43.シルヴィアの休日⑥
これにてシルヴィアのサイドストーリーはおしまいです。
ご拝読、ありがとうございました。
二人は帰ってきた。
今日は色々あったなと、ベッドに倒れ込む。
うつ伏せに倒れ込んで、考えたのは、あれからひったくりを捕まえて、事情を聴かれた時。
「まさかこんなに、時間がかかるなんて」
「ほんとだよねー」
二人はぐったりだった。
ただひったくり犯を捕まえただけじゃない。
あの町のレストランも取り締まっていた騎士たち。しかも王国から派遣されたエリートだった。
「あんなに時間を取られるなんて……」
シルヴィアは溜息を、
「もうこりごりだよねー。だって、二連チャンだよ?」
ライラックは項垂れる。
そんな折、二人は玄関先で、ベルが鳴ったのを聞いた。
ガチャ!
家の両開きの扉が開く。
この家にはメイドがたくさんいる。その誰かが開けたんだろう。
シルヴィアたちは出ることもできずに、ぐったりだった。
けれど、
コンコン!——
「「えっ!?」」
シルヴィアたちのいる部屋が、ノックされた。
「シルヴィア様、ライラック様、失礼します」
二人のいる部屋に入って来たのは、メイド長だった。
何人かいるメイドの中で、一番テキパキ動くけど、一番無表情な女性。
灰色の長い髪が特徴的な、若干二十三歳の女性魔術師だった。
「リューラさん」
「なーに、その手に持った白い箱?」
二人の目線は違った。
誰に対しても、たとえ家のメイドだとしても丁寧にさんを付けるシルヴィアと、持っていた荷物に目を向けるライラック。
しかし、
「はい。こちらは学校の方から届いた荷物になります」
「学校から?」
「うげぇ」
「どうかなさいましたか?」
「いやーねー」
シルヴィアは首を傾げるだけだった。
しかしライラックは、あんまり学校が好きじゃないので、嫌な顔をする。
そんなライラックだったが、シルヴィアが箱を受け取って、見て見ると、お互いの名前が書いてあった。しかも宛名はまさかの、ナタリー校長だった。
「ナタリー校長先生から!」
「ますます不審なんだけどー」
しかしいざ受け取ってみると、意外に軽い。
真四角の白い箱。
完璧すぎる正方形だった。
「四角いわね」
「四角だねー」
十五歳とは思えない感想の無さ。
そんなことはどうでもよく、箱を開けると、中から出てきたのは、黒い服だった。
「何かしらこれ? コート?」
「にしては変だよね。これ、半分取ったら、ジャケットになるよ?」
「しかも、ネクタイまで付いてる。私のは、カチューシャかしら?」
「こっちは手袋だよ? 人差し指だけ空いたー」
二人は困惑していた。
それらはスチームパンクなコートで、しかも特殊な天然糸で編まれていた。
この素材は、隠密性と、魔力の絶大な信頼が置かれる、今の時代、手に入らない代物だった。
「これ、魔力の通りはいいのに、相手からの魔力伝達が遮断されてる」
「ってことは、強い?」
「そうね。でも如何してこんなものが……」
しかし二人には分からなかった。
残念なことに、ぬか喜びに終わらないか心配だったが、同封されていた手紙によると、
『この間の活躍見事でした。こちらは餞別の品です』
と、書かれていた。そこに頭を悩ました二人だったが、受け取ってしまった以上、返すのは悪いと思っていたので、そのまま受け取ったが、やっぱり分からずに、家でも頭を抱えた。
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