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1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について  作者: 水定ゆう
魔術運動会編1

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86/829

86.シルヴィアの風①

ここから4話連続このタイトル。

ちゃんとしたガチバトルです。

  シルヴィアは暴風を操る男と戦っていた。

 彼はそんなシルヴィアに舌なめずりをしており、シルヴィアは顔を顰めて、怪訝そうな表情を浮かべる。


「まさか俺の暴風を止めるなんてな。敬意を表してやるよぉ」

「そういうこと、要らないわ」

「そう言うなよぉ。俺様の名前は、ボーフィー。嬢ちゃんはー?」

「気持ち悪いわね。教えるわけがないでしょ」

「それもそうだなぁー。まあいいけどよー。どうせ、ここで死ぬんだからな」

「死ぬ? それは嫌よ」

「そう言っているのも、今の内だなぁー。巻き起これ、俺の暴風!」


 ボーフィーは、両手を天にかざした。

 すると瞬く間に、無風だったはずが風が巻き起こり、シルヴィアの周りを取り囲んだ。

 まるで逃がさないようにしているみたいで、渦巻いている。


「この風、これが暴風!」

「俺様の暴風の中で踊りなぁ!」

「そうはさせないわ。もう一度散りなさい!」


 そう言いながら、再び風を散らそうとする。

 しかしできなかった。

 あまりにも強大すぎて、魔力を解くことができなかったんだ。


「嘘でしょ! こんなに強い風なんて!」

「嬢ちゃんも、風の魔術を使うなら覚えておくといいぜ。風はな、運ぶものじゃない。作り出すもんなんだよなぁ!」


 どんどん強さを増していく。

 このままだと本気で危ない。

 それを悟ったシルヴィアは、まだ完全に暴風圏ができる前に、抜けることを思いつく。

 そうなると、やることは一つしかない。


「主を迎えるは火の窓。我が手に焔の糧—《ホムライア》!」


 この魔術は少し特殊だった。

 ルカの教わった魔術で、釈然としないけど、自分では到底計り知れない高みにいると感じていた。

 そんな彼女から教わったシルヴィアの弱点を補うために、東洋系の魔術を応用した形を教わったんだ。


「そりゃぁ!」


 ボフッ! ——


 風の幕に穴が空く。

 そこからシルヴィアは—で逃げ切ると、暴風圏はたちまち崩壊した。

 理由は至ってシンプル。風は空気の動きだから(・・・・・・・・・・)だ(・)。


「な、何がどうなっているんだぁ!」

「簡単な話よ。風は空気なんだもん、暖めたら気温に差が生まれるでしょ?」

「気温だと? それに何の意味があるんだぁ!」

「えっ!? 風を操る魔術師なら、その原理ぐらい知っていないと駄目でしょ。貴方、一から魔術を磨き直した方がいいわよ?」


 シルヴィアはでたらめな挑発をしてみた。

 これぐらいなら、ただ煽っているだけで、笑って済ませられるのが、関の山かと思いきや、まさかまさかの敵は乗ってきた。

 いや、普通に怒っていた。


「なんだぁ! 先生ぶりやがって、俺はそう言うのが一番嫌いなんだ」

「そう? でも勉強は少なくてもしておいたら、自分のためになると思うけどね。私は、せめてせめて授業もろくに聞いていない子には、流石に負けてくないけどね。そう、負けたくないのよ!」

「なんでお前がキレてんだぁよ!」

「いいでしょ。少し黙ってて。大体、私がどれだけ努力していると思っているのよ。そもそも風の魔術は師匠に褒めてもらった私の希望なのに、まだまだ師匠に届かない私に腹が立つわ。もっと、この風を極めて好きになって、絶対に師匠に届きたいんだもん、こんなところで負けてられないのよ」

「ごたごた言ってんじゃねえ」

「そっちもごたごた言わないでくれる! 今は私のターンなんだから」

「・・・駄目だこの嬢ちゃん。怒らせたら、駄目系なんだぁな」


 ボーフィーは本当はだらだらしていて、しかし自信家の短気。

 しかし普段は吐露しないシルヴィアの不満が、風を冒涜したことで弾けてしまい、そのペースを完全に奪われていた。

 それからしばらくの間愚痴を聞き続け、彼の頭はこんがらがってしまった。そう、間接的にシルヴィアは相手の戦意をがっつり削っていたのだ


祝日を含んだ連休どう過ごしてますか?

10月には個人的に好きな話を投稿しますよ、多分。

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