模擬戦2
「な、んだと。止められた」
福田はすかさず拳を引っ込め後方へと距離を取った。
会場がざわいた。いくら名家の娘とはいえ序列10位の攻撃をあっさり止めたことに見ている生徒たちはどよめいていた。
「おい、あの福田の攻撃を止めたぞ。どうなってるんだ?」
「確かに福田の魔力はすごいがそれより一条だ」
「??あの風魔法そんなにすごいものだったか?」
友人の反応に加藤は呆れた様子だった。
「お前ほんとにこの学園の生徒か?よく見ろ」
「あの風の壁は範囲は狭いがものすごい高密度な魔力だ。あんなものを一瞬で発動させるとは、さすが名家と言ったところか」
加藤の他にも優美の魔力の高さに気づいていた者は会場には少なくなかった。
「もう終わりかしら?日本一の学園の序列十位っていうのはこの程度なの?」
「一度攻撃を止めたくらいで調子に乗るなよ。女ー」
そう言うと福田はさらに魔力を高めていった。特に右腕に魔力を集中させ一気に勝負を決めようとしていた。
「そうね、次で終わりにしましょう」
優美は今度は両手を左右に広げ、風を起こしはじめた。そしてみるみるうちにそれは巨大な二本の竜巻となっていった。
会場の生徒たちは息を呑んだ。
「次で決まるな」
「ああ、2人とも本気だ。こんな高い魔力、一年生同士とは思えないな」
見ていたギャラリーの生徒達もハイレベルな魔法の戦いにビリビリしていた。次で勝負が決まる。それは戦っている本人達だけではなく、審判の教員や見ている生徒達もそう感じていた。