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第27話

暗くなっていたため、私は、寮にこっそり戻ることになった。

まず向かったのは、エリーゼのところだ。

「・・フィリア!!」

ドアをノックすると、エリーゼが出て来て、私を見るなり抱きついた。

部屋にいれてもらうと、質問責めにされる。


「・・まあ、セドリック様が?」


話を聞き終えたエリーゼは、驚きつつも、あの後の事を話してくれる。

行ったまま私は戻らず、クレアも来なかったため、エリーゼは温室に向かったらしかった。


「シュバルツとアルフォンス様にフィリアが来ないことを伝えました。どう伝えるべきか分からなくて、ただ、危ないことに巻き込まれた可能性がある、と。」

その後学園中を探したが、手掛かりもつかめず、唯一なにか知っているはずのクレアもまた、どこを探してもいなかった。

「アルフォンス様が、クリストファー様に助けをあおぐと言ってくださって、私は、シュバルツに寮まで送られてしまいました。」

そして、今、という訳らしい。

早くアルフォンスに無事を知らせたいが、セドリックのおかげで寮に入れたものの、この後の出入りは難しい。


それに、ある意味私がいなくなって焦っているはずの人物の裏をかくまたとない機会だけに、あまり騒ぎを起こしたくはなかった。

今夜の内に、会っておかなければいけない人がいる。


「エリーゼ、協力してほしいことがあるの。」

私はエリーゼを見つめた。

「なんですか?」

エリーゼは私の手を握り、聞いてくれる。

こんなことは、終わらせなければ。その後、私はエリーゼに一つのお願いをして、『彼女』に会うために部屋をでた。



翌日。

「ごきげんよう、フィリアさん。」

「ごきげんよう、ロザリンド様。どういったご用件でしょうか?」

私は、ラスボス感を漂わせる公爵令嬢、ロザリンド・サルバドールに呼び出され、人気の無い庭園にいた。


「あなたに、忠告したいことがありましたの。」

ロザリンドは艶やかに笑い、シルバーの巻き髪を揺らす。

「忠告?」

「ええ。・・クリストファー様に近づくのをやめていただきたいの。」

表情とは違う冷ややかな声。

「なぜ、そんなことを?」

「なぜ?私が誰か、分かっていらっしゃるのかしら?」

そう言ったロザリンドからは笑みが消え、彼女は静かに近づいてきて、持ち歩いているわたしの鞄を取り上げた。

「あっ!何を?」

慌てたわたしの前で、彼女は噴水の横に行き、優雅に鞄を開け、中のものをぶちまけた。


「忠告はしましたわ。次はなくてよ。」

涼しい顔でそう言うロザリンドに私は近づく。

そして。

パァン!!

私は、ロザリンドの頬を叩いた。

目を見開くロザリンド。

そして、ロザリンドが何か言いかけたとき。


「そこまでだ。」

凛とした声が私たちを制止し、登場したのは、アナスタシアとアルベルト、顔色の悪いクレア。そして声の主であるクリストファーだった。

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