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1000年ぶりに目覚めた「永久の魔女」が最強すぎるので、現代魔術じゃ話にもならない件について  作者: 水定ゆう
魔術運動会編1

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72.ナタリーの晩酌①

今日は千年振りは書いていません。

正直長いですよね。長いんですよ、本当に。

ちなみにこの話に①とありますので、また出てきたら尺稼ぎかも。読んでくれると嬉しいなー。

  夜が蔓延として世界を飲み込んでいた。

 二階の自室で、百年ものの赤ワインの栓を抜くと、ワイングラスに注ぐ。

 とぼとぼと心地よい音をさせた。


「はぁー。今宵の世も、静かですね」


 窓の外を見ながら、女性が胸の奥から呟いた。

 彼女は、ナタリー。

 本名は、ナタリー・ルラン。たびたび偽名を使うが、そのほとんどはナタリーで通している。


「それにしても、一人で飲む酒はこんなにものど越しが悪いのですね。もっとも、私は一人が嫌いではないのですが」


 本当は森で飲みたい気分だった。

 しかし今日はその気分ではない。

 今宵は月が綺麗だった。


「今宵の月は綺麗ですね。それにしても、このような時はよくないことが起こるような気がして、なりませんね。ですが、明日はめげられません。彼女に頼まれてしまいましたからね。一度お会いした際に、声は掛けてみましたが、どうでしょうか」


 ですが、これがきっかけで起こったことは露知らずとは言えません。

 しかし、彼女が他人に公言するようなことは決してない。

 だからこそ、裏切り者がいるのは明らかで、おそらくあの者の中にいるはです。


「ですが、おそらく大丈夫でしょう。ルカさんは、普通ではありませんからね」


 にこやかな表情を浮かべて、ワイングラスに口を付ける。

 喉の奥をすんなりと赤い液体が流れ込みました。

 今日のワインはかなり飲める。別に弱いわけではないが、何故か嬉しかった。


「そう言えば、この月を見ていると、彼女のことを思い出してしまいますね」


 ナタリーが空を見ていると、一人の魔法使いのことを思い出してしまいました。

 それからもう一人。季節外れの流れ星を見て思い出します。


「あの二人は、今頃まだ宇宙でしょうか。月の魔法使いも、流星の魔法使いも。本当、人間を捨ててまで、宇宙(そら)に臨むものがあるのでしょうか」


 ナタリーはエルフです。

 たくさんの種族が存在するこの世界で、宇宙と言う未知の領域にまで進むことはしませんでした。

 それは恐れを通り越した、斜に構えた状態でしかありませんでした。


「でも、ルカさんは宇宙に興味はあるのでしょうか? 私にはわかりませんね」


 などと問いながら、一人ワイングラスに口を付けます。

 テーブルの上には、多く作り過ぎて、現在進行形で、酒のつまみに成り下がった、ビーフシチューが置いてあります。

 この中にも赤ワインを少し入れてみましたが、コクがあっていいですね。


「少し冷めてしまいましたか。でも、これぐらいがちょうどいいですね」


 などと口を滑らせます。

 それよりも問題の明日。それに備えて準備をしなければなりません。

 そこでナタリーはある考えを抱きました。かなり大変ですが、仕方ありません。


「ですがとなると、誰かに責務を任せることになってしまいますね。そうすると、彼女が一番でしょうか」


 ナタリーの頭の中には、一人の魔術師の顔が思い浮かびます。

 今から行ってもいいでしょうか。などと考える前に、体が動いていました。

 今夜はまだ明けません。


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