6.アルカード魔術学校
ここまでがプロローグ。お疲れ様でした。
アルカード魔術学校は魔法都市マギアラにあった。
ルカはナタリーと一緒に豪華な竜車に乗って移動していた。ナタリーを前にして黙り込むルカ。しかしナタリーはルカに話しかけた。黙り込んでいた均衡を壊したのはナタリーだった。
「ルカさんはいつごろから転入を希望されますか?」
「いつでもいいよ。でも単位とか取る必要があるでしょ?」
「それならご安心を。ルカさんには必要のないものですから」
ナタリーはそう言い切った。
しかしルカには伝わらない。ましてや首を傾げ、目を丸くするではないか。
「必要ないって?」
「アルカード魔術学校は十三歳から入学ができるんです。ですがそのうちの二年間はほとんど意味を成しませんから」
ナタリーは何処からともなくティーカップを出現させると、紅茶を注いだ。
ルカにも同じように手渡す。
「どうぞ」
「ありがと」
ナタリーは紅茶を啜る。
それからルカに話し始めた。
「ルカさん。アルカード魔術学校は最初の二年間は一般教養を学ぶ場でもあるんです」
「一般教養? つまり皆んな言葉が解るってことだ。いい世の中になったね」
「全くです。平等かつ、誰にでもチャンスが与えられる。殺伐とした血生臭い空気もない。時代はいい方向に傾いたんですよね」
何故だろう。時代の波に取り残されたような空虚感がルカに満ちる。
しかしナタリーの話は終わらない。もう少し概要を聞いておこう。
「アルカード魔術学校では、三年目から多くの魔術師の卵たちが通うんです。それこそ世界中から受験者が来ますね。ですがなかなか難しいのですが、毎年特待制度を設けていて、受験に間に合わなかった生徒や見込みのある魔術師の卵たちを学校に入学させているんですよ」
「そうなんだ」
「ですからルカさんを学校に特待生として入学させます。ただ、私名義にすると色々な反感を買うことになるので、ここはルカさんに転入してもらうクラスの担任の方からの推薦と言うことにしておきましょうか」
「そんなことしていいの?」
「職権乱用上等です。何かあれば私がボコしますから」
「それはやめておいた方がいい。ナタリーは二つ名もちの魔法使いだからね」
「今は真樹の魔術師を名乗っていますが」
「そこは相も変わらずか」
よっぽど気に入っているのか、誇らしげだった。
二つ名何て昔の名残。ただの呪いを課した戒めだった。しかしその事実を知っているものは少ない。
「そう言えば私のクラスの担任って?」
「ルカさんがよく知っている人物ですよ」
「私が知ってる?」
そんな人が生きているのか。正直あやふやになった記憶を辿るも、思いつかない。
しかしナタリーと面識があるとすればかなり限りがある。
そこで一人だけ思いついた。
「まさかとは思うけど、あの子じゃないよね?」
「あの子ですよ」
「マジ?」
「はい。あの子は相変わらずですが、実力は織り込み付きですからね。私の知る限り、この手の分野で彼女の右に出る者はいません」
「そっか。それはちょっと楽しみ」
ルカは笑みを浮かべた。喜んでもらえて嬉しいのか、ナタリーも自然な笑みを浮かべた。
そんな中、ナタリーの竜車はブティックに停まった。
「ここは?」
「ルカさんの制服を見繕うんですよ」
「えっ、今から!?」
「はい、今からです。ルカさんには今から一週間でこの時代の文字や社会情勢を覚えてもらわないといけませんからね」
「えっ、ちょっと待って!」
「はい?」
ルカはナタリーを呼び止めた。
振り返り際。ルカは、
「全部?」
「はい全部です。ですがルカさんならできるはずですよ」
かなり過信していた。
この期待はとてもじゃないが重たい。そこで顔を顰めるも、ルカは一週間でマスターしていた。
そして一週間後、ルカは魔術学校の門をくぐった——
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