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久しぶりの登校

ピピピ、ピピピ、ピピピ

久しぶりに鳴り響くスマホの目覚まし音。

しゅんはそれをやや寝ぼけながら止める。


だらだらとベッドから出るとそのままシャワーを浴びて

髪をドライヤーで乾かし制服に身を包む。

髪もワックスをつけてセットし、久しぶりに身なりを整えて家を出た。


およそ3週間ぶりの登校。しゅんは若干の緊張を覚えながら

アパートの階段を降りようとすると下では優美が待っていた。


優美の方もしゅんに気づくとやや緊張気味に声をかけた。


「お、おはよう。随分と登校ギリギリの時間ね」

その口ぶりからどうやらしゅんは優美を待てせていたようだ。


「午前中に起きるのは久しぶりだから、間に合うだけ優秀だと思うんだが」

相変わらず偉そうな口調でしゅんは言う。


「というか待っててくれたのか?」


「あなたがちゃんと学園に来るかわからなかったからよ。

あと少し遅かったらインターホン鳴らしまくろうと思ってたとこだったんだけど」


まるで母親のような台詞を吐く優美に、しゅんは少し笑いそうになる。


「それはどうも。それより早くしないと遅れるぞ」

一応礼を言うとしゅんはさっさと歩き始める。


「だ、誰のせいよ本当に」

偉そうな口調に優美はやや怒りながらも

しゅんの後を追い、2人は学園へと向かった。


なんとか登校時間に間に合い2人は教室に入る。

しゅんの久しぶりの登校にクラスメイト達も騒ぎ出した。


しかし優美と2人での登校。この状況に男子生徒達は

怒りながらしゅんに詰め寄ってきた。


「久しぶりに来たと思ったら、おいしゅん‥何でお前一条さんと一緒に来てるんだ‥」

男子生徒が怒りに震えながら言う。


「いや、一緒にって。たまたま会ったから来ただけで」


「たまたまだと?」


「それで何で一緒に登校する流れになるんだ!」


「しかもお前、ずっと休んでたんだから一条さんのことは

知らないはずだろうがー!」


しゅんの適当な答えに、男子達の怒りはとまらない。

優美は転入してきてからまだ3日目だったが、その容姿と魔法の実力も相まって、今や男子達のマドンナ的存在になっていたのだ。


「さぁ、説明してもらおうか。

どうして一緒に来たのかをよー」


「お、おい落ち着けって。優美もなんとか言ってくれよ!」

殺気立つ男子達にたじろぎながら、しゅんは優美にヘルプを求めた。


「ゆ、ゆみだと」


「お前なぁー、なに下の名前で呼んでんだこのやろう!」


「お前いい加減にしろよほんと!」


しゅんの言葉はかえって男子達の怒りに油を注ぐかたちとなってしまった。


「おーい、何やってんだ。ホームルーム始めるぞ」


最早沈めることが不可能と思えるほどの男子達の怒りだったが、担任の登場によりさすがに静まり、各々自分の席へと戻っていった。


これにはしゅんも安堵の表情を浮かべ、久しぶりとなる自分の席へと向かった。


席に座ると、真後ろの隆弘がしゅんに話しかけてきた。


「久しぶりだなしゅん。テストでもないのに登校なんてめずらしいな」


「加藤」

他の男子生徒とは違って、普通に声をかけてきた隆弘に

しゅんも一安心した。


「いや、ちょっと、学園長に言われてな。面倒なことにならなきゃいいんだけど‥」


「学園長にねー。それで一条さんとはどういうご関係で?」

しゅんの久々の登校よりもやはり隆弘もそっちの方が気になっていたようで、からかうような口調でそう尋ねた。


「お、お前までそんなこと‥」


「おい、うるさいぞ内田!学園に来たなら

ホームルームくらい静かにしてろ!」


かなり強い口調でしゅんに怒りを飛ばす。

担任の話を完全に無視して話していた隆弘としゅんだったが

怒られたのは何故かしゅんだけであった。


「あー、内田!それと一条。お前達2人は学園長が呼んでたから、授業が終わったら学園長の部屋まで来いとのことだ」


朝一緒に登校してきたことと担任のこの言葉。

2人の関係をますます怪しむ疑念の目がクラス中から向けられた。

しゅんもその視線に気づきやれやれと言った感じで返事をした。


「了解」


「分かりました」


「よし。じゃあ、授業始めるぞ」


授業が始まると隆弘は再び目の前のしゅんに話しかける。


「なぁなぁ。お前ら、やっぱり何かあんのか?」

ニヤニヤしながら何やら楽しそうに隆弘が聞く。


「めんどくせ」

そう呟くとしゅんは前を向き直した。


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