらそうとしたら、カイルに呼ばれてしまった。


「シャーロット!!こっちこっち!」


周りにいる女性の視線が痛い。

人は視線だけで、人を殺せるのではないだろうか。

性格に難はあるが、無駄に顔の良い従兄を少し恨めしく思う。


「……シャーロット、カイル様の空気の読めなさは今に始まった事ではないわ……」


残念なものを見る目をしたエイブリーに慰められてから、送り出された。


「やぁ、久しぶりだね。シャーロット嬢。」


人当たりの良い笑顔でカイルの隣に立つエイデン様に挨拶をされる。


「お久しぶりです。エイデン様は、さらに格好良いお兄様になりましたね。」

「君にそう言ってもらえて、嬉しいよ。」


エイデン様がふわりと、微笑むと周りの女性陣が「ほぅ……」と感嘆の声をもらした。


「では、シャーロット嬢、僕は少し挨拶回りをしないといけないので、一旦失礼するよ。カイルも後でね。」


カイルと一緒にエイデン様を見送った。

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