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第7話

心からの訴えも、アルフォンスにはいまいちピンときていないようだった。

「敵?なぜ令嬢が敵になるんだ?誘ってくるのは男の方だろう?」

ああ、だめだ。この人、分かっていらっしゃらない。

「違うんです!」

私は夢中で解説した。

「いいですか?女の怒りの矛先は、フラフラする男にではなく、誘惑した相手の女に向くんです。私が思うに、大抵の場合、男性の方が単純で、女性の方が打算的だと、なんとなくみんな思っているからでしょう。ちなみに、フラフラする男性は、ズルい言い訳をなさるので、ますます相手の女性が窮地に立たされます。嫉妬心ほど厄介なものはないんです!」

前世で得た真理である。

ちなみに、女性がフラフラした場合は、「尻軽女」の烙印を押され、やっぱり女性が悪者になりがちだ。

そのへんの心理は、女を自覚する十代から、いい大人になるまで、基本的には変わらない気がする。

「その点、アルフォンス様は、婚約者であるエリーゼ様公認ですから、超安パイ・・違った、安心して誘えます。」

多少言葉はミスしつつ、力説しきってアルフォンスを見ると、唖然としていたが、ふっと笑った。

(笑ってる?)

「ふーん。なるほどな。」

先程までとは若干違う声色。

少し違和感を感じて伺えば、落ち着いた瞳がこちらを真っ直ぐ見つめている。

「一緒に行ってもいい。だが、俺にも条件がある。」

チャンスだ。

他に道がない以上、これを逃してはいけない。

「なんですか?私にできることなら、お受けしますわ。」

食いぎみで聞くと、アルフォンスは、今度は満面の笑みでにっこり笑った。

「俺と、婚約してくれない?」

えっ??

私は一瞬、フリーズしてしまった。

予定に、ない。

「こちらにもいろいろ事情がある。君がもし、僕の提案に乗ってくれるなら、少なくとも学園生活が終わるまでは、パートナーに困ることはないと保証するよ。噂にはなるかもしれないが、エリーゼ嬢も敵には回らない。」

明日までに考えておいて、と言われてうなずいたものの、なんだか・・

(すっっごく、めんどくさそうな予感がする!!)

思っていたのと、若干違う展開に、周りを確認してから、思いきり頭を抱えた私は、淑女の鏡には程遠い。



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