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第37話(本編完結)

アルフォンスは、いつかのように、詩集を読んでいた。

「・・アルフォンス様。」

恐る恐る呼び掛けると、アルフォンスは顔を上げ、はにかみながら笑う。


「ただいま、フィリア嬢。」

「・・お帰りなさいませ。」


アルフォンスが座っていたベンチの左を開けたので、そこに座る。


「なんだか、ちゃんとお話するのは久しぶりです。」

そう言うと、

「ああ。そうだな。」

とアルフォンスが頷く。


「王位継承権の放棄は、少なくとも今はまだダメだと言われた。クリストファーがちゃんと皇太子に返り咲くまでは。だが、国王陛下から婚約解消については正式な許可が出た。・・エリーゼたちに会ったか?」

聞かれて頷く。

「仲を認めてもらえるように頑張った、と言っていました。両家に仲を認めてもらえて、良かった。アルフォンス様も、お疲れ様でした。」

アルフォンスも行ったと聞いた。2ヶ月かかっていることだけで大変だったのだろうと想像できてしまう。

「自分のためだからな。俺も必死で頑張った。」

そう言うと、アルフォンスはこちらを向いて私を真っ直ぐ見た。

深い海のような色の瞳に、吸い込まれそうだ。


「フィリア。俺は王族を抜ける。唯一のステータスである第二皇子の地位を捨てる。俺は自分なりに、自分の人生に決着をつけて、前だけ向いて進もうと思う。だから、ここから言うことは、一人の男の言葉として、聞いてほしい。」

ドキドキと心臓がうるさい。

これは、もう私が知らない世界。

シナリオに存在しない、どんなルートにもない場面。


「俺は、フィリア嬢を、愛している。この先、俺が進む道で、ずっと隣にいてほしい。」


アルフォンスの低い声が、震えながら告げる。

いいのだろうか?

この手をとった先の未来を、私は知らない。

でも。


「アルフォンス様。私、あなたの隣で生きていきたいです。」

恋人のふりはやめると言われた時。

いつかその日が来ると分かっていたのに、心はそれを拒否していた。

やめてしまえばもう言葉を交わすことすらなくなり、ずっと寂しかった。

そばにいる間に、単なる契約で割りきれなくなっていた。多分ずっと前から、私は、アルフォンスに惹かれていたのだ。


「・・まさか、すぐに返事がもらえると思ってなかった。こういう時はどうしたらいいんだ?」


耳まで赤くしてそう言うアルフォンス。


「とりあえず、名前の呼び方、でしょうか。アル?」


冗談ぽくそう言うと、アルフォンスはクスッと笑い、

「とりあえずそこからだな、フィー。」

そう言っておでこをこつん、とくっつけた。


ここからの物語には、シナリオもセリフも存在しない。

でも、愛しい時間の積み重ねが、道を作っていく。

まだまだいろんな事があるだろうけど、アルとならきっと大丈夫だ。


私たちはおでこをくっつけたまま互いの目を合わせて、笑い合った。

『完』

早く二人を本当の恋人にしたくて、駆け足で進んだところもありましたが、無事に書くことができました。

クリストファーの目線での彼の話と、セドリックの目線での後日談を考えています。(個人的には後から出てくるセドリック君をもっと活躍させたかった!セドリック君活躍編で第二部を書いてしまうかもしれません。)

ここまで、お付き合いいただきありがとうございました。


小説投稿にあたり、今目標にしているのは、評価ポイント目指せ200!と、読者様からの感想を頂くことです。

達成に向けて頑張っていきますので、ぜひぜひ応援よろしくお願いいたします!!

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