48.決闘を遮るもの
ちゃんとしたルカのバトル。
広場ではない。少し開けただけの、ちょっとした通りなのに、町の人は皆んなが皆んな、慣用的で、私達に譲ってくれた。そんな時代の変化をルカは不思議に思いつつ、決闘の場に参上。スプラを待った。
よく言えば挑戦的、悪く言えば無謀。
きっとナタリーなら、ルカのことを応援し、スプラのことを同情で目を背けるだろう。
「さあ、行きますわよ。主を迎えるは水の扉。忘我の如く、ただのたうて。—《アクアカース》!」
《アクアカース》。
かなり面白い魔術で、怒りを激昂に変えて、水を高速回転。右回りの水が、一種のスパイラルを起こして、打ち出される、心の重複が必要な魔術。中級程度のものだった。
しかし、
「ふぅ」
ルカは一息吐いた。
瞬時に水は空気に触れて、消えてしまった。単純に空気にルカの放った無効化系の妨害魔術が反応したんだ。この魔術は、ルカが起きてから一番最初に会得した魔術だ。それをまじかに見た彼女、スプラは、
「な、なに!? 何が起こったのですの!」
「もしかして知らない? 《アンチスペル》」
「あ、あ《アンチスペル》!」
「そ、そんな驚く?」
「驚きますわ。そんな珍しい魔術をこの歳で使えるなんて。って、それは上級魔術ではないのですの!」
「そうだよ。でも怪我させない前提だから、別にありでしょ?」
「な、まあいいですわ!」
いいんだ。スプラはかなり大人な様子。
おそらく、こけにされたとかじゃなくて、単純に怪我させない新庄に感銘を受けたらしい。それなら、嬉しい。
「そっか。ありがとう。じゃあさ」
「きゃぁ!」
「そっちは違う。囮だよ」
「えっ!?」
建物の合間を行く。
眩い。大いに眩い。
ルカの放ったのは、微弱な電気。
壁伝いに、電流が駆けると、スプラの視界を奪い、また左右から時間差で襲う電気。
これぞ、《エレクトリックマウス》の、おしゃれな使い方。
「《エレクトリックマウス》を、無詠唱で! 貴女、本当に同い年ですの!」
「うーん。無詠唱なのは、根本の差かな?」
ルカは人差し指で、電気を操ると、スプラのブーツに触れた。
革製ではあるが、そのまま破裂した。
スプラの視界は奪われて、得意の拳を叩き込もうとするも、スプラは、
「甘いですわ!」
その場から一気に後ろに避けた。
跳ぶようにして、その場から勢いよくルカを避ける。
しかし、その動きは的確に距離感を把握しつつ、距離を開けていた。この動き方は、かなり上手い気がする。
ルカは感心した。
「やるね。発光をアクションに、そこから次の動きを把握する。それから、水の魔術。今のは、《ブルージェット》かな? しかも無詠唱じゃないか」
「ふふ。私だって、このくらいはできますわよ。こう見えて、ブルーウェブ家の人間ですもの」
ルカは知らない。
しかしその絶対的な重みを乗せるのは仕方ないこと。何故なら、ブルーウェブ家は、水の魔術師の家系。
無詠唱でも、水系なら余裕。それぐらい、水の魔術師としては有名な貴族で、【血統魔術】と呼ばれるものがあるそうだ。
だけど、
「ブルーウェブが何か知らないけど、私は全力で倒すよ」
「望むところですわ」
ルカはブルーウェブを、スプラは【血統魔術】の真実を。
お互いに、知らないのだ。
だからこそ、二人は全力? で相手にしていた。
そんな中、
「主を迎えるは水の扉。穿つ槍となりて、敵を討て。—《スプラーシュランス》!」
「《ブースト》」
二人の魔術が激突する。
ルカの拳が、スプラの槍が。互いにかち合おうとした瞬間、
シュン!——
煌めく。
二人の間を狙うように、いや、スプラを狙い撃つみたいに、何かが煌めいたんだ。
「ふん」
「えっ!?」
ルカは軌道を変えた。
水の槍が蒸発して、水蒸気の幕を張り、その中でルカは・・・
「これって、矢? しかも毒矢だ」
この手でつかんだもの。そう、素手だ。
紫の液体は、毒で、ボウガンの矢を掴み取って、理解が追い付いた。
少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。
下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)
ブックマークやいいねなども気軽にしていただけると励みになります。
また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。




