第1話 姫勇者のプロポーズ 3
「あーーーーーーーーーーー!!!!!」
レーヴ王国1万メートル上空。ヨシトはどうしようもない状況を何とかしようと必死だった。杖が頭を小突いた瞬間、謎の浮遊間から解き放たれると一気に重力を感じた。
下を見ると大陸が見えるがそこまで大きくないように感じてしまう。それが意味する事実を知覚した瞬間、そこまでの距離を思い絶望に襲われたが、自分が今まで達したことの無い速度に達していく感覚に何も考えられなくなった。約数十秒後、自分は地面に叩きつけられ死ぬ。何とかしようにもどうしようもなく、もがいていると何やら円形の競技場らしきところに大勢の人がいるのが見えた。何とかそこには落ちないよう祈るもも何故か寄っていってしまっている。大方声の主が何かしているという事は察しがつくが、これは洒落にならない。
避けてくれ!—————
祈りも通じず。ヨシトは闘技場のアリーナ中央、二人の男の間に墜落した。
自分は生きている。巻き込んでしまった男たちも気絶しているが目立った傷はなさそうだった。土煙が舞っていた為周りの様子はわからないが、ともかく生きながらえたことに安堵していると。
少し風がいつもより冷たく感じた。
体を確認すると衣服を着ていないことに気づく。衣服になるものはないかとあわてて周りを確認していると土煙が払われた。