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仮面男の正体


手錠をかけた後も、仮面の男は激しく抵抗した。

警官2人がかりでなんとか抑え込み、無線機を使って

応援要請をする。


ほどなくして数台のパトカーが応援にかけつけてくると

中から10名ほど警官が出てきて、その場は一気にものものしい雰囲気となっていった。

そしてそのまま押さえつけられていた仮面の男を

パトカーの中へと連れていった。


しゅん達の活躍もあって、福田の件に関わっているかもしれない男を、捕らえることに成功したのだった。

しかしこの見慣れない光景に、しゅんと優美はやや落ち着かないようだった。

すると3人の元に、いかにも強面といった感じの

警官が向かってきた。


「日本警察東京本部、魔道課の吉田です。

今回は犯人確保に協力していただきありがとうございます。

あの男は裏の世界では暗殺者としてちょっとした有名人だったのですが‥

返り討ちにしてしまうとは、いやーさすがはケセームの学生さんです」


強面な見た目とは違い、丁寧にお礼を言う吉田に

3人とも笑みがこぼれる。


「それに引き換え‥」

すると今度は、先ほどまで3人と一緒に仮面の男を確保していた警官2人をギラリと睨みつけた。


「護衛する役目のお前達が、逆に護衛されててどうするんだ!」


「す、すいません。すいません」

この反応から、どうやら吉田は2人の上司のようだった。

高校生に助けられ立場の無い2人は、ただただその場で縮こまっていた。


「あの、護衛というのは?」

そんな警官2人をよそに、優美は尋ねる。


「実は先輩から‥いえあなたがたの学園長に、お2人が事件に巻き込まれたことから捜査を手伝うようにお願いしたと連絡があったんですよ。

犯人が接触してくる可能性もありますし、念のため

影から護衛するようこの二人に言ったのですが」

そう言うと、吉田は再び鋭い視線を警官2人に送る。


「尾行に気づかれるは、助けてもらうはで本当にもう」


「い、いえ」

怒りが止まらない吉田をなだめるように優美が言う。

2人の警官が責められている中、隆弘は気になることを吉田に聞いた。


「それで、昨日うちの生徒に妙な力を与えたのは

その仮面男なんですか?」


それを聞くと、吉田は頭をかきながら

少し困った様子で答えた。


「先程少し仮面の男を問い詰めたのですが、どうやら金で雇われただけのようで」


「そうですか」

手掛かりを掴めるかもしれないと思っていただけに

隆弘は少し肩を落とした。


「狙いは内田くん、そして一条さんの2人だったようで

写真と金だけ渡されて、詳しいことは何も聞かされてなかったようです」


「お、俺達?たしかそこの2人を尾行してたはずだったけど」


狙いが自分達であったことを聞くとさすがにしゅんと優美にも動揺がはしった。

高校生に命を狙われていたという酷な

真実を告げたことに、多少後悔しつつも吉田はそのまま

話を続けた。


「結果的にうちの部下をを尾行する形になっただけのようです。

あくまで狙いはお2人だったようで‥

依頼人の方も全く面識はなかったようです」


「その依頼人。どんな人だったと言っていましたか?」


「夏だというのに黒い厚手のパーカーを着ていて

フードを深く被り、マスクをして顔を隠していたようです。

今のところ聞き出せたのはこれだけです」


今回捕らえた男から得られた情報からは、福田に錠剤を渡した男を特定出来るものではなく、3人とも先が思いやられる気がしていた。


しかし命を狙われていたのは事実で、しゅんも優美もそして隆弘も、もう後には引けないということをこの場で理解していた。


「それでは私は署に戻って、引き続き男の事情聴取をしますのでこれで失礼します。

気をつけてくださいね。暗殺者が動くような事態になっていますので」


「分かりました」

しゅんがそう言うと、吉田は3人に一礼してから

他の警官達を連れてパトカーへと乗り込みその場を去っていった。

先程まで騒々しかった現場は、パトカーがいなくなったことで再び静寂を取り戻した。


「結局、分かったのは季節外れのパーカーきたやつが

錠剤に関わってるってことだけか」


街中で戦闘を繰り広げてまで得た情報は

それほど大きなものとは言えず、力なさそうにしゅんがそう言った。


「そうだね。で、これからどうする?」


「とりあえず腹も減ったし、その物知りなマスターがいるっていう喫茶店にでも行ってみるか?」


そういえば、当初の目的はそれだったとしゅんの言葉を聞きながら優美はハッとしたような表情を浮かべる。


「異議なし。そこの店、情報はもちろん、コーヒーとご飯もかなり美味しいからさ!」


「私も賛成。どうせ家に帰っても食べるものないし」


「決まりだな」

色々あってすっかり日も落ち、辺りはすでに暗くなっていたが、3人は目的だった喫茶店へと向かって行った。

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