53.練習風景①
あー、あはははは。はぁー。
ルカがクラスメイト達から称賛される中、中庭では、クラスメイトたちが、運動会に向けて練習をしていた。
そもそも、運動会の競技とは一体何なのか。ルカはまだ知らなかった。
そこで、
「見てよルカ。皆んな頑張ってるよ」
「うん。頑張ってるのはいいけど、あれは何をしてるの?」
「何って、玉入れよ?」
シルヴィアはルカを連れて中庭にやって来た。
そこにいたのはクラスの代表たち。
運動能力に優れ、剛腕で戦うギルレス。彼は《ブースト》が上手く、頼りになる存在。それこそ、アタッカーです。
「ギルレス、これ頼んだよ」
「任せてくれ。おんどりゃぁ!」
うちのクラスのスピードスター、アレックス。
彼は、《ソニック》や《アクセル》などの、スピード系の魔術が得意で、高速詠唱を得意とする。
「じゃあ僕は、次の玉を回収してくるから。こっちは頼むよ。ビビュン!」
「任せておいて。《ツインバレル》!」
アレックスから受け取った玉を、餅みたいにくっつけた。
それを放り投げる少女は、ペタン。両腕に装填した玉をまるで樽を抱えるみたいに投飛ばして、一気に籠の中に叩き込む。
ネットが急激な重さを受けて倒れそうになるが、それを支えるもう一人の力自慢、
「ゴス!」
「いいよいいよ、ゴレイン。じゃあ僕も、そりゃ!」
小柄な獣人の少年は、大柄な少年の肩を借りて跳んだ。すると、玉を押し出すようにしながら、次々に籠の中に叩き込む。
その間大柄な少年はその横に広がったガタイのいい体を利用して、皆んなを支える。
二人の少年は、ゴレインと、マーチス。とても仲が良かった。
しかし、ルカはこの状況を茫然と眺めていた。
何故なら、ルカはこの競技を含めて概要を知らないまま、さらには初見で見ていた。
「これって、何をしたらいいの?」
「何って、見たら分かるでしょ?」
「そうかな?」
「そうでしょ? あの籠の中にたくさん入れたら勝ちなのよ」
それを聞いて、ルカはこう思った。それこそ、元も子もないようなくだらない発想だったので、自重する。
「じゃあ普通に手で持って投げれば……」
「馬鹿ね。あの玉、一つ一つが一キロぐらいあって、おまけに本番はもっと高い位置なのよ? 距離も離されるし、魔術を使わないと」
「そうかな?」
ルカは聞き分けが悪かった。
何故なのか。その理由は実際に見せれば、判るだろう。それこそルカは、少ししゃがみ込んで、
「要するに、遠い位置から投げて、さらには一つ一つが少し重たい。安全を考慮した結果、そうすることにしたってことでしょ?」
「そうよ」
「でも素手で投げる行為は許されている。ってことはつまり、手のひらに集める魔力や、腰や足の軽減に使う魔力は必要ないってことだよね」
「そ、それはそうだけど……」
「じゃあこれでよくない。ほい」
ルカは落ちていた玉を拾い上げる。しかも軽々とと言った感じで、手の中には三つの玉が重さの概念を吹き飛ばして、持たれていた。それから何をするのかと思えば、軽々と投げ、同時に投げたことで、空気圧で、玉が一つになっていて、そのまま投げていた。
しかも入らないわけがない。
ルカの投げた玉は、皆んながやっている距離よりもかなり遠い距離から、投げたにもかかわらず簡単に入っていた。
「う、嘘でしょ?」
「ね、言ったとおりでしょ?」
「な、何か魔術を使ったのよね?」
「ううん、筋力と気合と、呼吸法?」
まるで武闘家の言い方。
それこそ、ルカは魔法だけではない、生き残るために、武術ではないが、独自の呼吸法を編み出していた。
それこそが、
「呼吸法?」
「うん。基本的な精神の統一化や、呼吸のリズム、筋力の使い方に、あえて魔力を絶つことかな」
「そ、そんな無茶苦茶な。それじゃあ魔術師って」
「言わないよねー」
ライラックが締めに入った。それを聞いてシルヴィアは落胆して溜息を吐いていた。それこそ、大きくだ。
しかし肝心のルカは、なんてことのない感じで、動揺すらしないんだ。
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