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主人公登場

ブーン、ブーン。スマホの呼び出し音が8畳一間ほどの間取りの部屋に響き渡る。お世辞にも新しいとは言えない造りの部屋だったが男子高校生の一人暮らしには充分だろう。


「はい、内田ですけど」

少年はベットからは起きず寝たままの体制でなんとか電話に出た。

「もしもししゅん?もう、やっと出た。何回も電話してるのに!」


「あー、母さんか。なんだよこんな早くに」


「こんな早くにって、もう夕方なんですけど。まさか今日も学校に行ってないの?」


電話の相手はしゅんと呼ばれる少年の母親のようだ。どうやら少年が学校に行ってないことへのいかりの電話だ。顔を見ずともかなり母親が怒っているのが電話口の声で伝わってくる。


「だからー、何回も言ってるけど俺は優秀だからテスト以外はほとんど学校に行かなくていいの」


「全くどんな学校なの本当に。言っとくけどねー一人暮らしでだらだらさせるために東京に送り出したんじゃないんだからね!ご飯はだべてるの?」


「まぁ、吉田屋が多いけど食べてるよー」


「お金は?バイト代があるとか言ってたけど大丈夫?」

「ああ、うん」

と言いいながらつい最近買ってしまった机の上に輝くノートパソコンに目をやった。


「とにかく、学校に行きなさいよ!それじゃあね」

プー、プー。電話を終えるとしゅんは自分の財布の中身を見た。


「957円。次の仕送りまであと十日もあるのに‥吉田屋に米だけ買いに行くか」


残りわずかな所持金を握りしめてしゅんはこの日初めての外出をすることにした。

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