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ひょっとして、犯人ですか?


2人とも倒れるというこの事態に、会場中がざわつきはじめる。


「おい、しゅん!これ、やばいんじゃ‥」


「くそ!」

しゅんは急いで下へと向かい、隆弘もそれに続いて走り出した。


審判の本田も大変なことが起こったと思い、急いで2人の容態を確認する。

まず!魔法をもろに受けた優美に近づいて、意識を確認した。


「おい、一条。しっりしろ!」


駆け寄って軽く肩を叩きながら、声をかける本田。

すると優美はゆっくりと目を覚ました。


「あれ?私‥痛ッ!」

起き上がろうとすると、痛みが優美を襲った。


「まだ動かない方がいい!」


「いえ大丈夫です。あの、私どうなったんですか?」


「水上の魔法をうけて、気を失っていたんだ。

まぁすぐに意識も戻ったし、大丈夫だとは思うが‥」


「おい優美!大丈夫か?」

ものすごい勢いで駆けつけてきたしゅんが

息を切らしながら声をかける。


「しゅん。ありがとう、大丈夫みたい」


痛みはあるが、何とか立ち上がって答える優美。

優美のこの言葉には、しゅんも安堵の表情を見せる。

しかし、そばに立っていた本田の方を向くと

険しい表情でせめたてた。


「おい本田!どうして試合を止めなかった!

水上のあの魔力、普通じゃなかったろ!」


「すまない。確かにいつもとは違っていたが、まさかこんな事態になるなんて‥」


しゅんに言われ、本田も責任を感じているようだった。


「それより先生、水上さんの方は?」


「おう、そうだった」


隆弘の言葉で、思い出したかのように本田はレナに駆け寄った。

しゅんと隆弘もそれにつづく。


「水上。おい、水上!」

優美とは違い、レナの意識は戻らなかった。

それどころかかなり衰弱しているかのようにも見える。


「これ、かなりまずいんじゃ‥」

レナの容態に全員が不安を抱いた。


「加藤、すぐに救急車を呼んでくれ!

水上の方はすぐに病院へ運ぶ必要がある」


「分かりました。先生は?」


「私は一条を医務室へ連れて行った後、水上のご両親に連絡したり、学園長に報告したり事後処理をしておくよ」


「そうですか。分かりました。こちらはお任せください」


隆弘はそう言うと、スマホを取り出して救急車を要請した。


「歩けるか?」


「は、はい」


そう言うと、本田は優美を連れて医務室へと向かって行った。


「何であいつが連れてくんだよ」

会場を後にする2人の背中を見ながら、しゅんは不満をもらした。


医務室は本校舎の一階にあり、隣接する第一演習場からは

それほど遠くはなかった。

本田は優美に合わせて、ゆっくり歩き進めたが

ほどなくして、2人は医務室に着いた。


すでに下校時間は過ぎているため、医務室には

誰もおらず、真っ暗だった。

電気をつけて、本田は優美をベットに座らせると、自身も近くにある椅子に腰かけた。


「具合はどうだ?一条」


「ええ、大分楽になりました」


「よかった。あの魔法を受けた時はどうなることかと思ったよ」


本田の言うように、あれだけの魔法を受けてよく無事だったと優美は自分ながらに感心する。

丈夫な体に生んでくれた両親に感謝した。


「それで一条。水上のあの魔力、お前はどう感じた?」


「はい。異様な魔力でした。私の風魔法を受けた後

何か口に入れていたように見えたんですが」


「なるほどな。それで福田の時と比べてはどうだ?」


「え?」

本田のこの言葉に優美は少し驚いた。

確かに、福田の時と同じ魔力を感じたのは確かだったが

どうして本田がこのことを知っているのか不思議だったからだ。


「ええ。確かに福田くんの時と同じ魔力を感じました。

どうして先生がそのことを知ってるんですか?」


優美の言葉に本田は少し慌てる。


「いや教員全員、河原でのことを学園長に聞かされていたんだ。それで、もしかしたらと思ってな」


「そうですか‥」


「それで、福田の時と比べて、水上の魔力の強さはどうだった?」


急かすように次々と聞いてくる本田に

優美は不信感を抱きながらも質問に答えた。


「ええ。福田くんの時よりも強い違和感がありました。

より強大な魔力を得た感じがしたといいますか‥」


優美のこの言葉に本田はなにやら納得したような表情を浮かべる。


「やはり2錠と3錠では、得られる魔力に大きな差が生まれるようだな」


本田のこの言葉はもはや理解できないものだった。


「先生、さっきから何をおっしゃっているんですか?」


「うん?いや、何でもない、忘れてくれ。

私はそろそろ行くからしっかり休んで帰るんだぞ」


そう言うと、本田は立ち上がってその場を去ろうとした。


「あ、あの!」

立ち上がろうとする本田を引き止めようと優美が声をかける。

すると、立ち上がった本田のポケットから小さな瓶が落ちてきた。


中には、白い錠剤が入っていた。


「あの、先生。何か落としましたけど」


「うん?」

優美の言葉に、本田は自分が瓶を落としたことに気づき

慌てて拾おうとする。


全てを悟った優美は、本田が伸ばした手を掴んだ。


「先生、この薬は一体なんですか?

わずかにですが、福田くんや水上さんから感じた異様な魔力を感じるのですが」


「ただのビタミン剤では納得できないかな?」


本田のこの言い草に優美は怒りを覚える。


「ふざけないでください!あなただったんですか?

福田くんや水上さんに異様な魔力を与えていたのわ!」


「一条‥場所を変えようか」


そう言うと、2人は医務室を後にした。


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