142.ブルーベリージャム
ブルーベリーって好きですか?
ちなみにトーストを私は食べません。
ルルブはルカにお店の案内をしてくれた。
お店の中にはブルーベリーの甘酸っぱい匂いがしている。
そのことに気が付いたルカはもっと深みのある香りがしたのに気付いた。
「この匂いって、パンですか?」
「よく気づきましたね。確かにうちはラスクを作っていけるけど」
「ルカさん凄いですね」
「ブルーベリーの奥に砂糖の甘みを感じたんだよ」
「それが凄い……って五感が発達しているのかしら」
どうやら褒められているのだろう。
ルカは素直に喜べなかったが、五感が優れているのは単に敏感になっているからだろう。
すると、ルルブさんは奥から出来立てのラスクを出してくれた。
「はいこれ」
「いいんですか?」
「うん。試食用に焼いていたものだから、ナタリーもどうぞ」
「いただきます」
ナタリーもラスクを貰った。
できたてなのでまだ熱い。それに砂糖もまぶしてあってザラザラしている。
ルカは前歯で砕いた。
そのまま口の中に放り込むと、甘みと一緒に良い触感がした。サクサクで美味しい。
「うわぁ、ルルブ美味しいよ」
「よかった。でもこのラスクがもっと美味しくなる、魔法のアイテムがあるのよ」
「魔法のアイテム?」
ルルブさんはそう言って、ショーケースからブルーベリーの瓶を取り出した。
しかもかなり品質の良いものだ
もしかしてこれを買わないといけないのかな。
「うちで作っている特製のブルーベリージャムなのよ。芳醇な酸味が溜まらなく甘みを引き立てるのが特徴で、このジャムは特に甘みと化合すると口の中でまろやかになるのよ」
「でも値段が高いですよね。だってこれ、一瓶で25万ですよ」
「うふふっ。でもその分、味は絶品なのよ」
ルルブさんは完全に商売人の目で見ていた。
ルカは流石に買わない。
もっと安いジャムでいいので、適当に手ごろなものを買う。
「この500ジュエルのものを4つください」
「それでいいの? ナタリーさんはもっと買ってくれるのに」
「私はそんなに買いませんよ。でもこのラスクは美味しいですね、いくらですか?」
「うちはラスク屋さんじゃないんだから、1000ジュエルよ」
ルルブさんは残念な顔色をした。
するとラスクを1キロで出してくると、ルカはお金を払った。
かなりいいお土産ができたので、ルカは満足してお店の外に出た。
しかしナタリーは何やら話しをしていた。
「しかしこのお店、流石にいいものが揃っている。でも高いね」
ルカの買ったジャムは品質もそこそこのもので、白い箱の中に入っている。
買ったジャムとラスクを異空間に放り込むと、両手を開けた。
しばらく町並みを見ていると、ナタリーがお店から出てきた。
「お待たせしました、ルカさん」
「ううん、待ってないよ」
それほど時間も経っていない。
ルカは町並みをぼーっと眺めていると、時間が経つのも忘れてしまった。
不意にナタリーの手元に目をやると、たくさんの荷物を持っている。
一体どれだけ買ったのか。
ルカはナタリーの爆買いを見た。
「凄い量だね。一通り買ってきたの?」
「はい。知り合いの方々に頼まれていたんです」
「学校の先生方に贈るんですね。それでその量……なるほど、さっきのジャムを進めてきた理由がわかったよ」
ルルブさんはルカのことをお金を持っているからと思い、ジャムを見せたのではない。
ナタリーが買ってくれると思ったんだ。
だけどルカが断ってしまったせいで、話しが途中で打ち切られてしまった。
それで不機嫌になったんだ。
「あはは、ちょっと悪いことをしたかも」
「ルカさん」
「なに?」
ナタリーは金色の瓶を取り出した。
それはさっき見せられたジャムの瓶だ。
「これって25万のブルーベリージャム?」
「はい、私からルカさんにです」
「いいの、貰っても?」
「はい。代わりに、この荷物を……」
「わかっているよ。異空間に仕舞っておくね」
ルカは異空間の中に荷物を放り込んだ。
すると、ナタリーはルカの魔法を見てしみじみと思う。
「ルカさんの魔法はやはり突出していますね」
「褒められているんだね」
「はい、もちろん褒めていますよ」
ナタリーはにこやかに言ってくれた。
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