表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について  作者: 水定ゆう
魔術運動会編1

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/721

91.ライラックの糸②

爪vs糸って地味じゃねぇ?

 爪が爆発的の伸びた。

 普通に、何の気もなしに言おう。

 ライラックは、その光景を見てこう思った。


「爪を伸ばして武器にする魔術って、普通にキモいよね」

「偏見だな」

「爪を伸ばすのはいいと思うけど、それを武器にしてしかも自由自在にうねうねするのは、誰が見ても気持ち悪いでしょー」


 爪が伸びることではない。

 爪が鞭のようにうねうねしていることが、怖かった。

 しかもそのたびに、血管がぴくぴくと見え隠れしているのが、何とも不気味だった。


「へぇー。そんな感じで来られると、私もやらないとねー」


 そう言いながら、ライラックは糸を張り出した。

 今度の糸は硬めだ。

 しかも、長くて丈夫。保ちもいい。


「今度は見える糸か」

「うん。この糸、《鋼鉄の糸》は丈夫で硬い。その上、痛い。だから見えるようにしているんだよね」


 ライラックはほくそ笑んだ。

 まるで裏があるみたいで、警戒心の強い男は、苦笑いをしながら、周囲を確認する。

 今度はなにを考えているのか、怪しくて仕方ない。


「悩んでも仕方ないか。叩き潰す!」

「やってみてよー」


 ライラックはおちょくっていた。

 しかしその指先は真剣で、分厚くて丈夫な硬い糸が、薄くて硬い滑らかな鞭のような爪に対抗する。

 その時の音は軋みように、下手に甲高い。


 キュイーン! ——

 カキーン! カキン、カキン! ——


 音だけではない。

 甲高い音はマッハを越え、周囲を痛めつける。

 ここはただの路地。普通に人が行き交うので、建物が欠けていくと、皆んな頭を守りつつ逃げだす。


「もうー、こんな危ないことしてたら、町の人たちから苦情が来ちゃうかもよー」

「知るか。どのみち、この事実を知った相手は全員殺す」

「それは物騒だよー。もうちょっと、相手は選んで確実にやらないと、関係ない人まで巻き込むような人ってー、私あんまり好きじゃないんだよねぇ!」


 ライラックは糸を掴んだ。

 グイッと引き寄せたかと思うと、男の爪を糸で束縛する。

 鋭くなってはいないので、爪が抜けない。


「なにっ!」

「あれれ? 特徴は、一つしか与えられないのかなー?」

「くそっ!」

「かなーかなー?」


 完全に舐め腐っていた。

 男は苛立ちを見せたが、ライラックは糸の先に掛けた建物の破片をくっつける。粘着性の高い、《粘着の糸》だ。別名、絡めの糸ともいう。


「これが何かわかるかなー?」

「建物の破損した一部か」

「そうだよー。でさー、これを糸の先にくっつけて、こうやってぶんぶん振り回して遠心力を加えたらどうなるのかなー? かなー?」


 男は嫌な顔をした。

 何故か、それは単純明快。男はこの先の展開を読んでいた。

 完全にライラックのペースになっていることを、踏んでいたのだ。


「やってみろ。お前の考えは読めている」

「そっかー。じゃあさ、せーのでいくよー!」

「はぁっ!」


 と言いつつ、「せー」ですでに投げつけていた。

 高速で飛んでくる糸付きの建物の瓦礫。男は回避しようとした。しかし爪が邪魔で逃げられない。

 それを悟ると、受けることにした。顔でなければ筋肉に力を入れて、硬くすれば大抵は防げる。しかし男の予想は違った。


「ぐはぁ!」


 男の顔に瓦礫片が直撃した。

 痛いではない。頭からは血を流している。流血したまま、重症だった。

 しかし何が起きたのか、男は糸が離れたと解釈した。


「わかっていると思うけど、途中で切り離してたんだよ」

「あっ、あっあっ……」


 男は鼻を抑えている。

 しかし、ここまでの攻防は完全に互角とは言えない。そこで男は周囲に目を配ると、この地形を使うことを思いついた。

 ニヤついた笑みが零れると、ライラックは指先を震わせながら、最終工程までの道筋を辿っていた。そう、既にライラックはやりたいことを済ませつつあった。でも男は気づけない。


少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねなども気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ